- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 250.AIと経済社会
公開日
2026.01.01
更新日
2026.01.01
日本は汎用型人工知能を開発することができるか?
2025年末現在の日本の技術動向と世界情勢を踏まえると、日本の技術力でAGI(汎用人工知能)を開発することは、「米国や中国とは異なる独自の戦略(効率性と物理レイヤーの融合)」によって、十分に可能であると予測されます。
かつては「計算リソースの物量戦」で後れを取っていた日本ですが、2025年現在は、エネルギー効率とアルゴリズムの革新によって、日本独自の「ソブリンAGI(主権を持った汎用知能)」の構築が現実味を帯びています。
- 日本のAGI開発を支える「3つの技術的柱」
2025年現在、日本は以下の3領域において、世界をリードする、あるいは独自のアプローチでAGI到達を目指しています。
① 「Sakana AI」に代表される小規模・高効率化(アルゴリズム革命)
米国の巨大テック企業が数兆円の電力を投じて巨大モデルを作るのに対し、日本(特に東京を拠点とするSakana AIなど)は、「進化的モデルマージ」という手法を確立しました。
- 技術的優位: 既存の複数のAIモデルを、生物の進化のように掛け合わせ、少ない計算資源で高度な知能(AGI)へと昇華させます。2025年には、AIが自ら研究論文を執筆・査読する「AI Scientist」が実用段階に入り、知能の自己進化が加速しています。
- Third Intelligenceの台頭: 2025年後半、松尾研究所発のスタートアップ等が「遍在型AGI(身の回りの環境に応じて自律進化するAGI)」の開発に巨額の資金を投じ、日本独自のAGI実装を推進しています。
② 「NTT IOWN」によるエネルギーの壁の突破(通信・電力革命)
AGIの最大のネックである電力消費に対し、NTTのIOWN(アイオン)が2025年に全国展開のフェーズに入りました。
- 技術的優位: 通信と演算を「電気」ではなく「光」で行う光電融合技術により、消費電力を100分の1に抑えます。これにより、日本各地の分散型データセンターを低遅延で連結し、巨大な一つのAGI脳として機能させることが可能になります。
③ 「Rapidus(ラピダス)」によるハードウェアの主権奪還
2025年、北海道で2nm(ナノメートル)世代の最先端半導体の試作が成功しました。
- 技術的優位: AGIに特化した専用チップを国内で設計・製造できる体制が整いつつあります。特に「Raads」などのAIエージェントによる半導体設計支援により、チップ開発のスピードが米中に追いつく、あるいは追い越す可能性が出ています。
- AGI開発における日本の「勝ち筋」と「課題」
日本がAGI開発で勝負できる領域と、克服すべき課題を整理します。
| 項目 | 日本の強み(2025年) | 日本の課題 |
| 戦略 | 「ソブリンAI(主権AI)」:日本語の機微や日本文化に最適化。 | 海外大手(OpenAI等)へのデータ・プラットフォーム依存。 |
| 技術 | 光電融合、ロボティクス(身体性)との融合。 | 生成AIエンジニアの絶対数の不足。 |
| 法制度 | 2025年5月施行の「AI活用推進法」による柔軟な規制。 | 著作権を巡るクリエイターとの合意形成。 |
| 投資 | 政府による1.5兆円規模の補正予算支援。 | 米国の数十兆円規模の民間資本との差。 |
- AGI開発の「日本モデル」予測
日本が目指すAGIは、シリコンバレーのような「万能の神」を目指すものではなく、「現実世界と密接に繋がった実直な知能」になると予測されます。
- フィジカルAGI: 日本の得意な精密機器・ロボット技術とAGIを融合させ、介護、建設、製造現場で人間と共に働く「体を持った知能」での圧倒的優位。
- 省エネAGI: 「光演算チップ」を核に、スマートフォンのような小型デバイス上で、インターネット接続なしでもAGI級の推論ができる環境の構築。
- 文化特化型AGI: 日本語の複雑な文脈や、高コンテクストなコミュニケーションを完璧に理解し、日本の行政・金融・医療の専門業務を自律的にこなす「ソブリン(主権)知能」。
結論
2025年、日本がAGIを開発することは「十分に可能」な段階にあります。
米国や中国が「計算資源の暴力」で知能を押し上げているのに対し、日本は「光(IOWN)」「進化(Sakana AI)」「製造(Rapidus)」を掛け合わせることで、極めて洗練された、持続可能なAGI(日本型AGI)を構築する独自のポジションを確立しつつあります。
今後の展望:
AGI開発が成功するかどうかは、技術力もさることながら、日本政府による「電力網の強靭化」と「国内DCへの継続的なエネルギー供給」という、極めて政治的な決断が最後の鍵を握っています。
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人工知能AIのパラダイムシフト:ANI、AGI、ASI
https://www.eionken.co.jp/note/ani-agi-asi/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・AI未来社会評論家
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。
・学習院大学経済学部非常勤講師、東京都職員研修所講師を歴任
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書14冊、英語関連の著書26冊、合計40冊の著書がある。
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