心に響く英語ことわざ（896）チベット仏教の指導者ダライ・ラマの名言　Just one small positive thought in the morning can change your whole day.（一日の計は朝にあり）

“Just one small positive thought in the morning can change your whole day.”

直訳は「朝のたった一つの小さなポジティブな思考が、あなたの一日全体を変えることができる」で、似た意味の言葉に「一日の計は朝にあり」や「心が変われば行動が変わる」があります。

ダライ・ラマ（Dalai Lama）の名言　Just one small positive thought…の意味

この言葉は、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世が、「心の力」と「日々の実践」の関係について説いたものです。大きな努力を必要とするのではなく、朝起きた時の「最初の一念」という極めて小さな心の向きが、その日一日の感情や行動、そして結果を決めるトーンとなるという、精神修養の教えの核心を突いています。

この言葉が意味すること この名言は、仏教における「心の訓練」と「マインドフルネス」の重要性を説いています。

• 「Just one small positive thought in the morning」（朝のたった一つの小さなポジティブな思考） 「小さな思考」とは、「今日は誰かの役に立とう」や「今日は優しくあろう」、あるいは「今日は最善を尽くそう」といった、意識的な意図（インテンション）を意味します。朝の心はまっさらで、その時にセットした軌道が一日の心の航海を支配します。
• 「can change your whole day」（あなたの一日全体を変えることができる） 最初にポジティブな意図を持てば、その後、苛立たしい出来事があっても、冷静に、寛容さをもって対処できます。逆に、朝にネガティブな思考を持って始めると、その日一日、あらゆる出来事が悪く解釈されてしまいます。

ダライ・ラマは、大きな変革ではなく、誰でもできる「小さな心の訓練」が日々の幸福を築く土台であることを強調しています。

似た意味の英語のことわざ

• “A journey of a thousand miles begins with a single step.” （千里の道も一歩から。） 老子の言葉。大きな変化は「小さな一歩（single step）」、つまり「small thought」から始まるという点で共通します。
• “The morning sets the tone for the day.” （朝がその日の調子を決める。） この名言の意味を平易に表した表現です。
• “Where there is a will, there is a way.” （意志あるところに道は開ける。） 朝の「ポジティブな意図」が「意志（will）」となり、行動と結果を導くという意味で関連します。

似た意味の日本語のことわざ

• 「一日の計は朝にあり」（いちにちのけいはあさにあり） 一日の予定や心の準備は朝のうちに行うべきだという意味で、名言の趣旨と完全に一致します。
• 「心頭滅却すれば火もまた涼し」（しんとうめっきゃくすればひもまたすずし） 心の持ち方次第で、どんな苦痛も感じなくなるという、心の力の偉大さを表しています。
• 「一念発起」（いちねんほっき） 何かを成し遂げようと強く思い立つこと。朝の一瞬の思いが一日を決めるという点で通じます。

ダライ・ラマ（Dalai Lama）の波乱万丈な生い立ち

ダライ・ラマ14世、テンジン・ギャツォ（1935-）は、チベット仏教ゲルク派の最高指導者であり、チベットの元首でもあります。

• 転生と幼少の発見 1935年、チベット東部の農家の息子として生まれました。2歳の時に、前のダライ・ラマの転生者として認定され、ポタラ宮で仏教とチベットの政治を学ぶ厳格な教育を受けました。
• 亡命と非暴力の闘い 1950年に中国がチベットに侵攻。1959年のチベット動乱の際にインドへ亡命し、以降、北部ダルムサラを拠点に亡命政府を樹立しました。彼は、チベットの独立のために一貫して「非暴力」の手段を用いて国際的な訴えを続け、その平和的な活動が高く評価され、1989年にノーベル平和賞を受賞しました。
• 世界的な教えの伝播 彼は精神的な指導者として、仏教の慈悲（コンパッション）の教えを国境や宗教を超えて広めています。彼の教えは、現代社会のストレスや混乱の中で、日々の心の平和を見つけるための実践的な知恵として、世界中の人々に受け入れられています。

名言の出典

名言の出典は不明 （※この言葉は、ダライ・ラマ14世が長年にわたる講演やインタビュー、または彼の公式Twitterなどの発言で繰り返し述べている教えを要約したものであり、チベット仏教の「心の訓練」の教えに基づいています。）

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心に響く英語ことわざ（895）フランスの画家クロード・モネの名言　Everyone discusses my art and pretends to understand, as if it were necessary to understand, when it is simply necessary to love.（芸術は理屈ではなく感動）

https://www.eionken.co.jp/note/everyone-discusses-my-art/

心に響く英語ことわざ（897）アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの名言　Those who gossip with you will gossip about you.（口は災いの元）

https://www.eionken.co.jp/note/those-who-gossip-with-you/

著者Profile

山下 長幸（やました ながゆき）

・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。

・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ：学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか？」など26冊がある。

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