- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.08
更新日
2025.09.08

心に響く英語ことわざ(650)近代科学の祖で英国の哲学者フランシス・ベーコンの名言 Knowledge is power.(知は力なり)
“Knowledge is power.”
直訳は「知識は力なり」で、この言葉は、知識が、個人や社会に、大きな影響力と支配力をもたらすという普遍的な真理を表現しています。
フランシス・ベーコン(Francis Bacon)の名言 Knowledge is power.の意味
この言葉は、イギリスの哲学者、科学者、政治家であるフランシス・ベーコンが、「知識の持つ力」について述べたものです。彼は、単なる伝統的な学問ではなく、経験と観察に基づいた、科学的な知識こそが、人間を自然界の法則から解放し、より豊かな生活をもたらすと説きました。
この言葉が意味すること
この名言は、「無知は弱さであり、知は強さである」という哲学を強調しています。
- 「Knowledge」(知識) ベーコンは、この言葉を、単なる情報や事実の集積としてではなく、自然界の仕組みや法則を理解することと捉えています。例えば、病気の原因が分からなければ、私たちはそれに無力です。しかし、病気の原因(知識)を理解すれば、治療法を見つけ(力)、病気に打ち勝つことができます。
- 「is power」(は力なり) この「力」は、単なる物理的な力だけでなく、支配、影響力、そして変革の力を意味しています。
- 支配の力:自然の法則を理解することで、私たちは、自然現象を制御し、利用することができます。
- 影響力の力:知識を持つことで、私たちは、社会的な議論で優位に立ち、他者を説得し、社会をより良い方向へ導くことができます。
- 変革の力:知識は、新しい技術や発明を生み出し、私たちの生活を根本的に変える力を持っています。
似た意味の英語のことわざ
- “The pen is mightier than the sword.” (ペンは剣よりも強し。) これは、物理的な力や暴力よりも、言葉や思想の持つ影響力の方が、より強力であるという意味で、ベーコンの言葉と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その成功は、多くの場合、知識と結びついています。
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉ですが、ベーコンの言葉は、自己だけでなく、他者や世界の真実を「知」ることで、より大きな力を得られることを示唆しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「知は力なり」(ちからはちからなり) 知識は、人間にとっての力になるという意味。ベーコンの言葉を的確に表す日本語です。
- 「学ぶは一生の宝」(まなぶはいっしょうのたから) 学び続けることは、一生の財産になるという意味。
- 「百聞は一見に如かず」(ひゃくぶんはいっけんにしかず) 百回聞くよりも、一度自分の目で見る方がはるかに良いという意味。この言葉は、ベーコンが提唱した、「経験」に基づく知識の重要性を示しています。
フランシス・ベーコン(Francis Bacon)の波乱万丈な生い立ち
フランシス・ベーコン(1561-1626)は、イギリスの哲学者、科学者、そして政治家であり、科学的方法(scientific method)の父の一人と見なされています。彼は、イギリスの法務長官や大法官を務めるなど、政治の世界でも活躍しました。
幼少期と大学での才能
1561年、ロンドンの裕福な家庭に生まれました。彼は、ケンブリッジ大学で学び、その後、法曹界に進みました。彼は、優れた知性と弁舌の才能を持ち、若くして頭角を現しました。
科学的方法の提唱
彼は、当時の学問が、アリストテレスの哲学に固執し、経験や観察を軽視していることを批判しました。彼は、『ノヴム・オルガヌム(新機関)』という著作で、帰納法に基づく、新しい科学的方法を提唱しました。この方法は、客観的な観察、実験、そして論理的な推論を通じて、真理を探求するというもので、後の科学の発展に大きな影響を与えました。
政治での成功と失脚
ベーコンは、政治家としても成功を収め、イギリスの法務長官や大法官にまで上り詰めました。しかし、彼は、賄賂を受け取った罪で弾劾され、政治の世界から追放されました。
晩年と遺産
彼は、政治の世界から退いた後、哲学や科学の研究に専念しました。彼は、1626年、鶏肉に雪を詰めて腐敗を防ぐ実験を行っている最中に、風邪をこじらせて亡くなりました。 フランシス・ベーコンの生涯は、知の探求と、権力への野心に満ちたものでした。彼の言葉は、私たちに、知識が、人間を無知と無力から解放し、より良い未来を創造する力であるという、普遍的な教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(649)儒教開祖の孔子の名言 What you do not want done to yourself, do not do to others.(されたくない事をするな)
https://www.eionken.co.jp/note/what-you-do-not-want/
心に響く英語ことわざ(651)「マイ・フェア・レディ」の原作者として有名なアイルランドの劇作家バーナード・ショーの名言 I learned long ago, never to wrestle with a pig. You get dirty, and besides, the pig likes it.(関わるな、放っておけ)
https://www.eionken.co.jp/note/i-learned-long-ago/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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