- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.06
更新日
2025.12.06
心に響く英語ことわざ(887)「ロミオとジュリエット」で有名なイギリスの文豪ウィリアム・シェイクスピアの名言 Let me embrace thee, sour adversity, for wise men say it is the wisest course.(逆境は賢明な道)
“Let me embrace thee, sour adversity, for wise men say it is the wisest course.”
直訳は「私に、苦い逆境よ、おまえを抱きしめさせてくれ。なぜなら、賢者たちは、それが最も賢明な道だと言うからだ」で、これは、「逆境」を、避けたり、恐れたりするのではなく、「受け入れ、直面する」ことこそが、「知恵」と「成長」につながるという、ウィリアム・シェイクスピアの深い洞察を表現しています。
ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)の名言 Let me embrace thee…の意味
この言葉は、イギリスの劇作家、詩人であるウィリアム・シェイクスピアが、「逆境と知恵の関係」について述べたものです。彼は、「逆境(adversity)」を、「苦い(sour)」ものとしていますが、それでもなお、それを「抱きしめる(embrace)」という、積極的な姿勢を勧めています。
この言葉が意味すること
この名言は、「逆境の受容」を強調しています。
- 「Let me embrace thee, sour adversity」(私に、苦い逆境よ、おまえを抱きしめさせてくれ) シェイクスピアは、この言葉で、「逆境」を、擬人化し、それを「抱きしめる」という、比喩的な表現を用いています。彼は、「逆境」を、敵として、戦うのではなく、「人生の教師」として、受け入れることの重要性を示しています。
- 「for wise men say it is the wisest course.」(なぜなら、賢者たちは、それが最も賢明な道だと言うからだ) この部分が、この言葉の核心です。シェイクスピアは、「賢者たち(wise men)」の言葉を引用することで、「逆境を受け入れる」という姿勢が、「最も賢明な道(the wisest course)」であることを強調しています。彼は、「逆境」が、私たちに、「強さ」、「知恵」、そして「人間的な深み」を与えてくれると信じていました。
似た意味の英語のことわざ
- “That which does not kill us makes us stronger.” (私たちを殺さないものは、私たちをより強くする。) これは哲学者フリードリヒ・ニーチェの名言で、逆境が、私たちをより強くするという点で、シェイクスピアの言葉と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、逆境を受け入れる意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、逆境を受け入れるという小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)の波乱万丈な生い立ち
ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)は、イギリスの劇作家、詩人であり、「イングランドの国民的詩人」、そして「アヴォンの吟遊詩人」として知られています。彼は、『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』といった、多くの不朽の名作を生み出し、その作品は、世界中で上演され、愛されています。
幼少期と文学への道
1564年、イングランドのストラトフォード=アポン=エイヴォンで、裕福な商人の家庭に生まれました。彼は、その生涯を通じて、多くの戯曲と、詩を執筆しました。 彼は、その後、ロンドンへ渡り、俳優、そして劇作家として、活動を始めました。彼は、「王室御用達」の劇団に所属し、多くの傑作を生み出しました。
作家としての成功と晩年
シェイクスピアは、その後、『マクベス』や『オセロ』といった、多くの悲劇や、喜劇、そして歴史劇を次々と発表しました。彼の作品は、人間の感情、そして人生の真理を、深く描き出しています。 彼は、その後、ストラトフォード=アポン=エイヴォンへ戻り、そこで、その生涯を終えました。彼は、1616年に52歳で亡くなりました。 ウィリアム・シェイクスピアの生涯は、一人の人間が、その才能と、飽くなき探求心によって、いかに文学と、世界を豊かにすることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、逆境を受け入れ、そこから学ぶことの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(886)「ファウスト」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 Error is acceptable as long as we are young; but one must not drag it along into old age.(過ちから学ばず、修正しないまま歳をとってはならない)
https://www.eionken.co.jp/note/error-is-acceptable-as-long-as-we-are-young/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。

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