- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 118.シニアになって米国オンライン教育受講
公開日
2025.04.04
更新日
2025.04.07

英語学び直しでシニアになって米国小学生向け算数オンライン教育を受講してみた(3rd grade 小学3年生)
シニア世代に突入した筆者としては、特に会社での昇進などのためにTOEICや英検などを受験する必要はないのですが、米国のオンライン教育を利用して、米国の国力を支えている米国流の教育方法を体感したいことや、自分自身の英語スキルにおいて抜け落ちている部分をカバーしてみたいという思いが以前からありました。
日本と米国での教育コンテンツの違いはあると思いますが、基礎的な部分では共通するものは多いと思います。ただ、日本人の場合、それらを日本語で学習しているので、学習内容は理解できていても、英語で理解し、英語で説明することが難しいものがあります。
そこで算数・数学の学習教材が豊富で、かつ、無償でサービス提供をしているKhan Academyの算数・数学を幼稚園から小学校6年間を経て中学2年生(Kindergarten, 1st~8th Grade)までトライすることにしました。
以下は3rd grade 小学3年生です。(他の学年は関連ブログを参照してください)
3rd grade 小学3年生
3rd grade | Math | Khan Academy
学習項目は以下の通りです。小学2年生はユニット数が8でしたが、小学3年生のユニット数は14と多くなっています。
Unit 1: Intro to multiplication 掛け算入門
授業では「4x3」と「3x4」は意味が違うとかなり強調して説明していました。
4x3= 3+3+3+3=4 groups of 3=4 threes (3が4つ分という理解です)
3x4=4+4+4=3 groups of 4=3 fours (4が3つ分という理解です)
問題文における英単語・英熟語
walrus セイウチ
spots on ladybugs てんとう虫の斑点
multiplication expression 掛け算式
equation 方程式
equivalent 同等の
array 配列(行と列の表のこと)
stack plates 皿を積み重ねる
Unit 2: 1-digit multiplication 1 桁の掛け算
日本の小学校であれば、「九九」を覚えて1桁同士の掛け算の結果は一瞬で出すという感じです。
他方、米国では1桁同士の掛け算は、例えば3行x4列に並んだ〇印の絵をかいたり、数線で3,6,9,12とプロットしたりして粘り強く繰り返し教えていました。
掛け算の結果がなぜそうなるのか理屈を前面に押し出している米国教育方法と、1桁同士の掛け算の結果は「九九」で覚えて正しい答えに効率よく到達しようとする日本の教育との差が良く出ていて興味深いものがありました。
Unit 3: Addition, subtraction, and estimation 足し算、引き算、推定
四捨五入の英語
Rounding to nearest 10 :最も近い10の位に丸める (10の位で四捨五入)
Rounding to nearest 100 :最も近い100の位に丸める (100の位で四捨五入)
米国でも“4”までは切り捨て、“5”以上は切り上げで、日本と同じでした。
日本の小学校教育を受けた日本人には“Rounding to nearest 10”という英語表現に慣れないものがあります。
日本の教育の「四捨五入」という表現は数を丸める方法論を表現しているのに対して、米国教育の「最も近い10の位に丸める」という表現は数を丸めた実施する結果を提示しているところが大きく異なっており、興味深いものがあります。
「概ね等しい」の記号
米国人の先生は「概ね等しい」の記号を「≈」で板書していました。
日本ではこのような場合一般的に「≒」の記号が使われています。この記号は主に日本や韓国、台湾などの東アジアで使用されているそうです。
世界的には「≈」(approximately equal)や「≃」などの記号がより一般的に使用されるとのことで、米国の先生は国際的な表記となっていました。
筆算
3桁の2つの数の足し算・引き算に関して、筆算が登場しました。数字の繰り上がりや繰り下がりも入ってきました。米国での筆算の教え方は日本よりも繰り上がりの理屈について時間をかけて説明している感じでした。
米国の先生は筆算でも、800+905=1,705などのように3桁ごとのカンマ“,”を入れていました。
英語の場合、“thousand=1,000“、”million =1,000,000”、”billion =1,000,000,000” と3桁ごとの英単語表示のため、数字に3桁ごとにカンマを入れて数字を認識しやすくしているのだと思います。
日本でも会社の会計処理などで、数字に3桁ごとのカンマを入れるビジネス習慣となっていますが、英語表記に合わせているような気がします。
日本語の場合、漢数字は4桁ずつの表記のため「万=1,0000」、「億=1,0000,0000」、「兆=1,0000,0000,0000」のように4桁ごとにカンマを入れた方が数字の桁を認識しやすいと思うのですが、英米などの国際標準に合わせて、数字に3桁ごとのカンマを入れているのだと思います。
問題文における英単語・英熟語
Drag the point to 100 on the number line. 点を数直線上の100 まで引きなさい。
round to the nearest ten 10 の位で四捨五入する
whole number 整数
hatch 孵化する
Unit 4: Intro to division 割り算入門
小学校になり、新たな概念の「割り算」の学習に入りました。いきなり筆算の割り算をするのではなく、行と列の形式で並べた丸印を使って割り算の概念を教えていました。
日本の小学校教育で、「九九」を覚えた日本人としては計算問題への解答は容易です。
問題文における英単語・英熟語
division 割り算
chicken coop 鶏小屋
bunch 房
array 配列(行と列の表)
Do push-ups 腕立て伏せをする
Unit 5: Understand fractions 分数の理解
小学3年生になって、新たな概念である「分数」(fraction)の学習に入りました。
分数の分母と分子の英単語です。
numerator(分子)
ラテン語の「numerātor」に由来。「numerō」(数える、計算する)という動詞と、行為者を表す接尾辞「-tor」から成り立っている。
denominator(分母)
中世ラテン語の「dēnōminātor」(名付ける者)に由来。これはラテン語の「dē-」(完全に)と「nōmināre」(名付ける)から構成。
日本では「1/3」は「3分の1」と分母から分子の順に読み上げますが、英語では“1 third”と分子から分母の順に読み上げていました。
分数は以下のように英単語での表記が多く見られました。
1 third=1/3
2 thirds=2/3
分母には基本的に序数(thirdやfifthなど)を使用しています。
以下の例外があります。これらは慣用的にこのように表現されているので、覚えるしかないです。
“1/1”の英語表記
“one over one”
”1 first”とは表記しません。
“2/1”の英語表記
“two over one”
“two divided by one”
数学の文章や論文などで”two-oneth” (これは特殊表記だそうです)
”2 firsts”とは表記しません。
“1/2”の英語表記
“one-half”
”1 second”とは表記しません。
“3/2”の英語表記
“three-halves”
”3 seconds”とは表記しません。
“3/4”の英語表記
“three quarters”
”3 fourths”とは表記しません。
下記は米国の先生による「1/8」の手書き数字ですが、“h”の筆記の仕方が日本の英語教育での筆記と若干異なっています。
問題文における英単語・英熟語
blacktop アスファルト舗装
recess 休み時間
Unit 6: Equivalent fractions and comparing fractions 同値分数と分数の比較
分数の大きさの比較でそれほど大人の日本人にとっては難しくありませんでした。
Unit 7: More with multiplication and division 掛け算と割り算の詳細
3つの数値の掛け算などで、大人の日本人にとっては難しくありませんでした。
問題文における英単語・英熟語
mural 壁画
Unit 8: Arithmetic patterns and problem solving 算術パターンと問題解決
日本人にとっては、文章題の英文読解に少々時間がかかりますが、掛け算・割り算自体はそれほど難しくありませんでした。
簡単な数列、偶数・奇数の授業もありました。
1から10の数字をプロットして掛け算の結果を100マスに記載したものを考えさせる教材が出てきました。この100マスの計算結果をから縦横など数列の並び規則性を考えさせるもので、日本の小学3年生ではおそらく扱わないような内容となっていました。米国の子供たちは12×12の144個の計算結果表を使って学習するようです。
Unit 9: Quadrilaterals 四辺形
以下のような四辺形に関する学習です。図形用語を習得する必要があります。
quadrilateral 四角形
rectangle長方形
trapezoid 台形
rhombus ひし形
parallelogram平行四辺形
right angle 直角
side 辺
corner 角
それぞれの四角形の定義を学習しました。以下の通り、結構ややこしかったでした。
正方形が、四角形であり、長方形であり、ひし形に分類される問題が多数出されていました。
また正方形、長方形、ひし形が平行四辺形に分類される問題も多数出されていました。
問題文における英単語・英熟語
polygon多角形
Unit 10: Area 面積
方眼紙のような行と列の図を使って四角形の面積の説明をしていました。
1 square centimeter (1平方メートル) 1平方メートルなので“square”であっても“centimeter”は単数形でした。
2 square centimeters (2平方メートル)
日本人にとっては面積や辺の長さは簡単な掛け算・割り算で回答できますが、面積を1平方メートルの正方形でなぜそういう計算をするのか時間をかけて説明していました。
問題文における英単語・英熟語
length times the width 長さ×幅
80 square centimeters 80平方センチメートル
48 square millimeters 48平方ミリメートル
Unit 11: Perimeter 周長
四角形や五角形の辺の長さの合計(外周)を足し算や引き算でそれほど難しくありませんでした。
問題文における英単語・英熟語
regular pentagon 正五角形
regular triangle 正三角形
one side 1辺
trapezoid 台形
octagon 八角形
honeycomb cell 蜂の巣状の六角形構造
patio 中庭
Unit 12: Time 時間
米国における時刻表記は日本と同じで「時:分」でした。
7:31
米国人の先生は、午前は”a.m.”、午後は“p.m.”と“.”を入れて表記していましたが、”am”、午後は“pm”でも良いようです。
午後0時56分は“12:56 p.m.” と表記していました。
上記は日本の場合、12時間制の午後0時56分か24時間制の12時56分が一般的な表記の仕方です。
日本では24時間制の12時は12時と表記してOKですが、正午が誤解のない表記とされ、12時間制では午後0時と表記するのが一般的です。
午後0時は英語で“12:00 p.m.”もしくは“noon”です。“12 noon”という聞いたこともあります。
日本では日が変わる瞬間は12時間制で午前0時、24時間制で0時と表記するのが一般的です。
英語では午前0時は“12:00 a.m.”で午前0時5分は“12:05 a.m.”と表記します。
円形の時計(analog clock)の時刻を示す針について以下のような表現をしていました。
時針(hour hand):“shorter hand”
分針(minute hand ):“longer hand”
米国の子供たちにとって初めての円形時計の時刻の読み取りは難しそうです。
問題文における英単語・英熟語
rake leaves 落ち葉をかき集める
sidewalk chalk drawings 歩道へのチョーク絵
Unit 13: Measurement 測定
mass(質量)は、gramとkilogramの簡単な計算問題でした。1 kilogram=1000 gramです。日本人だと、1㎏=1000gの表記に慣れ親しんでいますね。
volume 体積は、liter (略記はL)とmilliliter (略記はmLもしくはml) 。
1 liter =1000 milliliterです。日本人だと、1ℓ=1000mℓの表記に慣れ親しんでいますね。
問題文における英単語・英熟語
couch ソファ
walrus セイウチ
tater tots テイタートッツ(すりおろしたジャガイモを揚げて作った小さな円筒形のスナック。オレアイダ社の登録商標)
witch’s cauldron 魔女の大釜
magic potion 魔法の薬
sea lion アシカ
Unit 14: Represent and interpret data データの表現と解釈
Picture graphs 画像グラフは、例えば1つのリンゴの絵が4個分のリンゴを表すとして、リンゴの絵で描いたグラフです。1つのリンゴの絵が4個分のリンゴを表すと、グラフの大きさを小さくするメリットがありますが、日本ではあまり見かけないグラフのような気がします。
グラフの問題は単なる計算問題ではなく、具体的な生活場面などが取り上げられていて、日本人にとっては英語の問題文の読解力が問われます。
日本では多くの数を数えるとき「正」の字を使って数を数えたりますが、米国では下記のような印で数を数えていました。
問題文における英単語・英熟語
apple orchard リンゴ園
リンゴの品種名 Pink Lady, Rome, Rome, Fiji, Gala, Granny Smith
(日本人にはなじみがない品種名ですが、日本におけるふじや紅玉のようなブランドリンゴ名のようです)
pollinate flowers 花に受粉する
otter カワウソ
dog walker 犬の散歩係
恐竜の名前
Stegosaurus ステゴサウルス
Raptor ラプトル
Triceratops トリケラトプス
T-Rex T-レックス
grow into seedlings 苗に育つ
rain barrel 雨水タンク
***
これで小学3年生の課程修了です。小学2年生よりも少しずつ難しくなり始めていました。
小学3年生の課程をしっかり学ぶには、小学2年生までにやった加減乗除の基礎知識の土台がしっかりしていることが必須という感じでした。
この記事もご覧ください。
英語学び直しでシニアになって米国小学生向け算数オンライン教育を受講してみた(2nd grade 小学2年生)
https://www.eionken.co.jp/note/math-2nd-grade/
英語学び直しでシニアになって米国小学生向け算数オンライン教育を受講してみた(4th grade 小学4年生)
https://www.eionken.co.jp/note/math-4th-grade/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
Amazon.co.jp: 山下長幸: 本、バイオグラフィー、最新アップデート