- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.08
更新日
2025.09.08

心に響く英語ことわざ(648)「クリスマス・キャロル」で有名な英国の作家チャールズ・ディケンズの名言 Nature gives to every time and season some beauties of its own…(人生は気づかないうちに変化し続ける)
“Nature gives to every time and season some beauties of its own; and from morning to night, as from the cradle to the grave, it is but a succession of changes so gentle and easy that we can scarcely mark their progress.”
直訳は「自然は、あらゆる時間、あらゆる季節に、それ自身の美しさを与える。そして、朝から夜へ、まるで揺りかごから墓場へと向かうように、それはあまりにも穏やかで容易な変化の連続であり、私たちはその進行をほとんど気づくことができない」で、似た意味のことわざに「諸行無常」があります。
チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)の名言 Nature gives to every time…の意味
この言葉は、イギリスの小説家であるチャールズ・ディケンズが、「人生と変化」について述べたものです。彼は、人生における変化が、自然界の変化のように、緩やかで気づかないうちに進行し、その過程にはそれぞれの「美しさ」があることを示しています。
この言葉が意味すること
この名言は、「人生は緩やかな変化の連続である」という哲学を強調しています。
- 「Nature gives to every time and season some beauties of its own」(自然は、あらゆる時間、あらゆる季節に、それ自身の美しさを与える) ディケンズは、自然界の移り変わりを例に挙げています。春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪といった、それぞれの季節が持つ固有の美しさを指摘しています。彼は、この自然の法則を、人生にも当てはめています。
- 「it is but a succession of changes so gentle and easy that we can scarcely mark their progress.」(それはあまりにも穏やかで容易な変化の連続であり、私たちはその進行をほとんど気づくことができない。) この部分が、この言葉の核心です。私たちは、日々の生活の中で、自分の成長や変化に気づきにくいものです。しかし、「朝から夜へ、まるで揺りかごから墓場へと向かうように」、私たちは、ゆっくりと、そして着実に変化しています。ディケンズは、この一見気づきにくい変化の連続こそが、人生そのものであると示唆しています。
似た意味の英語のことわざ
- “Change is the only constant in life.” (変化こそが人生における唯一の不変である。) これは、古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスの言葉とされており、人生は常に変化し続けるものであるという哲学を示しています。
- “The only way to do great work is to love what you do.” (素晴らしい仕事をする唯一の方法は、自分のやっていることを愛することだ。) これは、スティーブ・ジョブズの名言ですが、ディケンズの言葉は、その「素晴らしい仕事」が、緩やかな努力と変化の積み重ねから生まれることを示唆しています。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩一歩が、人生という大きな旅の「変化」を構成していることを示しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「諸行無常」(しょぎょうむじょう) この世のすべてのものは、絶えず変化し、同じ状態を保ち続けることはないという意味。ディケンズの言葉を最も的確に表す日本語です。
- 「光陰矢の如し」(こういんやのごとし) 時間が経つのは矢のように速いという意味で、人生の変化が気づかないうちに進行することを表現しています。
- 「一期一会」(いちごいちえ) 一生に一度の出会いを大切にすべきだという意味。この言葉は、人生が、変化し続ける時間の中で、一つ一つの出会いを大切にすることの重要性を説いています。
チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)の波乱万丈な生い立ち
チャールズ・ディケンズ(1812-1870)は、イギリスの小説家であり、『オリバー・ツイスト』や『クリスマス・キャロル』といった不朽の名作を生み出しました。彼は、ヴィクトリア朝時代のロンドンの貧しい人々の生活を、ユーモアと悲哀を交えて描き出し、社会の不公正を批判しました。
幼少期と貧困の経験
1812年、イングランドのポーツマスで、中流家庭に生まれました。しかし、父の借金が原因で、ディケンズ一家は貧困に陥り、父は債務者監獄に収容されました。 12歳で、ディケンズは、靴墨工場で働かざるを得なくなり、孤独で辛い少年時代を過ごしました。この経験が、彼の後の作品に大きな影響を与え、特に『オリバー・ツイスト』では、貧しい少年たちの悲惨な生活をリアルに描き出しています。
作家としての成功と社会への貢献
彼は、その後、新聞記者として働き始め、その後、小説家として頭角を現しました。彼は、連載小説という形で作品を発表し、多くの読者の心を掴みました。 ディケンズは、その作品を通じて、貧困、児童労働、そして社会の不正義といった、当時の社会問題を鋭く批判しました。彼の作品は、社会の改善に貢献し、後の社会改革運動にも影響を与えました。
晩年と遺産
ディケンズは、晩年、読み聞かせの講演旅行で世界中を飛び回り、多くの人々に感動を与えました。彼は、1870年に58歳で亡くなりました。 チャールズ・ディケンズの生涯は、貧困という逆境を乗り越え、その経験を作品に昇華させ、社会の変革に貢献した物語です。彼の言葉は、私たちに、人生は、気づかないうちに変化し続けるものであり、そのすべての瞬間に美しさがあるという、深い教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(647)進化論を提唱した英国の博物学者ダーウィンの名言 A scientific man ought to have no wishes, no affections, – a mere heart of stone.(科学には石の心が必要)
https://www.eionken.co.jp/note/a-scientific-man-ought-to/
心に響く英語ことわざ(649)儒教開祖の孔子の名言 What you do not want done to yourself, do not do to others.(されたくない事をするな)
https://www.eionken.co.jp/note/a-scientific-man-ought-to/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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