- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.03
更新日
2025.09.03

心に響く英語ことわざ(624)「若きウェルテルの悩み」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 Nothing is worth more than this day.(今を生きろ)
“Nothing is worth more than this day.”
直訳は「この日ほど価値のあるものはない」で、似た意味のことわざに「今を生きろ」があります。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の名言 Nothing is worth more…の意味
この言葉は、ドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが、「今を生きることの重要性」について述べたものです。彼は、過去の後悔や未来への不安に心を奪われることなく、「今日(this day)」という一瞬一瞬が、人生で最も価値のあるものであると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「人生は今この瞬間の積み重ねである」という哲学を強調しています。
- 「this day」(この日) ゲーテは、過去の栄光や失敗、そして未来の夢や計画といった、時間的な概念から私たちを解放しようとしています。彼は、人生で最も重要なのは、「今日」という、今この瞬間にできること、感じることに集中することだと教えています。
- 「Nothing is worth more than…」(~ほど価値のあるものはない) この部分は、私たちが日々の生活で当たり前だと思っている「今日」という一日に、最大の価値があることを断言しています。未来の成功を追い求めるあまり、今この瞬間を犠牲にしてしまうことは、最も価値のあるものを手放すことに等しいという、深い教訓を含んでいます。
似た意味の英語のことわざ
- “Yesterday is history, tomorrow is a mystery, today is a gift.” (昨日は歴史、明日は謎、今日は贈り物。) これは、過去に囚われるのではなく、今を大切に生きることの重要性を説いており、ゲーテの言葉と通じます。
- “The best time to plant a tree was 20 years ago. The second best time is now.” (木を植えるのに最適な時期は20年前だった。二番目に最適な時期は今だ。) これは、過去を後悔するのではなく、今この瞬間から行動することの重要性を説いています。
- “Carpe diem.” (今日を摘め、今を生きろ。) 古代ローマの詩人ホラティウスの言葉で、今日という日を大切に生き、楽しむことの重要性を説いています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「今日という日は二度とない」 今日という特別な一日を大切に生きるべきだという意味。ゲーテの言葉を的確に表す日本語です。
- 「一期一会」(いちごいちえ) 一生に一度限りの出会い。これは、今日という日、今という瞬間、そして今出会っている人々を大切にすることの重要性を説いています。
- 「明日の百より今日の五十」 明日の不確かな百よりも、今日の確実な五十の方が価値があるという意味で、今を大切にすることの重要性を説いています。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の波乱万丈な生い立ち
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)は、ドイツの詩人、劇作家、小説家、そして自然科学者であり、ドイツ文学を代表する偉大な人物です。彼は、約60年にもわたる創作活動を通じて、『若きウェルテルの悩み』や『ファウスト』といった不朽の名作を生み出しました。
幼少期と多岐にわたる才能
1749年、ドイツのフランクフルトで裕福な家庭に生まれました。彼は、幼い頃から神童として知られ、ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語など、多くの言語を学びました。 彼は、大学で法律を学び、弁護士になりましたが、彼の情熱は文学と自然科学に向いていました。
文学の傑作と自然科学の研究
25歳の時、彼は小説『若きウェルテルの悩み』を出版し、ヨーロッパ中に「ウェルテル熱」と呼ばれる社会現象を巻き起こしました。この作品は、若者の自殺を招いたとして批判も浴びましたが、彼の名を世界に知らしめました。 彼は、その後、ワイマール公国に仕え、政治家として活躍する傍ら、植物学、鉱物学、色彩学といった自然科学の研究にも熱中しました。彼は、『植物変態論』や『色彩論』といった著書を残し、その研究は後の科学者にも影響を与えました。
『ファウスト』と晩年
彼の生涯の集大成ともいえる作品が、30年以上の歳月をかけて執筆された『ファウスト』です。この作品は、人間が、知を求め、悪魔と契約し、最終的に救われるという壮大な物語であり、人類の普遍的なテーマを描いています。 ゲーテは、82歳という長寿を全うし、1832年に亡くなりました。 彼の生涯は、常に新しい知識を追求し、自らの才能を最大限に発揮しようとした物語です。彼の言葉は、私たちに、過去や未来に囚われることなく、今この瞬間を精一杯に生きることの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(623)社会契約論で有名なスイスの哲学者ジャン=ジャック・ルソーの名言 Virtue is a state of war, and to live in it we have always to combat with ourselves.(自己との闘い)
https://www.eionken.co.jp/note/virtue-is-a-state-of-war/
心に響く英語ことわざ(625)米国の石油王ジョン・D・ロックフェラーの名言 Singleness of purpose is one of the chief essentials for success in life…(一点集中)
https://www.eionken.co.jp/note/singleness-of-purpose/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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