- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2026.01.01
更新日
2026.01.01
心に響く英語ことわざ(921)フランスの画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの名言 One must from time to time attempt things that are beyond one’s capacity.(時には自分の能力を超えたことに挑戦しなければならない)
“One must from time to time attempt things that are beyond one’s capacity.”
直訳は「人は時々、自分の能力(キャパシティ)を超えた物事を試みなければならない」で、似た意味の言葉に「限界を突破せよ」や「虎穴に入らずんば虎子を得ず」があります。
ピエール=オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)の名言の意味
この言葉は、印象派を代表する画家ルノワールが、「個人の成長」と「創造的な飛躍」の条件について説いたものです。ルノワールは、光や色彩の美しさを描く幸福な画家として知られていますが、その裏では常に自分のスタイルを壊し、新しい技術に挑む苦闘を続けていました。安全な範囲(能力内)に留まっていては、真の芸術的な進化は得られないという、実践者としての厳しい教訓です。
この言葉が意味すること
この名言は、現状維持の罠から抜け出すための「背伸び」の重要性を説いています。
- 「from time to time」(時々/折に触れて) 毎日無理をするのではなく、定期的に自分を追い込む機会を設けるべきだという現実的なアドバイスです。
- 「beyond one’s capacity」(自分の能力を超えて) 「自分にはまだ早い」「今の自分には無理だ」と感じる領域にこそ、成長の種があります。あえて困難な課題(attempt)に挑むことで、能力の器そのものが押し広げられるのです。
似た意味の言葉
- 英語: “If you always do what you always did, you will always get what you always got.” (いつもと同じことをしていれば、いつもと同じものしか手に入らない。) — ヘンリー・フォード
- 日本語: 「可愛い子には旅をさせよ」:慣れ親しんだ快適な環境から離れ、能力を超えた試練を与えることが成長に繋がるという教えに通じます。
ピエール=オーギュスト・ルノワールの生い立ち
ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919)は、陶器の絵付け職人から身を起こし、世界で最も愛される画家の一人となった人物です。
- 職人からのスタート: リモージュの貧しい仕立て屋の息子として生まれました。13歳で磁器の絵付け職人の見習いとなり、そこで培った繊細な技術が後の色彩感覚の基礎となりました。
- 印象派の結成と「ルノワールの危機」: パリでモネらと出会い、光を描く「印象派」のスタイルを確立しますが、40代の頃、自分の絵に限界を感じて激しく悩みます(「ルノワールの危機の時代」)。
- 能力への挑戦: 彼はそれまでの成功したスタイルを捨て、ラファエロなどの古典を再研究し、より明確なデッサンや形を追求しました。この「自分の能力を超えた挑戦」が、晩年の豊満で温かみのある独自の画風を生み出すきっかけとなりました。晩年はリウマチで手が動かなくなっても、筆を手に縛り付けて描き続けたというエピソードは、まさに自らの「限界(capacity)」と戦い続けた彼の人生を象徴しています。
名言の出典
この言葉は、ルノワールの息子であり映画監督のジャン・ルノワールが著した伝記『わが父ルノワール(Renoir, My Father)』の中で、父が語った言葉として記録されています。ルノワールが弟子や息子に対し、芸術家として安住することの危険性を説く際によく用いたフレーズです。
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心に響く英語ことわざ(920)アメリカの経営学者フィリップ・コトラーの名言 It is more important to do what is strategically right than what is immediately profitable.(目先の利益より、戦略的正しさが重要である)
https://www.eionken.co.jp/note/it-is-more-important-to-do/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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