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公開日
2025.08.29
更新日
2025.08.29

心に響く英語ことわざ(602)デンマークの哲学者キェルケゴールの名言 Our life always expresses the result of our dominant thoughts.(心に描いた通りになる)
“Our life always expresses the result of our dominant thoughts.”
直訳は「私たちの人生は、常に私たちの支配的な思考の結果を表現している」で、似た意味のことわざに「心に描いた通りになる」があります。
セーレン・キェルケゴール(Soren Kierkegaard)の名言 Our life always expresses…の意味
この言葉は、デンマークの哲学者であり、実存主義の父とされるセーレン・キェルケゴールが、「思考と現実の関係」について述べたものです。彼は、私たちの人生を形作るのは、外的な出来事ではなく、私たちが何を最も深く考えているか、という内面的な思考であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「思考の力」の重要性を強調しています。
- 「our dominant thoughts」(私たちの支配的な思考) これは、単に頭の中で思いつく考えではなく、私たちの意識を最も強く占め、繰り返し現れる思考を指しています。例えば、常に「自分は成功する」と信じている人の思考と、「自分はどうせ失敗する」と思っている人の思考では、その「支配的な思考」が全く異なります。
- 「Our life always expresses the result of…」(私たちの人生は、常に〜の結果を表現している) キェルケゴールは、私たちの行動や、人生で起こる出来事は、この「支配的な思考」の「結果」であると断言しています。ポジティブな思考はポジティブな行動を促し、ネガティブな思考はネガティブな行動や結果を引き寄せます。私たちは、無意識のうちに、自分が最も強く信じていること、考えていることに向かって人生を導いているのです。
似た意味の英語のことわざ
- “As a man thinks in his heart, so is he.” (心で思うままに、人はそうなる。) これは、人の内面的な思考や信念が、その人の本質や運命を形成するという考え方を示しており、キェルケゴールの言葉と深く通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その「意志」は、強い「支配的な思考」から生まれます。
- “You are what you think.” (あなたは、あなたが考えている通りの人間になる。) この言葉は、キェルケゴールの名言を簡潔に表現したものです。
似た意味の日本語のことわざ
- 「心に描いた通りになる」 この言葉は、キェルケゴールの名言を的確に表す日本語です。
- 「病は気から」(やまいはきから) 病気は気の持ちようで重くなったり軽くなったりする、という意味。これは、思考(心)が肉体(現実)に影響を与えるという、キェルケゴールの思想を端的に表しています。
- 「塞翁が馬」(さいおうがうま) 人生の幸不幸は予測できないという意味で、キェルケゴールの言葉とは直接的な関連性はありません。
セーレン・キェルケゴール(Soren Kierkegaard)の波乱万丈な生い立ち
セーレン・キェルケゴール(1813-1855)は、デンマークの哲学者、神学者、思想家であり、実存主義哲学の先駆者とされています。彼の著作は、深い内省と、皮肉に満ちた独自のスタイルで書かれています。
厳格な家庭と心の葛藤
1813年、デンマークの首都コペンハーゲンで裕福な家庭に生まれました。彼は、父親の厳格なルター派の信仰と、深い罪悪感の影響を強く受けて育ちました。彼の人生は、この幼少期の経験からくる、精神的な苦悩と深い内省によって彩られています。 彼は、大学で神学を学びましたが、当時の形式的なキリスト教に疑問を抱き、真の信仰とは何かを生涯にわたって探求しました。
哲学の探求と孤独な生涯
キェルケゴールは、ヘーゲル哲学のような客観的で体系的な哲学を批判し、個人の主観的な存在に焦点を当てました。彼は、人生の真理は、体系的な理論ではなく、「決断」と「選択」という個人の実存的な行為の中に見出されると考えました。 彼の思想は、後にサルトルやカミュといった実存主義哲学者に大きな影響を与えましたが、生前はほとんど評価されませんでした。彼は生涯独身で、多くの時間を孤独な思索に費やしました。
晩年と遺産
晩年の彼は、デンマーク国教会の偽善を激しく批判し、物議を醸しました。彼は、本当のキリスト教とは、形式的な儀式や教義ではなく、個人の深い信仰と献身であると主張しました。 1855年、42歳という若さで、謎の病で亡くなりました。 キェルケゴールの生涯は、社会や人々と距離を置き、自分自身の内面と向き合い続けた孤独な賢者の物語です。彼の言葉は、私たちに、人生の真の意義は、自分自身が何を信じ、何を選択するかという、個人の内なる問いから生まれることを教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(601)古代ギリシアの哲学者ソクラテスの名言 All men’s souls are immortal, but the souls of the righteous are immortal and divine.(積善の家に余慶あり)
https://www.eionken.co.jp/note/all-mens-souls-are-immortal/
心に響く英語ことわざ(603)トーマス・A・エジソンの名言 Being busy does not always mean real work.(より賢く働け)
https://www.eionken.co.jp/note/being-busy-does-not-always/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など17冊がある。