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公開日
2025.09.06
更新日
2025.09.06

心に響く英語ことわざ(638)米国の発明王トーマス・A・エジソンの名言 Restlessness is discontent and discontent is the first necessity of progress.(不満は進歩の必要条件)
“Restlessness is discontent and discontent is the first necessity of progress.”
直訳は「落ち着きのなさ(Restlessness)は不満(discontent)であり、不満は進歩の第一の必要条件である」で、似た意味のことわざに「向上心は人を成長させる」があります。
トーマス・A・エジソン(Thomas A. Edison)の名言 Restlessness is discontent…の意味
この言葉は、アメリカの発明家であり、実業家であるトーマス・A・エジソンが、「進歩の原動力」について述べたものです。彼は、現状に満足せず、より良いものを求める「不満(discontent)」こそが、新しい発明や社会の進歩を生み出す上で最も重要な要素であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「現状維持は停滞である」という哲学を強調しています。
- 「Restlessness is discontent」(落ち着きのなさは不満である) エジソンは、人間が感じる「落ち着きのなさ」を、「不満」という感情に結びつけています。この「不満」は、単なるネガティブな感情ではなく、現状に満足できないという、何かを変えたい、何かを改善したいという、内面的なエネルギーを示しています。
- 「and discontent is the first necessity of progress.」(そして、不満は進歩の第一の必要条件である。) この部分が、この言葉の核心です。エジソンは、進歩が、偶然や単なる努力から生まれるのではなく、「不満」という、明確な動機から始まることを示しています。例えば、電球を発明する前、人々は暗闇の中で生活することに「不満」を感じていました。この「不満」が、エジソンに、より明るく、より安全な照明を発明するための探求を始めさせたのです。
似た意味の英語のことわざ
- “Necessity is the mother of invention.” (必要は発明の母。) これは、何かを必要とすることが、新しいアイデアや発明を生み出す原動力になるという意味で、エジソンの言葉と通じます。
- “Change is the law of life. And those who look only to the past or present are certain to miss the future.” (変化は人生の法則である。過去や現在だけを見ている者は、未来を逃すに違いない。) これは、ジョン・F・ケネディの言葉で、現状に満足せず、常に変化を求めることの重要性を説いています。
- “The only way to do great work is to love what you do.” (素晴らしい仕事をする唯一の方法は、自分のやっていることを愛することだ。) スティーブ・ジョブズの言葉で、内面的な情熱が、偉大な成果につながるという点でエジソンの思想と通じます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「向上心は人を成長させる」 現状に満足せず、より高みを目指そうとする心が、人間を成長させるという意味。エジソンの言葉を的確に表す日本語です。
- 「為せば成る」(なせばなる) やろうと思えば何事も成し遂げられるという意味で、この言葉には、目標に向かってひたむきに努力を続けるという精神が含まれています。
- 「塞翁が馬」(さいおうがうま) 人生の幸不幸は予測できないという意味。
トーマス・A・エジソン(Thomas A. Edison)の波乱万丈な生い立ち
トーマス・アルバ・エジソン(1847-1931)は、アメリカの発明家、実業家であり、「発明王」として知られています。彼は、電球、蓄音機、活動写真(映画)など、数々の革新的な発明を生み出し、現代社会の基盤を築きました。
幼少期と「おかしな子」
1847年、オハイオ州で生まれました。彼は、幼い頃から、好奇心が旺盛で、実験に熱中するあまり、学校の先生から「おかしな子」と見なされました。彼は、3ヶ月で学校を退学し、その後は母親から教育を受けました。 彼は、新聞売り子として働きながら、電気や化学の知識を独学で学びました。
研究所と数々の発明
1876年、彼はニュージャージー州メンローパークに、世界初の「発明工場」と呼ばれる研究所を設立しました。彼は、多くの助手とともに、昼夜を問わず研究に没頭し、電球の実用化に成功しました。彼は、「天才は1%のひらめきと99%の努力である」という有名な言葉を残し、発明は、ひらめきだけでなく、地道な努力の積み重ねであることを示しました。
晩年と遺産
エジソンは、生涯で1,000件以上の特許を取得しました。彼は、晩年、実業家としても成功を収め、ゼネラル・エレクトリック社などの巨大企業を築きました。 1931年、84歳で亡くなりました。彼の生涯は、飽くなき好奇心と探求心、そして現状に満足しない「不満」というエネルギーによって、世界を変えた物語です。彼の言葉は、私たちに、不満は、進歩への第一歩であるという、普遍的な教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(637)実存主義哲学の父デンマークの哲学者キェルケゴールの名言 Once you label me you negate me.(人を見かけで判断するな)
https://www.eionken.co.jp/note/once-you-label-me/
心に響く英語ことわざ(639)レ・ミゼラブルで有名なフランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの名言 Perseverance, secret of all triumphs.(石の上にも三年)
https://www.eionken.co.jp/note/perseverance-secret-of-all-triumphs/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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