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公開日
2025.09.03
更新日
2025.09.03

心に響く英語ことわざ(625)米国の石油王ジョン・D・ロックフェラーの名言 Singleness of purpose is one of the chief essentials for success in life…(一点集中)
“Singleness of purpose is one of the chief essentials for success in life, no matter what may be one’s aim.”
直訳は「目的の一貫性は、人生における成功の主要な要素の一つである。いかなる目的であれ、それは変わらない」で、似た意味のことわざに「一点集中」があります。
ジョン・D・ロックフェラー(John D. Rockefeller)の名言 Singleness of purpose…の意味
この言葉は、アメリカの実業家であり、史上最も裕福な人物の一人であるジョン・D・ロックフェラーが、「成功の鍵としての集中力と一貫性」について述べたものです。彼は、成功するためには、目標を一つに絞り、脇目も振らずにその目標に向かって努力を続けることが不可欠であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「多角的な才能よりも、一点に集中する力」が重要であるという哲学を強調しています。
- 「Singleness of purpose」(目的の一貫性) これは、一つの目標に焦点を当て、それを達成するために、すべての時間、エネルギー、そしてリソースを投入することを意味します。ロックフェラーは、石油産業に自身の人生を捧げ、スタンダード・オイル社を築き上げました。この成功は、彼の卓越した経営手腕だけでなく、この「目的の一貫性」という哲学によって支えられていました。
- 「one of the chief essentials for success in life」(人生における成功の主要な要素の一つ) ロックフェラーは、成功の要因を他にもたくさんあると認識しつつも、この「目的の一貫性」を最も重要な要素の一つだと断言しています。彼は、多くの人が、複数の目標に手を出して、どれも中途半端に終わってしまうことを知っていました。
- 「no matter what may be one’s aim」(いかなる目的であれ、それは変わらない) この部分は、彼の哲学が、ビジネスだけでなく、学問、芸術、スポーツなど、あらゆる分野の目標に適用できる普遍的な真理であることを示しています。
似た意味の英語のことわざ
- “Focus on one thing and do it well.” (一つのことに集中し、それをうまくやりなさい。) これは、ロックフェラーの哲学を端的に表した言葉です。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、ロックフェラーの言葉と完全に一致します。
- “Jack of all trades, master of none.” (何でも屋は、一つの道も極められない。) これは、多岐にわたるスキルを持つことは良いことだが、一つの分野に秀でることはできないという意味。ロックフェラーの「目的の一貫性」という思想を裏付けています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「為せば成る」(なせばなる) やろうと思えば何事も成し遂げられるという意味で、この言葉には、目標に向かってひたむきに努力を続けるという精神が含まれています。
- 「一点集中」 一つのことに集中して取り組むこと。ロックフェラーの言葉を最も的確に表す日本語です。
- 「二兎を追う者は一兎をも得ず」(にとをおうものはいっとをもえず) 同時に二つのことを追い求めると、どちらも手に入らないという意味。これは、目標を一つに絞ることの重要性を説いています。
ジョン・D・ロックフェラー(John D. Rockefeller)の波乱万丈な生い立ち
ジョン・デイヴィソン・ロックフェラー(1839-1937)は、アメリカの実業家であり、石油産業に革命をもたらし、スタンダード・オイル社を設立しました。彼は、その莫大な富から、史上最も裕福な人物の一人として知られています。
貧しい家庭に生まれ、実業家への道へ
1839年、ニューヨーク州の貧しい家庭に生まれました。彼は、幼い頃から商才に優れ、16歳で帳簿係の仕事に就きました。彼は、最初の給料から10%を貯金し、教会に寄付するという習慣を生涯続けました。 彼は、南北戦争中に石油産業の将来性を見抜き、投資を始めました。彼は、緻密な経営戦略と、買収によって事業を拡大し、最終的には、アメリカの石油産業の90%以上を支配するまでになりました。
巨大企業「スタンダード・オイル」の設立
1870年、彼はスタンダード・オイル社を設立しました。彼は、生産から輸送、販売までを垂直統合する「トラスト」と呼ばれる経営手法を導入し、莫大な利益を上げました。 しかし、彼の成功は、市場の独占と、非情な競争によって成し遂げられたため、彼と彼の会社は、反トラスト法の対象となり、社会から大きな批判を浴びました。
慈善家としての晩年と遺産
ロックフェラーは、晩年、その莫大な富を慈善活動に捧げました。彼は、ロックフェラー財団を設立し、医学研究、教育、芸術など、様々な分野に多額の寄付を行いました。 彼は、97歳という長寿を全うし、1937年に亡くなりました。 ジョン・D・ロックフェラーの生涯は、一人の人間が、その集中力と意志によって、いかに巨大な富を築き、そしてそれを社会に還元していったかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、人生の目標を一つに定め、そこにすべての力を注ぎ込むことの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(624)「若きウェルテルの悩み」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 Nothing is worth more than this day.(今を生きろ)
https://www.eionken.co.jp/note/nothing-is-worth/
心に響く英語ことわざ(626)ローマ帝国の基礎を築いたジュリアス・シーザーの名言 Men in general are quick to believe that which they wish to be true.(希望的観測は人を騙す)
https://www.eionken.co.jp/note/men-in-general/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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