- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.28
更新日
2025.12.28
心に響く英語ことわざ(918)フランスの画家ポール・ゴーギャンの名言 Stay firmly in your path and dare; be wild two hours a day!(己の道を突き進み、一日のうち二時間は野生になれ!)
“Stay firmly in your path and dare; be wild two hours a day!”
直訳は「自分の道をしっかりと保ち、あえて挑みなさい。一日に二時間は野性的でありなさい!」で、似た意味の言葉に「初志貫徹」や「常識を脱ぎ捨てろ」があります。
ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin)の名言の意味
この言葉は、後期印象派を代表する画家ポール・ゴーギャンが、「自己の確立」と「野性的な創造性」の両立について説いたものです。ゴーギャンは、文明化された都市生活の規律の中で、芸術家(あるいは人間)が生き生きとした感性を保つためには、確固たる意志(path)を持つ一方で、社会的な仮面を脱ぎ捨て、本能のままに振る舞う「野性(wild)」の時間が必要不可欠だと考えました。
この言葉が意味すること
この名言は、規律ある生活と、爆発的なエネルギーのバランスを説いています。
- 「Stay firmly in your path and dare」(自分の道を保ち、あえて挑め) 周囲の意見に惑わされず、自分が信じる芸術や生き方を貫く「強さ」と、リスクを恐れずに新しい領域へ踏み出す「勇気」を求めています。
- 「be wild two hours a day!」(一日に二時間は野性的であれ) 「二時間」という具体的な数字がユニークですが、これは「完全に理性を解放する時間」を意識的に持てというアドバイスです。文明のルールに縛られすぎず、原始的な感覚や本能を解放することで、真に独創的なインスピレーションが得られるとゴーギャンは信じていました。
似た意味の言葉
- 英語: “Be regular and orderly in your life, so that you may be violent and original in your work.” (生活は規則正しく秩序だったものにせよ。そうすれば仕事において激しく独創的になれる。) — ギュスターヴ・フローベール
- 日本語: 「規矩(きく)作法 守りつくして 破るとも 離るるとても 本を忘るな」:千利休の言葉(守破離)。型を習得した上で、それを破り、野生の感性で新たな境地を開く姿勢に通じます。
ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin)の生い立ち
ポール・ゴーギャン(1848-1903)は、強烈な色彩と平面的で象徴的な様式を確立し、後の美術に多大な影響を与えた画家です。
- 異色の経歴: パリで生まれましたが、幼少期を母方の故郷であるペルーのリマで過ごしました。この南米での記憶が、彼の「原始的な美」への憧憬の根底にあると言われています。
- 株式仲買人からの転身: 青年期は海軍に入隊し世界を巡り、その後はパリで株式仲買人として成功。裕福な家庭を築きました。しかし、35歳の時に絵画への情熱から仕事を辞め、家族とも別れて芸術の道へ進むという「野性的」で無謀な決断を下しました。
- タヒチへの旅: 文明社会を嫌悪した彼は、真の野性を求めてタヒチへ渡ります。貧困と病に苦しみながらも、現地の色彩と信仰を描き続け、『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』という不朽の名作を残しました。この名言は、安定を捨てて本能に従った彼自身の激しい生き様そのものです。
名言の出典
この言葉は、ゴーギャンが友人や弟子にあてた書簡、あるいは彼の滞在記の中に記されています。特に、パリの洗練された生活から離れ、野生の感性を取り戻そうと苦闘していた時期に、自己を鼓舞し、他者に芸術家としての覚悟を説く際に好んで使われました。
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心に響く英語ことわざ(917)フランスの画家ポール・セザンヌの名言 Genius is the ability to renew one’s emotions in daily experience.(天才とは、日常の中で感動を刷新できる能力である)
https://www.eionken.co.jp/note/genius-is-the-ability-to-renew/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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