- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.22
更新日
2025.11.23
心に響く英語ことわざ(860)の「マイフェアレディ」で有名なアイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言 Success does not consist in never making mistakes but in never making the same one a second time.(真の成功は同じ過ちを二度と犯さないこと)
“Success does not consist in never making mistakes but in never making the same one a second time.”
直訳は「成功は決して過ちを犯さないことにあるのではなく、同じ過ちを二度と犯さないことにある」で、これは、ジョージ・バーナード・ショーが、「失敗と学習の関係」について説いた、真の成功の定義に関する実践的な知恵です。
この名言は、失敗(mistakes)は成功のプロセスにおける避けられない要素であるという前提に立っています。真の「成功(Success)」とは、失敗を完全に排除することでなく、失敗から教訓を得て成長し、同じ誤りを繰り返さない「学習と改善の意志」にあるという、能動的な姿勢の重要性を表現しています。
名言の意味:成功とは学習と改善のプロセスである
この言葉は、ショーの「皮肉と進化」という劇作家としての哲学に基づいています。彼にとって、社会や個人が進歩するためには、試行錯誤が必要であり、失敗を恐れることで行動を止める人を皮肉っています。
鍵となる二つの対比
- Not in Never Making Mistakes(決して過ちを犯さないことにあるのではない) 「Never Making Mistakes」は、失敗を恐れて安全な道を選び、新しい挑戦を避ける姿勢を指します。これは、一見すると完璧に見えるかもしれないが、成長や進歩がないため、「成功」とは呼べないと断言しています。
- But in Never Making the Same One a Second Time(同じ過ちを二度と犯さないことにある) これが真の成功の定義です。過ち(mistake)を犯すことは避けられないが、その失敗を分析し、教訓を得て、行動を修正すること(改善)ができれば、その経験は価値あるものとなります。失敗を通して成長する能力こそが、成功の本質であると説いています。
この名言は、失敗を非難や恥でなく、貴重な学習の機会として捉える「成長マインドセット(Growth Mindset)」の重要性を教えてくれます。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “The greatest mistake you can make in life is to be continually fearing you will make one.” (人生で犯しうる最大の過ちは、自分が過ちを犯すのではないかと絶えず恐れることだ。) エルバート・ハバードの言葉。失敗を恐れることで行動を止める姿勢(Never Making Mistakes)を最大の過ちと断じています。
- “I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.” (私は失敗したのではない。ただ、うまくいかない1万通りの方法を見つけただけだ。) トーマス・エジソンの言葉とされ、失敗を貴重な情報(同じ過ちを二度と犯さないための知識)として捉える姿勢を示しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「二度あることは三度ある」(にどあることはさんどある) 意味: 悪いことは一度で終わらず繰り返されるという意味ですが、この名言は「同じ失敗は二度と犯すな」という強い意志でこの法則を断ち切ることを推奨しています。
- 「前車の覆るは後車の戒め」(ぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ) 意味: 前の人の失敗は後の人にとって貴重な教訓となるという意味です。自分の失敗(前車)を次の自分(後車)の教訓にする姿勢が、「Never Making the Same One a Second Time」に繋がります。
ジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)の生い立ち 🎭
ジョージ・バーナード・ショー(1856-1950)は、アイルランドの劇作家、評論家であり、ノーベル文学賞を受賞しました。
- 社会的な批評と改善 ショーは、既存の社会制度や人々の慣習を痛烈に皮肉り、批判することで知られています。彼は、社会が進歩するためには、誤りを犯したことを認めて、同じ過ちを繰り返さないように制度を改善していくことが不可欠であると考えていました。
- 進歩への信念 彼の劇作や評論は、過去の歴史的な失敗や個人の倫理的な過ちを深く掘り下げることで、人々に「次はどうするべきか」を問いかけました。この名言は、彼の社会的な進歩への信念、すなわち「失敗は当然だが、そこから学ばなければ成長はない」という哲学を個人の成功の原則として凝縮させたものだと言えるでしょう。
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心に響く英語ことわざ(859)儒教開祖の孔子の名言 Our greatest glory is not in never falling, but in rising every time we fall.(七転び八起き)
https://www.eionken.co.jp/note/our-greatest-glory-is-not-in-never-falling/
心に響く英語ことわざ(861)「ファウスト」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 There is nothing insignificant in the world. It all depends on the point of view.(すべての存在には価値があり、それは視点によって決まる)
https://www.eionken.co.jp/note/there-is-nothing-insignificant-in-the-world/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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