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公開日
2025.08.27
更新日
2025.08.27

心に響く英語ことわざ(574)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 The aim of art is to represent not the outward appearance of things, but their inward significance.(絵は言わず、心は通ず)
“The aim of art is to represent not the outward appearance of things, but their inward significance.”
直訳は「芸術の目的は、物事の外面的な外見を表現することではなく、その内面的な意義を表現することだ」で、似た意味のことわざに「芸術は、目に見えないものを見えるようにすることである」があります。
アリストテレス(Aristotle)の名言 The aim of art is to represent not the outward appearance of things, but their inward significance. の意味
この言葉は、古代ギリシアの哲学者であるアリストテレスが、芸術の本質について述べたものです。彼は、芸術が単なる現実の模倣や表面的な描写に留まるものではなく、その奥にある本質や真理を追求するものであると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、芸術が持つ深い目的を明確に示しています。
- 「not the outward appearance of things」(物事の外面的な外見を表現することではない) アリストテレスは、芸術家が単に目に見えるものをそのまま写し取ることを否定しています。カメラや写実的な絵画のように、表面的な形や色を正確に再現するだけでは、芸術の真の目的は達成されないと考えています。
- 「but their inward significance」(その内面的な意義を表現することだ) この部分が、この言葉の核心です。芸術家は、物事の奥に隠された感情、思考、魂、そして普遍的な真実を表現することを目指すべきだ、とアリストテレスは説いています。例えば、肖像画は単に人物の顔を描くのではなく、その人物の性格や感情、人生の物語を伝えるべきであり、風景画は単なる景色ではなく、その場所が持つ雰囲気や私たちの心に与える感動を表現すべきだということです。
まとめ
この名言は、芸術が単なる娯楽や装飾ではなく、人間の内面や世界の深い意味を掘り下げるための手段であることを教えてくれます。芸術作品に触れることは、表面的な美しさを楽しむだけでなく、その背後にある深い意味や、作り手の哲学を感じ取る行為なのです。
似た意味の英語のことわざ
- “Art is a lie that makes us realize truth.” (芸術とは、真実を気づかせるための嘘である。) この言葉は、芸術が直接的な事実を語るのではなく、虚構や比喩を通じて、より深い真実や本質を私たちに伝えるという考え方を示しています。アリストテレスの「内面的な意義」を表現することに通じます。
- “The true work of art is but a shadow of the divine perfection.” (真の芸術作品は、神聖な完全さの影にすぎない。) 芸術作品が、目に見えない高尚な真理や理想を不完全にでも表現しようと試みるものである、という考え方を示しています。
- “Art washes away from the soul the dust of everyday life.” (芸術は、魂から日々の生活のちりを取り払ってくれる。) この言葉は、芸術が私たちを日常の瑣末なことから解放し、より高い次元の思考や感情に導く力を持つことを示しています。これは、芸術が単なる外見ではなく、私たちの内面に働きかけるものであるというアリストテレスの考え方と一致します。
似た意味の日本語のことわざ
- 「神は細部に宿る」 物事の真理や本質は、見落とされがちな小さな部分にこそ隠されている、という意味。芸術家が細部にまでこだわって作品を創ることで、作品全体に深い意味が宿るという考え方と通じます。
- 「胸中の丘壑」(きょうちゅうのきゅうがく) 心の中に描いた壮大な景色や思い。芸術家が、実際に目にした景色をそのまま描くのではなく、心の中で感じた情景を表現することの重要性を説く際に使われます。
- 「絵は言わず、心は通ず」 絵画は言葉を持たないが、その背後にある作者の意図や感情は見る者に伝わる、という意味。芸術作品が、目に見える形を超えて、内面的なメッセージを伝える力を持つことを示しています。
アリストテレスの波乱万丈な生い立ち
アリストテレス(紀元前384年-紀元前322年)は、古代ギリシアの哲学者であり、プラトンの弟子でした。彼の思想は、西洋哲学、科学、論理学、政治学など、多岐にわたる分野に多大な影響を与えました。
幼少期とプラトンとの出会い
紀元前384年、マケドニア王国のスタゲイロスという町に生まれました。父はマケドニア王の侍医でした。17歳の時にアテネへ移り、偉大な哲学者プラトンのアカデメイアに入門しました。 彼は約20年間、プラトンの弟子として学び、その才能は師からも高く評価されました。しかし、プラトンが死去すると、アリストテレスはアカデメイアを離れ、各地を旅して生物学や医学の研究に没頭しました。
アレクサンドロス大王の家庭教師
紀元前343年、マケドニア王フィリッポス2世の要請で、彼の息子である若きアレクサンドロス(後のアレクサンドロス大王)の家庭教師となりました。アリストテレスは、アレクサンドロスに哲学、倫理、政治、科学など、多岐にわたる学問を教えました。この師弟関係は、アレクサンドロスの後の世界征服に大きな影響を与えたとされています。
リュケイオンの設立と学問の体系化
アレクサンドロスの家庭教師を終えた後、アテネに戻り、自らの学校「リュケイオン」を設立しました。彼はこの学校で、生物学、物理学、論理学、詩学、政治学、倫理学など、あらゆる分野の学問を体系化し、多くの著作を残しました。 彼の思想は、観察と経験に基づいたもので、師であるプラトンの「イデア論」とは対照的でした。このアプローチは、後の科学的思考の基礎となりました。
晩年と遺産
紀元前323年、アレクサンドロス大王の死後、アテネで反マケドニア感情が高まり、アリストテレスも迫害の対象となりました。彼はアテネを去り、その翌年にこの世を去りました。 アリストテレスは、哲学史における最も重要な人物の一人であり、その思想は中世ヨーロッパのスコラ哲学や、ルネサンス、さらには現代科学にまで深く影響を与えています。彼の言葉や著作は、今もなお、知の探求者たちに多くの示唆を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(573)フランスの作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名言 The time for action is now. It’s never too late to do something.(思い立ったが吉日)
https://www.eionken.co.jp/note/the-time-for-action-is-now/
心に響く英語ことわざ(575)米国建国の父ベンジャミン・フランクリンの名言 Tell me and I forget. Teach me and I remember. Involve me and I learn.(経験は最良の教師)
https://www.eionken.co.jp/note/involve-me-and-i-learn/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など17冊がある。