- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.07
更新日
2025.11.07
心に響く英語ことわざ(817)相対性理論を構築したドイツの物理学者アルベルト・アインシュタインの名言 The gift of fantasy has meant more to me than my talent for absorbing positive knowledge. (真の革新は「知識」の量から来るのではなく、「想像力」という精神の自由から生まれる)
“The gift of fantasy has meant more to me than my talent for absorbing positive knowledge.”
直訳は「空想の才能は、実証的な知識を吸収する才能よりも、私にとってより大きな意味を持った」で、これは、理論物理学者アルベルト・アインシュタインが、「科学的発見における想像力(Fantasy)の至高の価値」について説いたものです。既存の事実を理解する能力よりも、現実にはまだ存在しない新しい概念を心の中で「空想」し、創造する力こそが、彼の偉大な発見の原動力であったという、科学と芸術を結びつける哲学を表現しています。
名言の意味:想像力こそが新しい知識を生み出す
この言葉は、アインシュタインが「知識と想像力」の関係について述べた一連の名言の一つです。彼は、科学の本質は、単なる事実の収集や論理的な分析に留まらず、「もし…だったら」という空想的な思考実験を行うことにあると考えていました。
鍵となる二つの能力の対比
- Talent for Absorbing Positive Knowledge(実証的な知識を吸収する才能) これは、教育や経験を通じて得られる、既存の、客観的に証明された「事実」や「公式」を理解し記憶する能力を指します。これは、科学者にとって不可欠な能力ですが、アインシュタインはこれを「土台」に過ぎないと見なしました。
- The Gift of Fantasy(空想の才能/贈り物) 「ファンタジー(Fantasy)」は、単なる「夢想」ではなく、「既成の概念や経験を超えて、まだ誰も見たことのない構造や世界を心の中で作り上げる創造的な想像力」を意味します。アインシュタインが相対性理論を発見したのは、光に乗って旅をする自分を「空想」するといった思考実験から生まれています。彼にとって、この「空想」こそが新しい知識を創造する真の「才能」でした。
この名言は、真の革新は「知識」の量から来るのではなく、「想像力」という精神の自由から生まれるという、科学に携わるすべての人への根源的な教訓を与えてくれます。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “Imagination is more important than knowledge. For knowledge is limited, whereas imagination embraces the entire world, stimulating progress, giving birth to evolution.” (想像力は知識よりも重要である。なぜなら、知識には限界があるが、想像力は世界全体を包み込み、進歩を刺激し、進化を生み出すからだ。) アインシュタイン自身の最も有名な名言の一つであり、「空想の才能」が「実証的な知識」よりも勝るという哲学を明確に補強しています。
- “The true sign of intelligence is not knowledge but imagination.” (知性の真の証拠は知識ではなく、想像力である。) これもアインシュタインの言葉であり、知性の定義において「空想」を中心に置いています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「夢は現実の母」(ゆめはげんじつのちち) 実現可能性が低いと思われる「夢(空想)」が、やがて「現実(新しい知識)」を生み出す根源であるという思想を表します。
アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)の生い立ち
アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)は、ドイツ生まれの理論物理学者であり、相対性理論によって現代物理学に革命をもたらしました。
思考実験と空想の力
アインシュタインは、幼少期から言葉を話すのが遅く、学校の型にはまった教育には馴染めませんでした。彼が最も熱中したのは、教科書の内容を覚えることよりも、頭の中で行う「思考実験」でした。 相対性理論の基礎となった彼の最も重要な発見は、この「空想(ファンタジー)」の力によって成し遂げられました。例えば、「もし自分が光の速さで動いたら、世界はどう見えるか」という子供のような疑問から出発し、既存の物理学の公式では説明できない新しい現実を心の中に描き出しました。 彼は、特許庁の一職員として、既存の知識を吸収するという「ポジティブな知識」の世界に身を置きながらも、真のブレークスルーは、その知識を超える「空想」からしか生まれないことを知っていたのです。
アインシュタインの言葉は、私たちに、学習や仕事において、既存の情報を整理することだけでなく、「ありえないこと」を自由に想像し、「なぜそうなるのか」という根本的な問いを立てる、子供の頃の好奇心と空想の力を大切にするよう促しています。
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心に響く英語ことわざ(816)「ひまわり」で有名なオランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホの名言 In spite of everything I shall rise again: I will take up my pencil, which I have forsaken in my great discouragement, and I will go on with my drawing. (いかなる苦境や精神的な絶望に直面しても、自己の使命に戻る)
https://www.eionken.co.jp/note/in-spite-of-everything/
心に響く英語ことわざ(818)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 The one exclusive sign of thorough knowledge is the power of teaching.(真の理解は教えることによって試される)
https://www.eionken.co.jp/note/the-one-exclusive-sign/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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