- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.10.01
更新日
2025.10.01

心に響く英語ことわざ(733)「星の王子さま」で有名なフっランスの作家サン=テグジュペリの名言 The notion of looking on at life has always been hateful to me. What am I if I am not a participant? In order to be, I must participate.(人生を主体的に生き、積極的に関わることが重要)
“The notion of looking on at life has always been hateful to me. What am I if I am not a participant? In order to be, I must participate.”
直訳は「人生を傍観するという考えは、私にとって常に忌まわしいものだった。もし私が参加者でなければ、私は何者なのか? 存在するためには、私は参加しなければならない」で、これは、「人生」は、安全な場所から「傍観」するものではなく、「参加」し、積極的に関わることによってのみ、自己の存在(to be)が証明されるという、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの深い洞察を表現しています。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupery)の名言 The notion of looking on at life…の意味
この言葉は、フランスの作家、飛行家であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが、「行動と存在意義」について述べたものです。彼は、自身の危険な飛行士という経験から、「参加(participate)」という、行動と関与こそが、人間が生きる上で不可欠な要素であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「主体的な生き方」を強調しています。
- 「The notion of looking on at life has always been hateful to me.」(人生を傍観するという考えは、私にとって常に忌まわしいものだった。) サン=テグジュペリは、「人生を傍観する(looking on at life)」という、受動的な態度を「忌まわしい(hateful)」ものとしています。彼は、人生を、安全圏から眺め、他者の行動や出来事を批評するだけの姿勢は、真の生ではないと考えていました。
- 「What am I if I am not a participant?」(もし私が参加者でなければ、私は何者なのか?) この問いかけは、「参加」と「自己の存在意義」を結びつけています。彼は、人間が、世界と関わり、行動を通じて影響を与えることなしに、「私(I)」という主体性を確立することはできないと考えていました。
- 「In order to be, I must participate.」(存在するためには、私は参加しなければならない。) この部分が、この言葉の核心です。「存在する(to be)」という、哲学的な概念を、「参加(participate)」という行動と結びつけることで、彼は、生きることと行動することが同義であることを断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “Only put off until tomorrow what you are willing to die having left undone.” (明日まで延期していいのは、やり残しても死んでも構わないことだけだ。) これは、パブロ・ピカソの言葉で、行動と参加の緊急性という点で通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、積極的に参加する意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、人生への参加を始めるという小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「傍観者になるなかれ」(ぼうかんしゃになるなかれ) 物事から距離を置かず、積極的に関わりなさいという教訓。サン=テグジュペリの思想を的確に表す日本語です。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupery)の波乱万丈な生い立ち
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900-1944)は、フランスの作家、詩人、そして飛行家です。彼の作品『星の王子さま』は、世界中で愛されています。彼の人生は、彼の言葉そのものであり、常に危険と隣り合わせの活動に参加し続けたものでした。
幼少期と飛行への情熱
1900年、フランスのリヨンで、貴族の家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、飛行機に強い関心を持っていました。 彼は、その後、兵役中に、パイロットの訓練を受け、郵便飛行士として、サハラ砂漠や南米といった、危険な路線を飛行しました。これらの経験が、彼の作品『夜間飛行』や『人間の土地』に、深く影響を与えました。
作家としての活動と第二次世界大戦
サン=テグジュペリは、その危険な飛行士としての活動の傍ら、作家としても活躍しました。彼の作品は、人間愛、孤独、そして生きる意味といった、普遍的なテーマを探求しています。 第二次世界大戦が勃発すると、彼は、高齢にもかかわらず、偵察機パイロットとして、軍に復帰することを志願しました。
最後の飛行と遺産
1944年、彼は、地中海上空での偵察飛行中に、消息を絶ちました。彼の機体や遺体は発見されず、彼の最期は、多くの謎に包まれました。 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの生涯は、一人の人間が、その才能と、飽くなき探求心によって、いかに文学と、世界を豊かにすることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、人生を主体的に生き、積極的に関わることの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(732)奴隷解放に尽力した米国大統領エイブラハム・リンカーンの名言 We should be too big to take offense and too noble to give it.(感情的な優越性を持ち、常に品位を保つ)
https://www.eionken.co.jp/note/we-should-be-too-big-to-take-offense/
心に響く英語ことわざ(734)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 It is the mark of an educated mind to be able to entertain a thought without accepting it.(教養とは知的な柔軟性)
https://www.eionken.co.jp/note/it-is-the-mark-of-an-educated-mind/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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