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公開日
2025.09.09
更新日
2025.09.09

心に響く英語ことわざ(653)米国の自動車王ヘンリー・フォードの名言 There are no big problems, there are just a lot of little problems.(どんな困難な問題でも分割して考える)
“There are no big problems, there are just a lot of little problems.”
直訳は「大きな問題などない、ただ多くの小さな問題があるだけだ」で、似た意味のことわざに「千里の道も一歩から」があります。
ヘンリー・フォード(Henry Ford)の名言 There are no big problems…の意味
この言葉は、アメリカの自動車メーカーであるフォード・モーターの創業者、ヘンリー・フォードが、「問題解決の本質」について述べたものです。彼は、一見、手に負えないように見える大きな問題も、実は、細かく分割された多くの「小さな問題」の集合体であり、それらを一つずつ解決していくことの重要性を説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「複雑な問題を、単純なステップに分解する」という哲学を強調しています。
- 「no big problems」(大きな問題などない) フォードは、この言葉で、私たちが直面する大きな問題が、私たちの心の中で膨らんで、手に負えないものに見えているだけだと示唆しています。彼は、問題を全体として捉えるのではなく、より冷静で客観的な視点から見ることを提案しています。
- 「there are just a lot of little problems.」(ただ多くの小さな問題があるだけだ) この部分が、この言葉の核心です。フォードは、どんなに大きな問題でも、その構成要素を分析し、小さな単位に分割すれば、一つひとつの問題は、解決可能なものに変わると考えていました。例えば、自動車の製造という複雑なプロセスも、部品の設計、エンジンの組み立て、そして塗装といった、多くの「小さな問題」の解決の積み重ねによって成り立っています。
まとめ
ヘンリー・フォードのこの言葉は、私たちに「大きな目標や困難な課題を前にしたとき、圧倒されることなく、まずは一歩ずつ、目の前の小さなことから解決していくこと」の重要性を教えてくれます。この考え方は、ビジネスや日常生活における、すべての問題解決に適用できる、普遍的な知恵です。
似た意味の英語のことわざ
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、フォードの言葉と完全に一致します。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、多くの「小さな問題」の解決によって築かれます。
- “The secret of getting ahead is getting started.” (先に進む秘訣は、始めることだ。) これはマーク・トウェインの名言で、大きな問題に直面したとき、まず最初の一歩を踏み出すことの重要性を説いています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「千里の道も一歩から」(せんりのみちもいっぽから) どんなに遠い道のりでも、最初の一歩から始まるという意味。フォードの言葉を最も的確に表す日本語です。
- 「雨垂れ石を穿つ」(あまだれいしをうがつ) 軒下から落ちる雨粒でも、長い間同じ場所に落ち続ければ、硬い石に穴を開けることができるという意味。
- 「一石二鳥」(いっせきにちょう) 一つの行為で二つの利益を得るという意味で、フォードの言葉とは直接的な関連性はありません。
ヘンリー・フォード(Henry Ford)の波乱万丈な生い立ち
ヘンリー・フォード(1863-1947)は、アメリカの技術者、実業家であり、フォード・モーター・カンパニーの創業者です。彼は、自動車の大衆化を成し遂げ、20世紀のアメリカ社会に大きな影響を与えました。
幼少期と機械への情熱
1863年、ミシガン州の農家の家庭に生まれました。彼は、幼い頃から機械いじりに強い関心を持ち、時計を分解したり、修理したりすることに夢中になりました。彼は、農場での仕事に満足できず、機械工になることを決意しました。
自動車の発明と大量生産
彼は、エジソン・イルミネーティング・カンパニーで技術者として働き、そこで、ガソリン自動車の開発に没頭しました。1896年、彼は、初の自動車「フォード・クアドリサイクル」を完成させました。 その後、彼は、自動車をより多くの人々に手頃な価格で提供するため、「T型フォード」を開発し、ベルトコンベアによる大量生産システムを導入しました。このシステムは、自動車の生産コストを大幅に削減し、自動車を裕福な層だけでなく、一般大衆にも普及させました。
晩年と遺産
フォードは、自動車産業の発展に貢献する一方で、反ユダヤ主義者としても知られ、その思想は、晩年の彼に暗い影を落としました。 1947年、83歳で亡くなりました。 ヘンリー・フォードの生涯は、一人の人間が、その革新的なアイデアと、それを実現するための不断の努力によって、いかに世界を変えることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、どんな困難な問題でも、分割して考えることの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(652)米国建国の父で初代大統領ジョージ・ワシントンの名言 We should not look back unless it is to derive useful lessons from past errors…(過去の失敗を恐れず、未来に向かって進む)
https://www.eionken.co.jp/note/we-should-not-look-back/
心に響く英語ことわざ(654)古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスの名言 There is nothing permanent except change.(諸行無常)
https://www.eionken.co.jp/note/there-is-nothing-permanent/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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