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公開日
2025.09.04
更新日
2025.09.04

心に響く英語ことわざ(631)マハトマ・ガンジーの名言 There is a sufficiency in the world for man’s need but not for man’s greed.(足るを知る者は富む)
“There is a sufficiency in the world for man’s need but not for man’s greed.”
直訳は「世界には、人間の必要(need)を満たすには十分なものがあるが、人間の強欲(greed)を満たすには十分なものがない」で、似た意味のことわざに「足るを知る者は富む」があります。
マハトマ・ガンジー(Mahatma Gandhi)の名言 There is a sufficiency…の意味
この言葉は、インドの独立運動指導者であり、非暴力・不服従を提唱したマハトマ・ガンジーが、「人間の欲望」について述べたものです。彼は、この世の資源や富は、「必要性(need)」という限られた欲望を満たすには十分であるが、「強欲(greed)」という無限の欲望を満たすことはできないと説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「資源の有限性」と「欲望の無限性」という二つの対立する概念を対比させています。
- 「man’s need」(人間の必要) これは、人間が生きる上で最低限必要なもの、例えば、食料、水、住居、そして教育などを指します。ガンジーは、これらの基本的な「必要」を満たすための資源は、地球上に十分に存在すると信じていました。
- 「man’s greed」(人間の強欲) これは、物質的な富、権力、名声など、際限なく求める欲望を指します。ガンジーは、この「強欲」が、貧困、戦争、そして環境破壊といった、世界が抱える問題の根本原因であると考えていました。
まとめ
マハトマ・ガンジーのこの言葉は、私たちに「足るを知ること」の重要性を教えてくれます。私たちは、本当に必要なものは何かを自問し、無制限な欲望を抑制することで、より公平で、持続可能な社会を築くことができるという、深い教訓を与えてくれます。
似た意味の英語のことわざ
- “He is richest who is content with the least.” (最も少ないものに満足する者が最も裕福である。) これは、ブッダの名言と似ており、物質的な富ではなく、心の満足こそが真の豊かさであるという考え方を示しています。
- “Less is more.” (少ない方が豊かである。) これは、不必要なものを排除することで、より本質的で豊かな生活が送れるという意味です。
- “Greed is a bottomless pit.” (強欲は底なしの穴である。) これは、いくら手に入れても満たされることのない強欲の本質を表現しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「足るを知る者は富む」(たるをしるものはとむ) 現状に満足することを知っている人は、たとえ財産が少なくても心は豊かであるという意味。ガンジーの言葉を的確に表す日本語です。
- 「欲に限りなし」 人間の欲望には際限がないという意味で、ガンジーの「man’s greed」に通じます。
- 「清貧の思想」 貧しさの中にも、心の豊かさを見出すという日本の思想で、物質的な富を求めることの虚しさを説いています。
マハトマ・ガンジー(Mahatma Gandhi)の波乱万丈な生い立ち
マハトマ・ガンジー(1869-1948)は、インドの弁護士、政治指導者であり、イギリスからのインド独立を導いた人物です。彼は、「非暴力抵抗」という独自の哲学を提唱し、世界に大きな影響を与えました。
幼少期と南アフリカでの経験
1869年、インド西部のグジャラート州で、裕福なヒンドゥー教徒の家庭に生まれました。彼は、ロンドンで法律を学び、弁護士となりました。 その後、彼は南アフリカへ渡り、そこで人種差別に直面しました。彼は、鉄道の客車から白人に追い出されたり、暴行を受けたりする中で、非暴力による抵抗運動を決意しました。彼は、この地で20年以上を過ごし、インド人社会の権利のために戦いました。
非暴力・不服従運動の指導者として
1915年にインドへ帰国したガンジーは、インドの独立運動を指導するようになりました。彼は、イギリスの支配に対して、「サティヤーグラハ(真理の把握)」と呼ばれる非暴力抵抗の哲学を提唱しました。 彼は、塩の専売制に抗議するために、自ら塩を製造する「塩の行進」を組織し、数千人の支持者とともに、海まで歩きました。この行動は、インド全土で非暴力運動を巻き起こし、世界中の人々に大きな感動を与えました。
暗殺と遺産
1947年、インドはついに独立を勝ち取りましたが、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の対立から、インドとパキスタンに分離しました。ガンジーは、この分離に強く反対し、両民族の和解のために尽力しました。 しかし、1948年、彼はヒンドゥー教の過激派によって暗殺されました。 マハトマ・ガンジーの生涯は、一人の人間が、非暴力という手段によって、巨大な帝国を打ち破り、人々の心を動かした物語です。彼の言葉は、私たちに、真の豊かさとは何か、そして欲望をコントロールすることの重要性を教えてくれます。
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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