- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.11
更新日
2025.12.11
心に響く英語ことわざ(897)アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの名言 Those who gossip with you will gossip about you.(口は災いの元)
“Those who gossip with you will gossip about you.”
直訳は「あなたとゴシップをする者は、あなたについてゴシップをするだろう」で、似た意味の言葉に「口は災いの元」や「他山の石」があります。
エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)の名言 Those who gossip with you…の意味
この言葉は、ミステリーやホラーのジャンルを確立した作家エドガー・アラン・ポーが、人間の裏表や信頼性についての冷徹な洞察を示した教訓です。ゴシップ(陰口や噂話)を共有して親密になったと感じても、その関係は表面的なものであり、他人に対して不誠実な人物は、やがて自分に対しても同様の行為を繰り返すだろうと警告しています。
この言葉が意味すること この名言は、「信頼性の原理」に基づいた、人間関係における重要な教訓です。
- 「Those who gossip with you」(あなたとゴシップをする者) ゴシップは、話す者と聞く者との間に一時的な連帯感を生みます。しかし、その連帯感は、第三者を犠牲にした、非常に脆いものです。ポーは、他人の秘密や欠点を軽々しく口にする人は、そもそも「秘密を守る」という信頼性の基準を満たしていないと考えました。
- 「will gossip about you」(あなたについてゴシップをするだろう) ゴシップをする行為は、その人の習慣であり、その習慣には例外がありません。他人の秘密を話す人は、あなたの秘密を話す可能性が非常に高いということです。この言葉は、ゴシップの内容ではなく、ゴシップをするという行為自体が、その人物の信頼性を測る指標であることを教えてくれます。
ポーの警告は、人を見る時に、彼女(彼)が何を言うかではなく、彼女(彼)が他人について「どのように言うか」を観察することの重要性を示唆しています。
似た意味の英語のことわざ
- “He that talks to you of other men’s faults, will soon talk to others of yours.” (他人の過ちをあなたに語る者は、すぐにあなたの過ちを他の人に語るだろう。) ポーの名言と同じ教訓を、より直接的に述べたものです。
- “If you have nothing nice to say, don’t say anything at all.” (良いことを言えないなら、何も言うな。) ゴシップを避けるための最も簡単で道徳的なルールです。
似た意味の日本語のことわざ
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言、特にゴシップが自分に災難を招く可能性があるという教訓です。
- 「他山の石」(たざんのいし) 他人の振り舞いや過ちを見て、自分の行いを改める教訓。ゴシップをする人を見て、自分の行いを省みるべきだという意味で間接的に通じます。
- 「毒を食らわば皿まで」 悪いことに手を染めるならとことんやるという意味ですが、ゴシップをする人は、関係性にかかわらず、誰にでもその「毒」を振る舞うという点と関連づけられます。
エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)の波乱万丈な生い立ち
エドガー・アラン・ポー(1809-1849)は、アメリカの詩人、小説家、文芸批評家であり、現代の推理小説やホラー小説の基礎を築いた革新者です。
- 孤児と悲劇の人生 俳優の両親のもとに生まれましたが、幼くして両親と死別し、リッチモンドの裕福な商人アラン家の養子となりました。しかし、養父との関係は常に不和であり、大学を中退しては軍隊に入るなど、貧困と葛藤にまみれた波乱の人生を送りました。彼の人生を通じて、親しい女性たち(妻ヴァージニアなど)が次々に結核で亡くなるという悲劇に見舞われました。
- 文学における革新 悲劇的な現実と向き合い続けたポーは、「モルグ街の殺人事件」で論理的な推理過程を描く現代の「探偵小説」を創造し、「アッシャー家の崩壊」などではゴシックなホラーと心理的な不安を深く探求しました。彼の作品には、生と死の境界や、人間の内面の「暗い真実」を暴くような冷徹さがあり、それはこの名言に見られる人間関係への不信ともつながっています。
- 謎の死 貧困とアルコール依存症に苦しんだポーは、1849年にバルチモアの街路で錯乱した状態で発見され、数日後に病院で謎の死を遂げました。彼の悲劇的な人生と、理性の闇を描いた作品は、後の象徴主義やモダニズムに大きな影響を与えました。
名言の出典
名言の出典は不明 (※この言葉は、エドガー・アラン・ポーの文章として広く引用されていますが、特定の詩、小説、書簡のどの箇所に記述されているかは特定されていません。ポーの持つ人間心理への冷徹な洞察を表す格言として広まったものです。)
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心に響く英語ことわざ(896)チベット仏教の指導者ダライ・ラマの名言 Just one small positive thought in the morning can change your whole day.(一日の計は朝にあり)
https://www.eionken.co.jp/note/just-one-small-positive-thought/
心に響く英語ことわざ(898)フランスの画家エドゥアール・マネの名言 It is not enough to know your craft – you have to have feeling. Science is all very well, but for us imagination is worth far more.(技術は道具、魂が本質)
https://www.eionken.co.jp/note/it-is-not-enough-to-know-your-craft/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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