- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.10.18
更新日
2025.10.18

心に響く英語ことわざ(771)「ハムレット」で有名な英国の文豪ウィリアム・シェイクスピアの名言 Time and the hour run through the roughest day.(どんなに辛い状況も時間の流れによって必ず終わりが来る)
“Time and the hour run through the roughest day.”
直訳は「時と時間は、最も困難な一日を駆け抜けていく」で、これは、「どんなに辛い状況」や「長く感じる苦痛」も、時間の流れによって必ず終わりが来るという、ウィリアム・シェイクスピアの希望と忍耐についての深い洞察を表現しています。
名言の意味:時間の普遍的な力と希望
この言葉は、イギリスの劇作家、詩人であるウィリアム・シェイクスピアの戯曲『マクベス』の中で語られるセリフです。物語の中の困難な状況や絶望的な状況において、「時間(Time and the hour)」という普遍的で止められない力が、「最も荒れた日(the roughest day)」、すなわち最悪の状況さえも通り過ぎさせてしまうという、慰めと現実を同時に伝えています。
鍵となる要素
- Time and the Hour(時と時間) 「時(Time)」は時間の流れ全体や運命を、「時間(Hour)」は具体的な瞬間や計測可能な単位を指します。この二つの組み合わせは、時間の流れが普遍的で止められないものであることを強調しています。
- Run Through the Roughest Day(最も困難な一日を駆け抜けていく) 「roughest day」は、苦痛、絶望、悲嘆など、最も長く感じられ、耐えがたい一日のことを指します。どんなにその一日が長く、重く感じられようとも、時間は決して止まらず、容赦なく、その状況を通り過ぎて(run through)しまうのです。
この名言の教訓は、現在の苦悩が永続的なものではないという確信であり、忍耐と希望を持つことの重要性を教えています。
類似のことわざと教訓
似た意味の英語のことわざ
- “This too shall pass.” (これもまた過ぎ去るだろう。) 困難な状況が永続的ではないことを説く、最も広く知られた希望の言葉の一つであり、シェイクスピアの教えと完全に一致します。
- “The darkest hour is just before the dawn.” (最も暗い時間は夜明け前である。) 最悪の時の後にこそ、好転が訪れるという希望と忍耐のメッセージを伝えます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「待てば海路の日和あり」(まてばかいろのひよりあり) 今は状況が悪くても、忍耐して待てば、必ず良い時期が来るという意味。時間の経過による状況の好転を説きます。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 困難の中で時が過ぎるのを待つ間も、為すべきことを静かに続けるという主体的な忍耐の姿勢と通じます。
ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)の波乱万丈な生い立ち
ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)は、イギリスの劇作家、詩人であり、「イングランドの国民的詩人」として世界的に知られています。
幼少期と文学への道
1564年、イングランドのストラトフォード=アポン=エイヴォンで生まれました。彼は、その生涯を通じて、人間の悲劇、喜劇、そして歴史といった、人生のあらゆる側面を探求しました。 彼は、ロンドンへ渡った後、俳優、そして劇作家として活動を始めましたが、当時のロンドンではペストの流行など、社会的な混乱や苦難も多く、彼の人生観に影響を与えました。
不朽の名作と遺産
シェイクスピアは、その後、『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』といった、多くの不朽の名作を生み出しました。彼の作品は、運命、時間、そして人間の弱さという、普遍的なテーマを深く描き出しています。 特に、『マクベス』などの悲劇では、登場人物たちが苦悩の中で時間の流れを意識する場面が多く描かれており、この名言は、過酷な状況にいる人間が時間に慰めと希望を求める普遍的な心情を捉えています。
シェイクスピアの言葉は、私たちに、どんなに辛い一日も、時間の流れという自然の法則から逃れることはできず、やがて過ぎ去るという、心の平静をもたらす真実を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(770)「レ・ミゼラブル」で有名なフランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの名言 Pain is as diverse as man. One suffers as one can.(苦痛に耐える尊厳)
https://www.eionken.co.jp/note/pain-is-as-diverse-as-man/
心に響く英語ことわざ(772)相対性理論を構築したドイツの物理学者アルベルト・アインシュタインの名言 The true sign of intelligence is not knowledge but imagination.(真の知性は、知識を蓄積することではなく、未来を創造する想像力にある)
https://www.eionken.co.jp/note/the-true-sign-of-intelligence/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。