- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 103. 英語リスニング脳 勉強法
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.02

英語リスニング脳を構築するためのコツは何なのか? 3つのコツがあります。
一般的に言われている英語リスニング力を向上させるコツにどのようなものがあり、それらは果たして効果的なのか、コメントしていきたいと思います。
そしてそれらのコツの効果が今一歩だとすると、どのような英語リスニング脳を構築するコツがあるのかについて言及したいと思います。
一般的に言われている英語リスニング力を向上させるコツ
〇リスニング時に意味を把握しようとしないで音をそのまま聞き取ろうとすること。そのようにできる英文を増やすことが大事で、そのためには音読が有効とのことです。
⇒英語ネイティブスピーカーは当然ながら英語を英語のまま聞き取っていると思いますが、日本人はそれができなくて困っているわけです。
英文音読学習は有効ということでトライした人も多いと思います。
しかし、英文音読学習を止めた人は多いと思います。
理由は簡単で、労力と時間がかかる割に英語リスニング力が向上したことが実感できないからです。
英語を英語のまま聞き取るための有効な方法論・コツが知りたいところです。
〇英語発声の語順の通りに聞き取り、単語の塊(チャンク)を意識して聞く
⇒英語リーディングは文字が書かれているので、英文和訳の時は文の後ろから戻ってと言う読解作業が必須ですが、英文読解として速読の時は、英語の語順のまま読み取ることが重要なことを認識している人は多いと思います。
ちなみに英音研スタッフの知人は、高校時代、「漢文」を読解するとき、後ろから戻ったりしないで、漢字の語順のまま理解すると早く読めて理解しやすいと言っていました。
英語リスニングの場合、音声ですので発声した瞬間からどんどん消えていくため、語順のまま聞き取るしかない訳です。
それでも意味を把握するにはどうすることが必要なのかということです。
その方法論が「単語の塊(チャンク)を意識して聞く」というのはかなり難しい気がします。
英文を文字で見ればある程度、複数の英単語を塊(チャンク)として把握することが容易ですが、英音はどんどん消えていくので、複数の英単語を塊(チャンク)として把握すること自体が難しいと思います。
日本語も文章であればある程度チャンクを認識することができると思いますが、日本語音声のときにいちいちここまでチャンクだからと認識してリスニングしている人はほとんどいないと思います。
〇発声の強弱リズムから強調されている単語を聞き取ろうとすること
⇒大学入試やTOEICのリスニングテストで、英語音声の全英単語がきちんと聞き取れなくても、何とか得点するために、聞き取れた強調単語から推論して、選択肢の正解率を上げたいと言うのはよくわかる話です。
日本語もある程度強弱リズムはありますが、日本語のリスニングのとき、強調単語のみを意識して聞くというのはありえませんよね。
強弱とも全部聞き取って言わんとすることを理解するのだと思います。英語でも同じだと思うのですが、、、
このような感じの方法論が紹介されたりしています。このような方法論だとかなり認識できない音声も多く、自信をもって英語ネイティブスピーカーの話を理解したり、英会話もできない感じです。

英語リスニング力を上達させるコツ
英語リスニング力を上達させるためには、英単語・英熟語力の増強、実用英文法の理解などがまずは必須ですが、大学入試向けに英語学習をしてきた方々はそれなりにその部分は頑張って勉強されてきたと思います。
その上で就職活動に向けてTOEICの得点を上げたいと考えた時、TOEICのリスニングの得点が伸び悩んでいる人たちが多いと思います。
その大きな理由として、TOEICのリスニングテストの英音発声スピードが大学入試の英語リスニングテストよりも速いこともあり、英音認識力が不十分であることが挙げられます。
見たことも聞いたこともない英単語の意味が分からないのは仕方がありませんが、中学レベルの英単語のみで構成されている英文音声でも理解できないことがあります。
こういう状況のことを英音認識力が不十分と言えます。
では英音認識力を向上させて、英語リスニング力を向上させるコツはとしてどういうものがあるでしょうか?
(1)日本語と英語の発声特性の構造的な違いをよく認識する。
(2)その認識をベースに英音発声特性を十分に意識して、英文音読トレーニングを実施し、英語聴覚脳を構築する。日本語発声特性のまま、音読トレーニングを実施しても英語リスニング脳の構築は難しい。
(3)英文音読トレーニングを実施する際は、低速・中速・高速の3種で実施して、英音発声スピードに対応できるようにする。低速音読トレーニングは、英音発声特性を実現しつつ、英単語のアルファベット1文字ずつの発音まで正確に再現すべく実施する。その状況のもとで、中速、高速とスピード上げて英文音読トレーニングを実施する。
高速音読トレーニングが英語ネイティブスピーカーの発声に近いものになった時、英語ネイティブスピーカーがどのような呼気の流れ、音階、舌の使い方、口の開き方をして発声しているのか実感できるようになります。それは日本語の発声方法と大きく違うことも実感できると思います。
そしてそのような状態になったとき、かなり英語リスニング脳が構築できているということになり、英語リスニング力が向上します。
そのような状態になると、一般的に言われている英語リスニング力を向上させるコツのような話は全然なく、普通に英音発声の開始から、発声されていく英単語がどんどん頭の中に流れて行って、それで意味も自然に理解できるという状態になります。
ただし、残念ながら意味が分からない英単語・英熟語の音声は認識できても、意味は認識できません。
その部分はパスして発声音の意味を理解することになりますが、それは仕方がありません。
それは別途英単語・英熟語の記憶学習を地道に頑張るしかありません。

まとめ
英音認識力を向上させて、英語リスニング力を向上させるコツとして以下の3つです。
(1)日本語と英語の発声特性の構造的な違いをよく認識する。
(2)英音発声特性を十分に意識して、英文音読トレーニングを実施し、英語リスニング脳を構築する。
(3)英文音読トレーニングを実施する際は、低速・中速・高速の3種で実施して、英音発声スピードに対応できるようにする。
これらについては英音研学習サイトで詳細かつ具体的にどのようにすべきかを解説したうえ、米国人ナレーターによる音声録音により、英語フォニックスなどの基礎的な学習から、英文を低速・中速・高速の3種で読み上げるトレーニングも実施することが可能です。
高速音声に関しては、音声装置を使って機械的に2倍速や3倍速などの不自然な音声ではなく、米国人ナレーターによる肉声での高速発声録音になっていて、高速発声になったとき、どのような強弱リズムになるのかなど非常に勉強になりますので、トライしみてください。
そして米国人ナレーターの高速発声に近い音読ができるようになったとき、英語ネイティブスピーカーの発声方法がどれほど日本語発声方法と違うかということが良く理解でき、そして英語リスニング脳が構築でき、自然体で英語リスニング力が向上していることを実感できることでしょう。
以下の記事もご覧ください。
効果的な英語リスニングの勉強法はどうすれば良いのか?
https://www.eionken.co.jp/note/study-english-listening-effectively/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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