- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.12
更新日
2025.12.13
心に響く英語ことわざ(900)ドイツの哲学者ヘーゲルの名言 To be independent of public opinion is the first formal condition of achieving anything great.(偉業を成すための自律性)
“To be independent of public opinion is the first formal condition of achieving anything great.”
直訳は「世論から独立していることは、何か偉大なことを達成するための最初の形式的な条件である」で、似た意味の言葉に「世間の声に惑わされるな」「独立独歩」があります。
ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel)の名言
To be independent…の意味 この言葉は、ドイツ観念論の頂点に立つ大哲学者ヘーゲルが、「偉大な成果」の本質的な条件について説いたものです。ヘーゲルによると、「世論(public opinion)」は流動的で一時的な意見の集合体であり、真の道徳性や真理を表すものではないとされます。偉大な個人は、自らの内にある「理性」と「信念」に従い、一時的な多数派の意見に流されない「自律的な精神」を持つことを、すべての偉業の「最初の条件(first condition)」としているのです。
この言葉が意味すること
この名言は、ヘーゲル哲学における「世論」と「真の自由」の関係を反映しています。
- 「public opinion」(世論) ヘーゲルは世論を単に否定したわけではありませんが、世論は「真理の宝庫であり、また誤りの宝庫でもある」と述べています。世論には人々の経験や本能的な真実が含まれる一方で、表面的な流行や偏見、無知に基づく部分が大きいため、絶対的な指針にはなりえないと見なしました。
- 「To be independent of public opinion」(世論から独立していること) 偉業を成す人(革新者、天才)は、必ず既存の価値観や多数派の意見(テーゼ)に「反対(アンチテーゼ)」する立場を取らざるを得ないことが多いです。ヘーゲルの弁証法では、対立を経て、初めの意見よりも高い段階の真理(ジンテーゼ)へと進化します。世論に依存しないことは、この進化を実現するための「必要不可欠な条件」なのです。
似た意味の英語のことわざ
- “Great spirits have always encountered violent opposition from mediocre minds.” (偉大な精神は、常に凡庸な精神からの激しい反発に遭う。) アルバート・アインシュタインの言葉。革新的な行為は世間の理解を超えるため、世論(凡庸な精神)と対立するのは宿命であるという意味です。
- “Follow your own star.” (自分の星に従え。) 外部の評価ではなく、自分の内的な道徳的な指針(理性)に従うことの重要性を示しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「独立独歩」(どくりつどっぽ) 他人の助けや指示に頼らず、自分の力で信念に基づいて行動すること。ヘーゲルのいう「世論からの独立」に対応します。
- 「異端は天才の試金石」(いたんはてんさいのしきんせき) 新しい理論や方法は始めは世間から異端視されるが、その反発を乗り越えて初めてその真価が認められるという意味です。
- 「我が道を行く」 世間の評判や流行を気にせず、自分の信じる道を貫く態度を指します。
ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel)の波乱万丈な生い立ち
ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(1770-1831)は、カント、フィヒテ、シェリングらと並ぶドイツ観念論の最重要人物であり、その複雑な哲学体系は、後のマルクス主義や実存主義に決定的な影響を与えました。
- ナポレオン時代の混乱 ヘーゲルはナポレオンがヨーロッパを席巻した混乱の時代に生きました。彼はナポレオンを「世界精神が馬上に乗っている」と称し、彼の行動を単なる戦争ではなく、理性の進化(精神の発展)の一環として捉えました。
- 思弁的な大哲学の構築 主な著作に『精神現象学』『論理学』『法哲学の原理』があります。彼の哲学の核心は「弁証法(Dialectic)」であり、すべての事物や概念が「正(テーゼ)と反(アンチテーゼ)の衝突を経て、合(ジンテーゼ)という高い次元へ発展する」という、世界の動きを捉える規則として提唱しました。
- ベルリン大学の権威 後にヘーゲルはベルリン大学の教授として絶大な権威を持ち、彼の哲学はドイツの官学として強い影響力を持ちました。彼の言葉は、個人の行動もまた、世論という低い次元を超えて、理性的な精神の目的に奉仕することによって真の価値を得るという、彼の大きな哲学的な枠組みの中に位置づけられます。
名言の出典
『法哲学の原理』(Elements of the Philosophy of Right, 1820/1821年)より。世論に関する§318の註釈部分で、この思想が展開されています。
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心に響く英語ことわざ(899)「老人と海」で有名なアメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイの名言 The rain will stop, the night will end, the hurt will fade. Hope is never so lost that it can’t be found.(明けない夜はない)
https://www.eionken.co.jp/note/the-rain-will-stop-the-night-will-end/
心に響く英語ことわざ(901)「スター・ウォーズ」で有名なアメリカの映画監督ジョージ・ルーカスの名言 You have to find something that you love enough to be able to take risks, jump over the hurdles and break through the brick walls that are always going to be placed in front of you.(情熱が道を切り開く)
https://www.eionken.co.jp/note/you-have-to-find-something/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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