- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.10.02
更新日
2025.10.02

心に響く英語ことわざ(737)儒教開祖の孔子の名言 To see the right and not to do it is cowardice.(正しいと知ったら、臆病にならず行動せよ)
“To see the right and not to do it is cowardice.”
直訳は「正しいことを見ながら、それを実行しないのは、臆病である」で、これは、「道徳的な知識」と「実際の行動」を結びつけ、「正しさを知っているだけでは不十分であり、それを実践する勇気こそが重要である」という、孔子の深い洞察を表現しています。
孔子(Confucius)の名言 To see the right…の意味
この言葉は、古代中国の思想家であり、儒教の創始者である孔子が、「道徳と勇気」について述べたものです。彼は、単に「正しいこと(the right)」を頭で理解しているだけでは、真に道徳的であるとは言えず、実践を伴わないその知識は、「臆病(cowardice)」からくる行動の欠如であると厳しく批判しています。
この言葉が意味すること
この名言は、「行動の義務」を強調しています。
- 「To see the right and not to do it」(正しいことを見ながら、それを実行しない) 孔子は、この言葉で、「知行合一(ちこうごういつ)」の精神を説いています。彼は、人間には、「正しいこと」と「間違ったこと」を区別する理性があることを認めていますが、その理性が、「行動」を伴わない場合、その知識は無価値であるとしています。
- 「is cowardice.」(それは臆病である) この部分が、この言葉の核心です。彼は、「正しいことをしない」理由を、「臆病」という、道徳的な弱さに求めています。正しいことを実行するには、「困難」や「批判」に直面するリスクが伴いますが、そのリスクを恐れて行動しないのは、勇気の欠如であると断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、孔子の言葉が持つ、「内面的な真理を探求し、行動に移す」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、正しいことを実行する勇気から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、正しいことを実行するという小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「知行合一」(ちこうごういつ) 知識と行為は一体であり、知っているならば必ず行うべきであるという思想。孔子の教えを最も的確に表す日本語です。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
孔子(Confucius)の波乱万丈な生い立ち
孔子(紀元前551年頃 – 紀元前479年頃)は、古代中国の春秋時代の思想家であり、儒教の創始者です。彼の教えは、「仁(じん)」、「義(ぎ)」、「礼(れい)」といった、道徳的な価値観を重視するもので、中国の社会と文化に、2,000年以上にわたって、深い影響を与えました。
幼少期と政治家への道
紀元前551年頃、中国の魯国(ろこく)で、没落した貴族の家庭に生まれました。彼は、幼い頃に父を亡くし、貧しい生活を送りましたが、独学で、多くの知識を身につけました。 彼は、その後、魯国の役人として、政治の世界で活動を始めましたが、彼の道徳的な政治思想が、当時の権力者たちと、対立したため、官職を辞しました。
諸国遍歴と教育活動
孔子は、その後、約14年間、中国の各地を旅し、「諸国遍歴」という、困難な旅を続けました。彼は、その旅の途中で、多くの弟子を教え、「徳治主義」という、道徳に基づいた政治の重要性を説きました。 彼の教えは、『論語』という、彼の弟子たちによって編纂された書物に、まとめられています。
晩年と遺産
孔子は、その後、魯国へ戻り、教育活動に専念しました。彼は、紀元前479年頃に72歳で亡くなりました。 孔子の生涯は、一人の人間が、その才能と、揺るぎない信念によって、いかに道徳と、社会の改革に貢献することができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、正しいと知ったら、臆病にならず行動せよという、普遍的な教訓を与え続けています。
***
心に響く英語ことわざ(736)仏教開祖のブッダの名言 With fools, there is no companionship. Rather than to live with men who are selfish, vain, quarrelsome, and obstinate, let a man walk alone.(悪い交友関係を断つべき)
https://www.eionken.co.jp/note/with-fools-there-is-no-companionship/
心に響く英語ことわざ(738)近代科学の祖イギリスの哲学者フランシス・ベーコンの名言 By indignities men come to dignities.(成功は苦難の先にこそある)
https://www.eionken.co.jp/note/by-indignities-men-come-to-dignities/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。