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公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.02

どのような考え方で英語学習教材としての米国テレビドラマを選択すればよいか? 世間の評判よりも、まずは自分が視聴して楽しめる事が重要
米国テレビドラマは多種多様なものが非常に多くあります。英語学習教材として、どのような考え方で米国テレビドラマを選択すればよいか解説したいと思います。
米国テレビドラマの特徴
米国テレビドラマは、場面セットが凝っている映画と異なり、米国人同士の自然な会話がメインで、米国で日常的に使われている口語単語がふんだんに使われています。
そのため、場面シーンの映像時間が長い映画に比べて、単位時間当たりの会話量が多くなります。例えば、“Boy Meets World”というテレビドラマの場合、1話30分番組(実質23分程度)で 3,000語前後の単語数となっています。
また、一般的な日本人向けの英語教材のような遅い発声スピードでなく、1分間に250~350語程度の米国人同士の会話がメインなので、その発声スピードに慣れることができます。
全3,000語を1分間に300語で会話したとすると、ドラマにおける会話時間は、3,000語÷300語/分=10分で、23分間のうち10分間は会話なので、10分÷23分=43.4%とドラマ時間の半分弱が会話で占められていると考えられ、映画よりも会話比率がかなり高いものと想定されます。
“Boy Meets World”のような米国テレビドラマの場合、2時間ものの映画に比べて1話の視聴時間が23分と短くて済み、1話の学習を終えた達成感が映画よりも短時間で得ることができます。

学習対象米国テレビドラマの選択基準(1)視聴することが楽しいこと
学習対象米国テレビドラマを選ぶ場合、「視聴することが楽しいこと」が最重要となります。
米国テレビドラマを活用した英語学習は、セリフのハイスピード音読や知らない単語の記憶など地道な作業を長期間継続する必要があるからです。
学習対象米国テレビドラマを選ぶ場合、世間の評判に流されてはいけません。世間の評判が高くても楽しくないものは学習を継続することが難しくなります。
米国テレビドラマを視聴することが楽しくなく、英語学習のためだと思うと結構つらいものがありますが、視聴することが楽しいと英語学習を継続するモチベーションを維持することができます。
選択肢の多さの観点では、日本向け編集米国テレビドラマソフトは限定的で選択肢の幅が狭いですが、米国内向け米国テレビドラマソフトは様々なジャンルが存在し、選択肢の幅が広くなります。
そのため「視聴することが楽しいこと」の条件を満たすものを見つける可能性が高くなります。米国アマゾンのDVDを検索してみてください。多数のDVDコンテンツがリストアップされています。

学習対象米国テレビドラマの選択基準(2)英語セリフ台本(script)が利用できること
学習対象米国テレビドラマの選択基準として、英語セリフ台本(script)が利用できることが重要です。
ハイスピード音読や知らない英単語・英熟語調べに利用するためです。
Web検索サイトに「テレビドラマの英語名 script」の検索キーワードを入力して検索します。仮にスクリプトが存在していても、全エピソードが揃っていない場合があるので、どの程度カバーされているのか確認が必要です。
ちなみに英語セリフの日本語訳に関しては、存在すれば学習効率が上がりますが、メジャーなテレビドラマでも日本語に訳されて書籍化されているものは、非常に少ないものと想定され、これは必須条件ではありません。
日本語訳が必要であれば、Google翻訳やDeepLなどの機械翻訳を利用すればよいと思います。

学習対象米国テレビドラマの選択基準(3)英語音声、英語字幕
英語学習なので、セリフの英語音声は選択の必須条件となります。
仮に日本語吹き替え版では英語音声があるのかの確認が必要となります。
英語字幕に関しては、映像ソフト自体に英語字幕を付加している場合はそれでOKですが、映像ソフト自体に英語字幕を付加していないケースでも、“VLC media player”の場合、映像再生ソフトの字幕機能を利用すれば英語字幕を表示することができます。
日本語音声に関しては、日本語吹き替え版であれば再生することができますが、英語学習としては必須条件ではありません。
日本語字幕は、表示されれば便利です。米国国内向けのテレビドラマDVD等では基本的に日本語字幕機能は装備されていませんので、留意する必要があります。
日本語字幕機能は英語学習効率が上がりますが、ないからと言って英語学習が出来ない訳ではありません。
日本語訳が必要であれば、Google翻訳やDeepLなどの機械翻訳を利用すればよいと思います。

学習対象米国テレビドラマの選択基準(4)ドラマ製作年代
ドラマ製作年代に関しては、インターネットやスマートフォン関連の表現を考えると、できれば2010年代や2020年代のものが望ましいと言えます。
それ以前の場合でもできれば1990年代以降でもそれほど古さは何とか耐えられると思います。
1980年代以前の場合、セリフ表現や場面手設定が古すぎて、英語学習教材としてはやや避けたい感じです。

学習対象米国テレビドラマの選択基準(5)メディアの選択:オンラインビデオなど
米国映画・テレビドラマの視聴方法としては、DVDやブルーレイの購入やAmazon Prime VideoやNetflixなどのオンラインビデオを利用することが考えられます。
日本国内で視聴する限り、英音、日本語字幕、英語字幕を装備している映像ソフトはかなり豊富に提供されています。
英音研スタッフが学習した“Boy Meets World”は全7シーズン分のDVDが販売されていて、セリフ台本(script)も全7シーズン158話がWebサイトにアップされていました。
ただ、DVDは日本向けのものは販売されておらず、米国国内版のみでした。
DVDには再生に関する地域制限があり、日本向け再生ソフトや再生機器では米国TVコンテンツのDVDが再生できないのですが、これに関しては“VLC media player”をパソコンにダウンロードすれば解決できます。
パソコンではなくテレビで再生視聴したい場合は、地域制限のないDVD再生機器を購入・設置すれば可能となります。
ちなみに“Boy Meets World”のDVDは米国アマゾンで購入しました。
まったく同じ物でも米国のアマゾンの価格は配送料を加えても、日本のアマゾンよりも2割ほど低い価格となりました。米国から日本の自宅への配送期間は9日間でした。
しかし、セリフの音読トレーニングをするには1文6秒間くらいの巻き戻しを繰り返すことが必要で、この作業がDVDやオンラインビデオでは難しいものがあります。
この点に関し、海外映画・ドラマ学習スマホアプリを活用すると英語セリフ音読学習効率を格段に向上させることが可能です。
海外映画・ドラマ学習スマホアプリはハリウッド映画や米国映画・TVドラマの映像ソフトをダウンロードすると、日本語・英語の字幕が同時表示できたりするものもあります。
これは従来のDVDにはなかった機能です。ただ、日本語字幕は超訳しすぎな箇所があることは確かです。
しかし、提供機能全体を見ると、優れた英語音読学習アプリだと思います。知らない英単語調べに関しては、カーソルを字幕にマウスオーバーするだけで簡易辞書がツールチップで表示する機能に加え、辞書マークをクリックすれば詳しい内容を調べることができるアプリもあります。
俳優のセリフ単位での音声リピーティング機能があり、俳優のセリフと同時に発音練習するリピーティングも簡単に実施することができます。
この機能は俳優のセリフスピードと同じスピードでリピーティングを何回もすることができるので大変なすぐれものです。
ただし、1分間に300語の発声スピードのリピーティングはなかなかタフなものがありますが、長いセリフを5~6回練習してもそれほど時間もかかりません。気に入った映像ソフトがあれば有力な海外映画・ドラマ学習スマホアプリだと思います。

まとめ
どのような考え方で英語学習教材としての米国テレビドラマを選択すればよいのか、下記の5つの基準で選択することが有効です。
(1)視聴することが楽しいこと
(2)英語セリフ台本(script)が利用できること
(3)英語音声、英語字幕の装備
(4)ドラマ製作年代が比較的新しいこと
(5)メディアの選択:海外映画・ドラマ学習スマホアプリなど
米国テレビドラマは、大学入試の英語試験向けやTOEICなどの英語力評価テストのリスニングテスト向けには必ずしも最適とは言えませんが、試験対策勉強に限界を感じたときのブレイクスルーや気分転換、英語圏のリアルな日常生活における英会話のレベルの認識などには非常に有効です。
大学入学を達成し、就職活動や昇進昇格のための英語力評価テストを突破したあとは、ぜひ米国映画・テレビドラマ学習に挑戦していただいて、英語ネイティブスピーカーに対して現実的に通用する英語力を身に着けて頂けると幸いです。
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どのように米国映画・テレビドラマを英語学習に活用したらよいか?
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なぜ多くの日本人は米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめないのか?
https://www.eionken.co.jp/note/movie-tv-drama-english-sound-subtitle/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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