- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.27
更新日
2025.11.27
心に響く英語ことわざ(869)「ファウスト」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 We can’t form our children on our own concepts; we must take them and love them as God gives them to us.(子供の個性を活かす)
“We can’t form our children on our own concepts; we must take them and love them as God gives them to us.”
直訳は「私たちは、自分たちの概念に基づいて子どもたちを形作ることはできない。神が私たちに与えたままの彼らを受け入れ、愛さなければならない」で、これは、ドイツの文豪ゲーテが、「子育てにおける受容と個性の尊重」について説いた、教育と人間性に関する深い洞察です。
この名言は、親や教育者が持つ「理想の子ども像(our own concepts)」を押し付けるのではなく、子どもたちを「神が与えたままの(as God gives them to us)」唯一無二の個性として無条件に受け入れ(take them)、愛する(love them)ことの重要性を説いています。子どもの成長は、親の期待に沿わせることでなく、彼ら自身の内側から発するものであるという、教育の本質を表現しています。
名言の意味:子どもの本質を尊重し、そのままの姿を愛する
ゲーテは、自然界のすべての存在を唯一無二のものとして尊重する哲学を持っていました。この考え方は、彼の教育観にも反映されており、子どもたちもまた、外部から形成されるべき「粘土」でなく、固有の成長の法則を持った「種」であると捉えていました。
鍵となる教育観
- We Can’t Form Our Children on Our Own Concepts(自分たちの概念に基づいて子どもたちを形作ることはできない) 親や教師が持つ「こうあるべき」という理想(own concepts)は、往々にして親の未実現の夢や社会の期待であり、子どもの生まれ持った本質とは異なる場合があります。これを押し付けることは、子どもの個性や才能を損なうことに繋がると警鐘を鳴らしています。
- We Must Take Them and Love Them as God Gives Them to Us.(神が私たちに与えたままの彼らを受け入れ、愛さなければならない) この後半は、教育者にとっての「義務(must)」を示しています。「神が与えたまま」とは、彼らの固有の資質、強み、弱みを含めた「ありのままの姿」を意味します。その本質を尊重し、無条件の愛と受容(take them and love them)を与えることこそが、彼らが自らの力で最大限に成長するための最善の環境であると説いています。
類似の教訓
- 「個性を伸ばす」: 教育における基本原則で、すべての子どもが持つユニークな資質を尊重し、成長を促すことの重要性を示します。
- “Every child is an artist. The problem is how to remain an artist once he grows up.” (すべての子どもは芸術家である。問題は、大人になったときにどうやって芸術家であり続けるかだ。) パブロ・ピカソの言葉。子どもが生まれ持った創造性や本質を、大人の概念で壊してはいけないというゲーテの思想と共通します。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の生い立ち
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)は、ドイツの詩人、小説家、劇作家、そして自然科学者であり、ヨーロッパ文学における「巨人」と呼ばれます。
- 全体性の哲学 ゲーテは、自然界のすべての存在が、それぞれ固有の価値と法則を持っているという「全体性」の哲学を持っていました。彼は、植物や動物の研究を通して、個々の存在をありのままに観察し、その本質を理解することの重要性を説きました。
- 教育への深い関心 彼の小説『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』では、理想的な教育の形態が描かれており、そこでは、若者が親や社会の期待から自由になり、自らの内面の声に従って自己を形成するプロセスが重視されています。この名言は、親や教育者が持つべき最も重要な倫理的な姿勢、すなわち「受容」と「無条件の愛」を簡潔に表したものだと言えるでしょう。
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心に響く英語ことわざ(868)「マイフェアレディ」の原作で有名なアイルランドの劇作家マイフェアレディジョージ・バーナード・ショーの名言 The possibilities are numerous once we decide to act and not react.(主体的に行動することで可能性が開かれる)
https://www.eionken.co.jp/note/the-possibilities-are-numerous/
心に響く英語ことわざ(870)道教開祖の老子の名言 He who is contented is rich.(足るを知る)
https://www.eionken.co.jp/note/he-who-is-contented-is-rich/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。

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