- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.01
更新日
2025.09.02

心に響く英語ことわざ(617)アイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言 We don’t stop playing because we grow old; we grow old because we stop playing.(年齢は心の問題)
“We don’t stop playing because we grow old; we grow old because we stop playing.”
直訳は「年を取るから遊ぶのをやめるのではない。遊ぶのをやめるから年を取るのだ」で、似た意味のことわざに「年齢は心の問題」があります。
ジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)の名言 We don’t stop playing…の意味
この言葉は、アイルランドの劇作家、批評家であるジョージ・バーナード・ショーが、「若さの秘訣」について述べたものです。彼は、肉体的な年齢よりも、「遊び心(playing)」や「好奇心」といった精神的な活動を続けることこそが、若々しさを保つ上で最も重要であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「老い」という概念を、単なる肉体的な現象ではなく、精神的な選択であると捉え直しています。
- 「We don’t stop playing because we grow old」(年を取るから遊ぶのをやめるのではない) ショーは、多くの人が信じている「年を取ると遊べなくなる」という考えを否定しています。彼は、年齢を理由に、新しいことに挑戦したり、好奇心を持ったりすることをやめるのは、単なる言い訳にすぎないと考えていました。
- 「we grow old because we stop playing」(遊ぶのをやめるから年を取るのだ) この部分が、この言葉の核心です。ここで言う「playing」は、子供の遊びだけでなく、人生における探求心、好奇心、そして創造的な活動を指しています。ショーは、新しい知識を学ぶこと、新しいスキルを身につけること、そして人生を楽しむことをやめた瞬間に、私たちは精神的に「老い」始めると言っています。
似た意味の英語のことわざ
- “You are never too old to set another goal or to dream a new dream.” (何か別の目標を設定したり、新しい夢を見たりするのに、年をとりすぎていることはない。) この言葉は、年齢に関係なく、常に新しい挑戦を続けることの重要性を示しており、ショーの言葉と通じます。
- “Age is an issue of mind over matter. If you don’t mind, it doesn’t matter.” (年齢は心の問題であり、物質の問題ではない。あなたが気にしなければ、それは問題ではない。) マーク・トウェインの名言で、年齢という物理的な事実よりも、心の持ち方が重要であるという思想を示しています。
- “The mind is its own place, and in itself can make a heaven of hell, a hell of heaven.” (心はそれ自身の場所であり、それ自体が地獄を天国に、天国を地獄に変えることができる。) ジョン・ミルトンの詩『失楽園』の一節で、心のあり方こそが幸福や不幸を決定するという思想を示しており、ショーの言葉と通じます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「心に老いなし」 体が老いても、心は若く保つことができるという意味。ショーの言葉を的確に表す日本語です。
- 「齢(よわい)は力」(よわいはちから) 年齢を重ねてきた経験こそが力になる、という意味。年齢を否定的に捉えるのではなく、肯定的な価値を見出す考え方です。
- 「転んでもただでは起きぬ」 失敗しても、その経験から何かを学び、次につなげるという意味で、常に探求心を持ち続ける姿勢を表しています。
ジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)の波乱万丈な生い立ち
ジョージ・バーナード・ショー(1856-1950)は、アイルランドの劇作家、批評家、そして政治活動家であり、オスカー・ワイルドとともに、近代イギリス演劇に大きな影響を与えました。彼は、1925年にノーベル文学賞を受賞しました。
幼少期とロンドンでの苦闘
1856年、アイルランドのダブリンで、中流階級の家庭に生まれました。彼は、正式な高等教育をほとんど受けず、独学で知識を身につけました。 20歳の時、彼はロンドンへ渡り、貧困の中で小説家を目指しましたが、成功には至りませんでした。彼は、演劇批評家として活動を始め、その鋭い文才と皮肉に満ちた批評で、次第に注目を集めるようになりました。
劇作家としての成功
ショーは、『ピグマリオン』や『聖ジョーン』といった戯曲を発表し、その作品は、当時の社会問題や道徳観を鋭く風刺していました。彼は、女性の自立や、社会主義といった進歩的な思想を作品に盛り込み、多くの人々に衝撃を与えました。
晩年と遺産
ショーは、生涯にわたって社会改革を訴え続け、政治的な活動にも熱心でした。彼は、94歳という長寿を全うし、1950年に亡くなりました。 彼の生涯は、常に新しいことに挑戦し、自分の信念を貫き通した物語です。彼の言葉は、私たちに、人生を豊かに生きるには、年齢という概念に囚われることなく、常に好奇心と探求心を持ち続けることの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(616)英国の近代科学の祖フランシス・ベーコンの名言 Money is like manure, of very little use except it be spread.(お金は天下の回りもの)
https://www.eionken.co.jp/note/money-is-like-manure/
心に響く英語ことわざ(618)米国独立に貢献した初代大統領ジョージ・ワシントンの名言 I hope I shall possess firmness and virtue enough to maintain what I consider the most enviable of all titles, the character of an honest man.(清く正しく生きる)
https://www.eionken.co.jp/note/i-hope-i-shall-possess-firmness/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。