- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.04
更新日
2025.12.04
心に響く英語ことわざ(883)「マイフェアレディ」の原作で有名なアイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言 We must always think about things, and we must think about things as they are, not as they are said to be.(自分の目と頭で事実を直視して判断することが重要)
“We must always think about things, and we must think about things as they are, not as they are said to be.”
直訳は「私たちは常に物事について考えなければならない。そして、世間で言われているようにではなく、あるがままの姿として物事を考えなければならない」で、これは、アイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーが、「批判的思考(クリティカル・シンキング)と真実の探求」について説いた、知的な自立を促す教訓です。
この名言は、思考を停止させることへの警告であり、世の中の評判、噂、常識、あるいは権威者が言う「〜と言われている(said to be)」ことを鵜呑みにせず、自分の目と頭で「事実(as they are)」を直視して判断することの重要性を説いています。
名言の意味:レッテルを剥がし、本質を見る
ショーは、社会の偽善や固定観念を嫌い、常に物事の裏側を見ようとしました。彼は、多くの人が「事実」ではなく、「他人の意見」を世界だと思って生きていることに気づいていました。
鍵となる対比
- Think About Things as They Are(あるがままの姿として考える) 「As they are」は、裸の事実、客観的な現実を指します。これを見るためには、先入観や感情を排除し、冷静に観察する勇気が必要です。
- Not as They Are Said to Be(言われているようにではなく) 「Said to be」は、世評、評判、ニュース、伝統、あるいは「建前」です。
- 例: 「あの人は悪人だと言われている」からといって、本当に悪人かは分かりません。
- ショーは、この「世間の声」というフィルターを通して物事を見ている限り、真実には辿り着けないと警告しています。
この名言は、情報過多の現代においてこそ重要であり、フェイクニュースや偏見に流されず、「本当はどうなのか?」と自分で思考する姿勢を求めています。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “The great enemy of truth is very often not the lie—deliberate, contrived and dishonest—but the myth—persistent, persuasive, and unrealistic.” (真実の最大の敵は、意図的で不正直な「嘘」ではなく、しつこく、説得力があり、非現実的な「神話(通説)」であることが多い。) ジョン・F・ケネディの言葉。ショーの言う「as they are said to be」が「神話(思い込み)」に当たることを示唆しています。
- “Believe nothing of what you hear, and only half of what you see.” (聞いたことは何も信じるな。見たことでさえ半分だけ信じろ。) エドガー・アラン・ポーなどに帰される言葉。外部情報(said to be)への健全な懐疑心を説いています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「百聞は一見に如かず」(ひゃくぶんはいっけんにしかず) 意味: 人から何度聞くよりも、自分の目で一度見るほうが確かであるという意味で、「said to be」より「as they are」を重視する姿勢です。
- 「鵜呑みにする」(うのみにする) 意味: 物事の真意を理解せず、他人の言葉をそのまま受け入れること。ショーはこれを戒めています。
- 「自分の頭で考える」 シンプルですが、この名言の究極的なメッセージです。
ジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)の生い立ち
ジョージ・バーナード・ショー(1856-1950)は、アイルランドの劇作家、評論家であり、ノーベル文学賞を受賞しました。
- 常識の破壊者 ショーは、ヴィクトリア朝時代の堅苦しい道徳や社会通念を嫌い、それらがいかに偽善的で空虚なもの(as they are said to be)であるかを、『ピグマリオン』などの劇作を通して暴露し続けました。
- 批判的思考の鬼 彼は「常識」を疑う天才でした。戦争、宗教、貧困、男女関係など、あらゆるテーマについて、世間が信じている「綺麗事」を剥ぎ取り、残酷なまでの「現実(as they are)」を突きつけました。彼がこの名言を残したのは、人々が思考を停止して他者の意見に流されることが、個人の自由と社会の進歩を妨げる最大の要因だと確信していたからです。
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心に響く英語ことわざ(882)米国独立に尽力したベンジャミン・フランクリンの名言 Speak ill of no man, but speak all the good you know of everybody.(人の長所を見て、短所を見るな)
https://www.eionken.co.jp/note/speak-ill-of-no-man/
心に響く英語ことわざ(884)「ファウスト」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 Do not give in too much to feelings. A overly sensitive heart is an unhappy possession on this shaky earth. (鈍感力)
https://www.eionken.co.jp/note/do-not-give-in-too-much-to-feelings/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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