- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.10.30
更新日
2025.10.30
心に響く英語ことわざ(795)米国自動車王ヘンリー・フォードの名言 Wealth, like happiness, is never attained when sought after directly. It comes as a by-product of providing a useful service.(富は有用なサービスを提供することの副産物)
“Wealth, like happiness, is never attained when sought after directly. It comes as a by-product of providing a useful service.”
直訳は「富は、幸福と同じように、直接に追い求められるときには、決して手に入らない。それは、有用なサービスを提供することの副産物としてもたらされる」で、これは、「富(Wealth)」と「幸福(Happiness)」が単なる目標ではなく、「他者への貢献(Useful Service)」という価値ある活動に没頭した結果として自然に生じる副産物であるという、ヘンリー・フォードの深い実用主義とビジネスの哲学を表現しています。
名言の意味:富と幸福は貢献の副産物である
この言葉は、フォード・モーター・カンパニーの創設者であるヘンリー・フォードが、「成功と価値創造の真の法則」について述べたものです。彼は、人々が金銭や快楽を直接的に追求して失敗する姿を観察し、真の充足は自己の利益を超えた「貢献」にあると結論づけました。
鍵となる二つの対比
- Never Attained When Sought After Directly(直接に追い求められるときには、決して手に入らない)
- 富や幸福を「目標」そのものとして設定し、手段を選ばずに追求する姿勢を戒めています。直接的な追求は、しばしば焦り、貪欲、そして道徳的な逸脱を生み、結果的に真の富も幸福も失うことになります。
- It Comes as a By-product of Providing a Useful Service(それは、有用なサービスを提供することの副産物としてもたらされる)
- 富と幸福は「副産物(By-product)」として定義されています。「有用なサービス(Useful Service)」とは、他者の問題を解決し、社会に価値を提供する活動を指します。フォードは、自動車の大量生産を通じて人々の移動を革新しましたが、彼の動機は単なる「金儲け」ではなく、「安価な輸送手段を提供する」というサービスへの情熱でした。この貢献が結果的に莫大な富をもたらしました。
この名言は、価値を「得る」こと以前に、まず「与える」ことの重要性を説く、利他主義に基づく成功哲学を提示しています。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “Your work is to discover your work and then with all your heart to give yourself to it.” (あなたの仕事は、あなたの仕事を発見し、そして全身全霊でそれに身を捧げることだ。) ブッダの言葉とされ、天職(有用なサービス)に没頭すれば、結果(富と幸福)は自然についてくるという点で通じます。
- “The best way to find yourself is to lose yourself in the service of others.” (自分自身を見つける最良の方法は、他者の奉仕の中に自分を忘れることだ。) マハトマ・ガンジーの言葉であり、貢献が自己の充足(幸福)に繋がるという真理を説きます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 報酬を目的とするのではなく、「有用なサービス」という自らの使命を果たすという主体性の重要性を説きます。
ヘンリー・フォード(Henry Ford)の生い立ち
ヘンリー・フォード(1863-1947)は、アメリカの企業家、発明家であり、現代の大量生産システムを確立した人物です。
幼少期と自動車産業への革新
1863年、ミシガン州の農家に生まれました。彼は、幼い頃から機械に強い関心を持ち、蒸気エンジンや時計を修理することに熱中しました。 彼の自動車事業の出発点は、「自動車」を富裕層だけの贅沢品ではなく、「すべての人々が使える実用的なツール」として提供したいという強い「サービス」への願望でした。流れ作業(アセンブリーライン)の導入も、単なる「コスト削減」のためではなく、この「有用なサービスを安価に提供する」という目標を達成するための手段でした。
彼のこの哲学は、結果として巨大な富を生み出しましたが、彼の名声は、富を得たこと以上に、「社会に価値を提供した」ことによって確立されました。
フォードの言葉は、私たちに、人生の目標を「自分のために何かを得る」ことではなく、「他者のために何かをする」ことに置くことが、結果的に最も大きな報いをもたらす道であることを教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(794)「マイフェアレディ」の原作で有名なアイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言 The moment we want to believe something, we suddenly see all the arguments for it, and become blind to the arguments against it.(自分の信念に都合の良いものだけが目に入る)
https://www.eionken.co.jp/note/he-moment-we-want-to-believe-something/
心に響く英語ことわざ(796)「ファウスト」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 Great thoughts and a pure heart, that is what we should ask from God.(神が求めるものは偉大な思考と清らかな心)
https://www.eionken.co.jp/note/great-thoughts-and-a-pure-heart/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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