
ビジネス課題解明の技術
カテゴリー: 3. ビジネスコンサルティング技術
ビジネス課題解明の技術
戦略コンサルティング会社では2週間に1度の内部打ち合わせを実施し、プロジェクトの進捗を担当のプロジェクトマネージャーやバイスプレジデントに報告するという仕組みになっていました。プロジェクトメンバーとしては、当然、自分の担当パートに関して、クライアントにインタビューし、フィールドインタビューをし、データを分析した結果を上司に報告する訳です。
しかしどのプロジェクトでもプロジェクト開始1ヶ月以内の内部打ち合わせは特に難関でした。内部打ち合わせの報告で上司からダメだしを受けることを「焼かれる」と社内では称されていましたが、このダメだしが特に頻発するのが、プロジェクト開始後1ヶ月以内でした。
上司いわく
「面白くないなあ」
「ちょっと違うんだなあ」
「インパクトがないなあ」
「現場の人が言った事をまとめただけ」
クライアント企業も課題がよく見えない状況でコンサルティングプロジェクトを発注した訳ですし、担当のバイスプレジデントやプロジェクトマネージャーでも、この時点では何が本質的な課題かについて確信はない訳です。ただコンサルティングの長年の経験があれば、プロジェクトメンバーが発表したものの良し悪しは直感的には感じられるものなのです。上記のような印象を持つ限りは、このままではクライアントにご覧いただける内容になっていないという判断なのです。言われた当人としては進捗報告した内容がダメだしを受けた事は認識できるものの、これらの感性的な発言に対しては具体的にどうアクションすればよいのか途方にくれるという感じでした。
しかし上司から何度もダメだしを出され、また先輩コンサルタントの誉められる事例を経験していくうちにプロジェクトにおける課題解明のための最初の1ヶ月をどう過ごしたらよいかが体験的に判ってきたのでした。これが実はこれからご説明しようとしている「課題解明技術」です。この技術がある程度、身に付いてからはプロジェクト開始後1ヶ月以内の内部打ち合わせでダメ出しをだされることが減り、上司からは建設的な意見を頂けるようになり、その後のプロジェクトの遂行がスムーズになったのです。
上司いわく
「その課題は本質をついている」
「その課題はとても重要そうだから、もっと深掘りしよう」
「その課題は、今後、定量化して提示しよう」
本書は会社員や学生の方々が筆者のような悲惨な体験をせず業務のなかでコンサルティングの思考技術を活用して課題解明ができるようになるため「課題解明技術」を具体的に説明したいと考えています。本書の課題解明技術を活用してレポートを書けば、皆さんも「説得的な課題解明レポートだ」と言われることが多くなることでしょう。
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全体の流れは以下の通りです。
①課題解明・課題設定技術の重要性
②課題解明のための技術基盤
●「クライアントの悩みに答えたい」という姿勢が重要
●戦略コンサルティング会社で体験的に修得した課題解明技術
③調査発注者の認識把握
●調査発注者サイドの問題課題解決の期待テーマ・分野の明確化
●調査発注者サイドの問題・課題認識状況の明確化
④内部の認識ギャップに着目した課題解明技術
●上と下の認識ギャップ明確化による課題解明
●部署間の認識ギャップ明確化による課題解明
⑤外部の視点による課題解明
●顧客の視点による課題解明
●納入会社の視点による課題解明
●競合他社との比較による課題解明
⑥これまでの成功パターンの通用度による課題解明
●時間軸で考えて課題解明する
●既存主力事業の成功パターンは他事業に通用するのかという視点で課題解明
⑦調査発注者とは異なる切り口や視点による課題解明
●セグメントの切り方を変えてみる
●視野を広げて見る
●逆張りの視点
⑧個別課題解明技術
●定量的に考える事による課題解明
●物事を因数分解する事による課題解明
●本質的課題原因に迫る事による課題解明
●仮説による課題解明
●対比による課題解明
●具体化による課題解明
●経営学のコンセプト・セオリーの利用による課題解明
⑨課題解明のプロセス
「ビジネス課題解明の技術」ポイント一覧
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループ(東京オフィス)・NTTデータ経営研究所おいて通算30年以上のビジネスコンサルティング歴を持つ。経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどインターネットビジネス戦略などを多数経験。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築
・現在英語スピーキング脳を構築する効果的な手法も研究中。成果が出たら学習方法論を構築して発表したいと考えている。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると感じている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。