ビジネス問題解決の技術

ビジネス問題解決の技術

コンサルティングプロジェクトでの問題解決策の提言はプロジェクト発注者の依頼に対する回答です。プロジェクト発注者からすると時間と多額のお金をかけてコンサルティングプロジェクトを発注しただけの価値があったか判断がこれでなされる訳です。当然コンサルティングスタッフ側でも課題解明からの長い道のりの総仕上げですので、問題解決策の構築・提言にはとても気を使うものです。筆者もコンサルタントとしての駆け出しの頃はとても苦労したものです。

上司いわく、

｢平凡な提言でつまらない｣

｢提言の根拠・理由が説得的でない｣

｢そんな提言では、クライアントのやる気が出ない｣

当時は、問題解決策構築マニュアルなどなくプロジェクトマネージャーからのダメだしのなかから体験的に手法を学ぶしかなかったのです。上司から何度も「ダメだし」が出され、また同僚コンサルタントが誉められる事例を見ているうちに問題解決策の構築・提言をどのようしたらよいかが体験的に判ってきたのでした。

問題解決策の構築・提言技術がある程度、身に付いてからは内部打ち合わせではダメだしが減り、上司からは建設的な意見を頂けるようになったのです。

上司いわく

「その提言の影響を受ける部門の意見を確認しておくように」

「その提言なら社長も納得し、実行して頂ける」

「その提言に関する今後の実行計画をさらに詳細化しておこう」

本書は筆者が外資系戦略コンサルティング会社で経験的に得られたClient friendlyな問題解決策の構築・提言のコツをまとめたものです。本書により会社員や学生の方々が筆者のような悲惨な体験をせず業務のなかでコンサルティングの思考技術を活用して問題解決ができるようになるため「問題解決技術」を具体的に説明したいと考えています。本書の課題解明技術を活用してビジネスレポートを書けば、皆さんも「説得的な問題解決レポートだ」と言われることが多くなることでしょう。

なお、本書は課題解明フェーズが既に完了していることを前提に記述されています。課題解明技術については別著「課題解明の技術」を参照して頂ければ幸いです。また問題解決技術には課題解明技術と同種の技術が多く解説されますが、これは課題解明と問題解決が連続性をもったプロセスであることに起因しています。

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全体の流れは以下の通りです。

①問題解決のための技術基盤

②問題解決のための５つのステップ

③問題解決策オプションの創出

●社内の意見による問題解決策の創出

●外部の意見・やり方からの問題解決策の創出

－他社事例からの問題解決策の創出

－顧客の意見からの問題解決策の創出

－納入企業の意見からの問題解決策の創出

●これまでの成功パターンの修正による問題解決策の創出

－過去・現在の成功パターンの修正による問題解決策の創出

－既存主力事業のやり方の修正による問題解決策の創出

●異なる切り口や視点による問題解決策の創出

－セグメンテーションの切り口を変えることによる問題解決策の創出

－視野を広げることによる問題解決策の創出

－逆張りの視点による問題解決策の創出

●定量的に考える事による問題解決策の創出

●物事を因数分解する事による問題解決策の創出

●本質的課題原因に迫る事による問題解決策創出

●仮説による問題解決策創出

●対比による問題解決策創出

●具体化による問題解決策創出

●経営学のコンセプト・セオリーの利用による問題解決策創出

④問題解決策実行のための資源配分・組織体制の検討

⑤問題解決策の経済性検証

⑥問題解決策を実行する方々の意向確認

⑦問題解決策の最終提言

「問題解決の技術」ポイント一覧

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著者Profile

山下長幸（やましたながゆき）

・英音研株式会社創業者・代表取締役

・米国系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループ（東京オフィス）・NTTデータ経営研究所おいて通算30年以上のビジネスコンサルティング歴を持つ。経営戦略、マーケティング戦略、業務改革（BPR）、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどインターネットビジネス戦略などを多数経験。

・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築

・現在英語スピーキング脳を構築する効果的な手法も研究中。成果が出たら学習方法論を構築して発表したいと考えている。

・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること

・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると感じている。

・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。

・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。

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・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ：学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか？」など8冊がある。

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