- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(239)「車輪の下」の著者ヘルマン・ヘッセの名言 Everything becomes a little different as soon as it is spoken out loud.(口に出すと風が吹く)
Everything becomes a little different as soon as it is spoken out loud.
直訳は「口に出すことで、すべてが少し違って聞こえてくる」で、似た意味の日本のことわざに「口に出すと風が吹く」があります。
” Everything becomes a little different as soon as it is spoken out loud.”の意味
ヘルマン・ヘッセの名言” Everything becomes a little different as soon as it is spoken out loud.”の意味を詳しく教えてください。
このヘルマン・ヘッセの名言は、言葉に出すことによって思考や感情が変化する、という深い意味を持っています。
この名言は、以下のような解釈が可能です。
思考の整理
頭の中で考えているだけでは、漠然としていた考えが、言葉にすることで明確になります。言葉にするためには、論理的に整理する必要があり、思考の曖昧な部分を明確にすることができます。
感情の理解
言葉にすることで、自分の感情を客観的に捉えることができます。頭の中にある感情は、複雑で混沌としている場合がありますが、言葉にすることで整理され、理解しやすくなります。
コミュニケーション
言葉にすることで、他の人と自分の考えや感情を共有することができます。コミュニケーションは、相互理解を深め、人間関係を築くために重要な要素です。
自己認識
言葉にすることで、自分自身をより深く理解することができます。自分の考えや感情を客観的に捉えることで、自分の価値観や人生観を明確にすることができます。
創造性
言葉にすることで、新しいアイデアが生まれることがあります。頭の中にある考えを言葉にすることで、別の視点から考えたり、新しい組み合わせを思いついたりすることができます。
決意
言葉にすることで、自分の意志を固めることができます。目標や決意を言葉にすることで、周囲に宣言し、自分自身をコミットすることができます。
責任
言葉にすることで、責任が伴います。発言には責任が伴うため、慎重に言葉を選ぶ必要があり、発言の真意を明確にすることが重要です。
変化
言葉にすることで、現実が変化することがあります。例えば、目標を宣言することで、周囲からの協力を得られたり、モチベーションが上がったりして、目標達成に近づくことができます。
真実
言葉にすることで、真実が明らかになることがあります。本音を言葉にすることで、誤解が解けたり、問題解決に繋がったりすることができます。
美しさ
言葉にすることで、美しさが表現されます。美しい言葉は、人の心を動かし、感動を与えることができます。
このように、言葉にすることには様々な効果があります。思考を整理し、感情を理解し、コミュニケーションを促進し、自己認識を深め、創造性を発揮し、決意を固め、責任を持ち、現実を変え、真実を明らかにし、美しさを表現することができます。
この名言は、私たちに言葉の力について改めて考えさせてくれます。言葉は、単なるコミュニケーションツールではなく、思考や感情を変化させ、人生を豊かにしてくれる力を持っているのです。
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似た意味を持つ英語のことわざ
“A thought unspoken is but a shadow.”
「口に出さない考えは影に過ぎない」という意味です。これは、言葉に出すことで思考が現実のものになり、影響力を持つようになるという考えを表しています。ヘッセの言葉と同様に、思考を明確にし、行動に移すために言葉の重要性を強調しています。
“Words are the voice of the heart.”
「言葉は心の声」という意味です。これは、言葉は単なるコミュニケーションツールではなく、内面にある感情や考えを表現するものであるという考えを表しています。ヘッセの言葉と同様に、言葉が持つ深い意味と力を強調しています。
“Speak your mind, even if your voice shakes.”
「たとえ声が震えても、自分の意見を言いなさい」という意味です。これは、自分の考えや意見を積極的に表現することが重要であるという考えを表しています。ヘッセの言葉と同様に、言葉の持つ力によって、自分自身を表現し、周囲に影響を与えることができるという考えを強調しています。
“Once you say it, you can’t take it back.”
日本語では「一度口に出した言葉は取り消せない」という意味です。これは、言葉には責任が伴い、慎重に言葉を選ぶ必要があるという考えを表しています。ヘッセの言葉と同様に、言葉が持つ影響力と責任の重要性を強調しています。
“The pen is mightier than the sword.”
日本語では「ペンは剣よりも強い」という意味です。これは、言葉は暴力よりも強い力を持っているという考えを表しています。ヘッセの言葉と同様に、言葉が持つ力によって、現実を変えることができるという考えを強調しています。
これらのことわざは、それぞれ異なるニュアンスを持っていますが、共通して言葉の持つ力について言及しています。言葉は思考を明確にし、感情を理解し、コミュニケーションを促進し、自己認識を深め、創造性を発揮し、決意を固め、責任を持ち、現実を変え、真実を明らかにし、美しさを表現することができます。
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似た意味を持つ日本語のことわざ
「口に出すと風が吹く」
このことわざは、言葉を発することで、私たちの内面から外へと変化が生じることを強調しています。私たちの思考や感情、アイデアが声に出されると、それらは内部の領域を超えて世界を再構築する可能性を秘めています。
「口は禍のもと」
これは、言葉によってトラブルや災難を招くことがあるという戒めです。ヘッセの言葉とは異なり、言葉の持つネガティブな側面に焦点を当てています。
「言行一致」
これは、言葉と行動が一致していないと信用されないという意味です。ヘッセの言葉と共通するのは、言葉には責任が伴うという考えです。
「良言一句金石に響く」
これは、良い言葉は人の心に深く刻み込まれるという意味です。ヘッセの言葉と共通するのは、言葉には人を動かす力があるという考えです。
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ヘルマン・ヘッセ(Hermann Hesse)の生い立ち
ヘルマン・ヘッセは、1877年7月2日にドイツ南部のヴュルテンベルク王国カルフという小さな町で生まれました。父親は宣教師、母親はインド生まれの著名なインド学者の娘という、国際的な家庭で育ちました。
幼少期は活発な子供で、4歳頃から詩を作っていたと言われています。9歳でバイオリンを始め、音楽は彼にとって心の拠り所となりました。
しかし、14歳の時に進学した神学校では、厳しい校風に馴染めず、半年で脱走してしまうなど、思春期は苦悩に満ちた時期でした。その後、機械工の見習いなど様々な職業を経験しますが、いずれもうまくいかず、20歳頃から作家活動に専念するようになりました。
ヘッセの作品は、自身の経験や内面世界を投影したものが多く、特に「車輪の下」「デミアン」「シッダールタ」などの作品は、世界中の読者に愛されています。
ヘッセの生涯は、2度の結婚、2度の自殺未遂、第一次世界大戦中の非戦論者としての立場、スイスへの亡命など、波乱に満ちたものでした。しかし、苦難を乗り越え、常に人間の内面と精神世界の探求を続けた作家として、20世紀文学史に大きな足跡を残しました。
ヘッセは、生涯を通して様々な思想や哲学の影響を受けました。
東洋思想への傾倒は、彼の作品にも大きな影響を与えています。
ヘッセは、1946年にノーベル文学賞を受賞しています。
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「車輪の下」はどのような作品か?
概要
ヘルマン・ヘッセの長編小説「車輪の下」は、1905年に発表され、日本ではヘッセ作品の中でも最も有名な作品の一つです。
テーマ
この作品は、周囲からの期待を一身に背負い、その重圧の中で心を追い詰められていく少年の姿を描いています。
ストーリー
主人公ハンス・ギークナウフトは、優秀な成績で神学校に入学します。しかし、厳格な校風や詰め込み式の教育に次第に息苦しさを感じ始めます。さらに、親友の自殺という悲劇を経験し、精神的に追い詰められていきます。
主人公ハンス・ギークナウフト
優秀な成績で神学校に入学する。
繊細で感受性が強い。
周囲からの期待に応えようと努力する。
厳格な校風や詰め込み式の教育に苦しむ。
親友の自殺という悲劇を経験し、精神的に追い詰められる。
周囲からの期待
両親:ハンスが神学者になることを望んでいる。
教師:ハンスに優秀な成績を期待している。
友人:ハンスに頼り、助けを求めている。
精神的な崩壊
幻覚や妄想を見るようになる。
自殺を考えるようになる。
神学校を飛び出し、放浪生活を送る。
療養所に入る。
作品の背景
ヘッセ自身の少年時代の経験を基に書かれている。
当時のドイツの教育制度に対する批判が込められている。
19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパの思想や文化が反映されている。
評価
青少年文学の古典として評価されている。
教育制度や社会のあり方に疑問を投げかける作品として評価されている。
多くの読者に共感を与え続けている作品として評価されている。
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「デミアン」はどのような作品か?
概要
ヘルマン・ヘッセの長編小説「デミアン」は、1919年に発表され、日本ではヘッセ作品の中でも最も有名な作品の一つです。
テーマ
この作品は、少年シンクレアが、謎めいた人物デミアンとの出会いを通して、自我に目覚め、成長していく姿を描いています。
ストーリー
主人公シンクレアは、優等生で周囲から好かれる少年です。しかし、内心では自己嫌悪に苦しみ、生き方に迷っていました。そんな時、シンクレアはデミアンと出会い、彼から「もう一人の自分」の存在を教えられます。
主人公シンクレア
優等生で周囲から好かれる少年。
内心では自己嫌悪に苦しみ、生き方に迷っている。
デミアンとの出会いによって、自我に目覚め、成長していく。
デミアン
謎めいた人物。
シンクレアに「もう一人の自分」の存在を教える。
シンクレアの成長を導く。
もう一人の自分
善悪を超えた、真の自分。
社会の規範や道徳に縛られない自分。
シンクレアは、デミアンとの出会いによって、この「もう一人の自分」を受け入れ、成長していく。
作品の背景
第一次世界大戦後のドイツの社会を背景としている。
当時のドイツ社会は、戦争の傷跡が残っており、人々は不安と絶望を抱えていた。
こうした状況の中で、人々は新たな価値観を求めていた。
評価
青少年文学の古典として評価されている。
自己探求の物語として評価されている。
多くの読者に共感を与え続けている作品として評価されている。
この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(238)「華麗なるギャツビー」の著者スコット・フィッツジェラルド(Scott Fitzgerald)の名言 Never confuse a single defeat with a final defeat.(七転び八起き)
https://www.eionken.co.jp/note/scott-fitzgerald/
心に響く英語ことわざ(240)「クリスマス・キャロル」の著者チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)の名言 No one is useless in this world who lightens the burden of it to anyone else.(人の喜びは自分の喜び)
https://www.eionken.co.jp/note/charles-dickens-3/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
Amazon.co.jp: 山下長幸: 本、バイオグラフィー、最新アップデート