- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(246)ファッションデザイナーのココ・シャネルの名言 I grew strong by swimming upstream against the current.(艱難汝を強す)
I grew strong by swimming upstream against the current.
直訳は「私は流れに逆らって上流に向かって泳ぐことで強くなった」で、似た意味の日本のことわざに「艱難汝を強す」(かんなんなんじをつよす)があります。
ファッションデザイナーのココ・シャネル(Coco Chanel)の名言 I grew strong by swimming upstream against the current.の意味
ココ・シャネルが残したこの名言は、波乱万丈な人生を力強く生き抜いた彼女の生き様を象徴する言葉として、多くの人々に愛されています。
この名言をより深く理解するために、3つの視点から紐解いていきます。
逆流に立ち向かう強さ
「swimming upstream against the current.」は、文字通り「逆流に立ち向かって泳ぐ」ことを意味します。これは、社会の風潮や常識に逆らって、自分の信じる道を貫くことの比喩として解釈できます。
幼少期に貧しい環境で育ち、周囲の期待とは異なる道を歩んだココ・シャネルにとって、この言葉は自身の経験を反映したものと言えるでしょう。彼女は、周囲の嘲笑や批判に屈することなく、独自のファッションスタイルを追求し、成功を収めました。
この名言は、私たちに困難や障害に立ち向かう勇気と、自分の信念を貫く強さを教えてくれます。たとえ逆風であっても、自分の信じる道を進むことで、真の強さを身につけることができるというメッセージが込められているのです。
逆境を糧とする成長
「grew strong」という言葉は、単に「強くなった」という意味だけでなく、「逆境を乗り越えて成長した」という意味合いも含まれています。
ココ・シャネルの人生は、決して平坦ではありませんでした。孤児院での生活、愛する人との死別、事業の失敗など、様々な困難を経験しました。しかし、彼女は決して諦めることなく、これらの逆境を乗り越えることで、より強い精神力と豊かな人生経験を手に入れました。
この名言は、人生における困難や試練は、私たちを成長させる貴重な機会であることを示唆しています。逆境に直面したとき、逃げ出すのではなく、真正面から向き合うことで、より強い自分へと変革することができるというメッセージが込められているのです。
個性を大切にする生き方
「against the current.」という言葉は、「流れに逆らう」という意味だけでなく、「周囲とは異なる道を歩む」という意味合いも含まれています。
既成概念にとらわれず、常に新しいことに挑戦し続けたココ・シャネルにとって、この言葉は自身の生き方を体現した言葉と言えるでしょう。彼女は、女性が男性と同じ服装を身に着けることを提案したり、パンツスタイルを流行させたりするなど、常に時代の先端を走るような斬新なアイデアを生み出し続けました。
この名言は、私たちに自分自身の個性を大切にし、周囲の目を気にすることなく、自分の道を歩むことの重要性を教えてくれます。たとえ周囲から理解されなくても、自分の信じる道を貫くことで、真の自分らしさを開花させることができるというメッセージが込められているのです。
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似た意味を持つ英語のことわざ
“Against the tide.”
このことわざは、潮流や流れに逆らって進むという意味です。
“No pain, no gain.”
このことわざは、努力なしには成功はないという意味です。
“What doesn’t kill you makes you stronger.”
このことわざは、困難を乗り越えることで強くなるという意味です。
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似た意味を持つ日本語のことわざ
逆風を帆にして進む
このことわざは、逆風を推進力にして前に進むという意味です。
艱難汝を強す
このことわざは、困難は人を強くするという意味です。
苦楽は人生の伴侶
このことわざは、人生には苦しみと喜びが常に伴うという意味です。
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ファッションデザイナーのココ・シャネル(Coco Chanel)の生い立ち
ココ・シャネル:孤児院からファッション界の頂点へ
幼少期:貧困と修道院での生活
ココ・シャネルことガブリエル・ボヌール・シャネル(Gabrielle Bonheur Chanel)は、1883年8月19日、フランス中部のソーミュールという町で生まれました。幼い頃に母親を亡くし、父親に捨てられた彼女は、12歳の時に修道院に入れられます。修道院では裁縫の技術を学びますが、厳しい環境の中で過ごした少女時代は決して幸せなものではありませんでした。
18歳でパリへ:夢への挑戦
18歳になったガブリエルは、パリへと旅立ちます。そこで彼女は、キャバレー歌手として働く傍ら、帽子作りで生計を立て始めます。その才能はすぐに認められ、1909年には、実業家アーサー・カペルの援助を受け、パリに最初の帽子店を開店します。
独自のデザインで成功を収める
ガブリエルは、男性のような動きやすいデザインや、華美な装飾を省いたシンプルなデザインの帽子で人気を集めます。第一次世界大戦後には、婦人服にも進出し、リトル・ブラック・ドレスやツイードのスーツなど、現在でも愛され続けている数々の名作を生み出しました。
波乱万丈な恋愛遍歴
ガブリエルは、生涯を通じて多くの男性と恋に落ちました。中でも有名なのが、イギリスの実業家アーサー・カペルと、ロシアの公爵ドミートリー・パヴロヴィッチとの関係です。これらの恋愛は、ガブリエルのファッションデザインにも大きな影響を与えました。
ナチスとの関わり
第二次世界大戦中、ガブリエルはナチス・ドイツの将校と親密な関係にあったことが発覚し、戦後にフランスから追放されます。しかし、1954年にパリへ戻り、再びファッション界で活躍を始めます。
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ココ・シャネルの作品の特徴
ココ・シャネルは、20世紀のファッション界に革命を起こしたフランスのファッションデザイナーです。彼女の作品は、シンプルで洗練されたデザイン、機能性、そして女性の自立を体現するような力強さが特徴として挙げられます。
時代を超えたシンプルさ
シャネルの作品は、流行に左右されないシンプルなデザインが特徴です。装飾を削ぎ落とし、素材本来の美しさを活かしたデザインは、時代を超えて愛され続けています。特に有名なのが、リトル・ブラック・ドレスやツイードのスーツです。
機能性を重視したデザイン
シャネルは、女性の動きやすさを考えた機能的なデザインを追求しました。それまでのコルセットでウエストを締め付けるような服装から解放し、動きやすく快適な服を提案したのです。この革新的なデザインは、女性のライフスタイルを大きく変えました。
女性の自立を象徴するスタイル
シャネルの作品は、単に美しいだけでなく、女性の自立を象徴するような力強さも持ち合わせています。男性の服装からヒントを得たデザインを取り入れることで、女性の社会進出を後押ししました。
素材へのこだわり
シャネルは、素材選びにもこだわりを持っていました。ジャージーやツイードなど、上質な素材を使い、着心地の良さを追求しました。
象徴的なアイテム
シャネルの作品には、No.5の香水やマトラッセチェーンバッグなど、現在もなお人気が高い象徴的なアイテムがたくさんあります。これらのアイテムは、時代を超えて女性の心を捉え続けています。
この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(245)スペインの文豪セルバンテス(Cervantes)の名言 Every man is the son of his own works.(天助は自助に及ばず)
https://www.eionken.co.jp/note/cervantes-2/
心に響く英語ことわざ(247)スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)の名言 All good ideas start out as bad ideas, that’s why it takes so long.(千里の道も一歩から)
https://www.eionken.co.jp/note/steven-spielberg-2/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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