- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(255)英国初の女性首相マーガレット・サッチャーの名言 If you just set out to be liked, you would be prepared to compromise on anything at any time and you would achieve nothing.(己の信ずる道を歩め)
If you just set out to be liked, you would be prepared to compromise on anything at any time and you would achieve nothing.
直訳は「ただ好かれようと努めただけでは、いつでも妥協する用意ができており、何も達成できないでしょう」で、似た意味の日本のことわざに「己の信ずる道を歩め」があります。
英国初の女性首相マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)の名言 If you just set out to be liked, you would be prepared to compromise on anything at any time and you would achieve nothing.の意味
この名言は、サッチャーが1987年にオックスフォード大学の学生に対して行った演説の中で述べたものです。
この名言は、リーダーシップや目標達成について、サッチャー自身の経験に基づいた重要な洞察を伝えています。
リーダーとして「好かれること」の落とし穴
サッチャーは、リーダーにとって「好かれること」は必ずしも重要ではないと主張しています。むしろ、リーダーは困難な決断を下し、 不人気な政策を実行することも必要だと考えていました。
もしリーダーが「好かれること」だけを意識してしまえば、周囲の意見に流されやすく、正しいと思うことを貫けなくなってしまう 可能性があります。結果的に、何も成し遂げることができなくなってしまうというわけです。
真のリーダーに必要な資質
サッチャーにとって、真のリーダーに必要な資質は、信念に基づいて行動すること そして、困難な状況でも決断を下す勇気を持つことでした。
たとえ不人気な考えであっても、自分が正しいと思うことを貫き通すことで、真のリーダーとして尊敬されることができるというわけです。
サッチャー自身の経験
サッチャー自身も、首相時代には多くの 不人気な政策を実行しました。例えば、労働組合の規制緩和や、国営企業の民営化などです。
これらの政策は、多くの人々から反発を受けましたが、サッチャーは信念に基づいて断行しました。結果的に、イギリス経済の活性化に貢献し、サッチャーは「鉄の女」と呼ばれるほど強いリーダーとして評価されるようになりました。
現代社会への示唆
サッチャーの名言は、現代社会においても依然として重要性を持ち続けています。
SNSなどの普及により、「いいね」や「フォロワー数」 といった指標が重視されるようになっています。しかし、「好かれること」 だけを意識してしまっては、真のリーダーとして成長することはできません。
サッチャーのように、自分の信念に基づいて行動し、困難な決断を下す勇気を持つこと が大切です。
この名言は、必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。状況によっては、「好かれること」も重要になる場合もあります。
サッチャーは、賛否両論の多い人物としても知られています。彼女の政治思想や政策については、様々な意見があります。
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似た意味の英語のことわざを教えてください。
“Can’t please everyone.”
誰もが喜ぶことはできない。
誰かに嫌われることを恐れて行動していると、何も成し遂げられない。
大切なのは、自分の信念に基づいて行動すること。
“If you please everyone, you please no one.”
全ての人を喜ばせようとすると、誰も喜ばせない。
全ての人から好かれることを目指すと、結局誰からも理解されない可能性がある。
大切なのは、自分の価値観を大切にすること。
“Don’t be afraid to stand up for what you believe in, even if you stand alone.”
たとえ一人であっても、自分の信念のために立ち上がること。
周囲の意見に流されず、自分の信念に基づいて行動することが大切。
困難な状況でも、勇気を持って決断すること。
“It is better to be hated for who you are than loved for who you are not.”
ありのままの自分自身で嫌われる方が、偽りの自分自身で愛されるより良い。
大切なのは、自分の価値観を大切にすること。
周囲の意見に流されず、自分らしく生きること。
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意味を持つ日本語のことわざ
「人は人に好かれるために生まれてきたのではない。」
大切なのは、自分の価値観を大切にすること。
周囲の意見に流されず、自分らしく生きること。
「己の信ずる道を歩め」
周囲の意見に流されず、自分の信念に基づいて行動すること。
困難な状況でも、勇気を持って決断すること。
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英国初の女性首相マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)の生い立ち
マーガレット・ヒルダ・ロバーツ は、1925年10月13日、イングランド中部リンカンシャー州のグランサムにある食料品店で、アルフレッド・ロバーツとベアトリス・ロバーツの間に生まれました。
幼少期:
敬虔なメソジストの家庭で育ち、強い意志と勤勉さを身につける。
父親から倹約と自立の精神を学ぶ。
グランサム女子高校で優秀な成績を収め、オックスフォード大学に進学。
オックスフォード大学時代:
化学を専攻し、1947年に学位を取得。
学生時代から保守党員として活動し、政治への関心を高める。
1951年、デニス・サッチャーと結婚。
結婚・子育て:
結婚後もキャリアを追求し、弁護士資格を取得。
双子の子供を育てながら、法曹界で活躍。
政界入り:
1959年、保守党から立候補し、下院議員に当選。
1970年代に入り、教育大臣、財務大臣などの閣僚職を歴任。
1975年、保守党党首に就任。
首相時代:
1979年、イギリス史上初の女性首相となる。
3期11年にわたって政権を担い、「鉄の女」と呼ばれる。
積極的な経済政策と規制緩和を推進し、フォークランド紛争にも勝利。
一方で、労働組合との対立や社会格差の拡大などの問題も抱える。
晩年:
1990年、保守党党首を辞任し、首相を退任。
その後も政界に影響力を残し、2003年に叙爵。
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マーガレット・サッチャーが英国初の女性首相となるまでの道のり
マーガレット・サッチャー、”鉄の女”の異名で知られる彼女は、英国史上初の女性首相として、男社会の政界を駆け上がり、激動の時代を力強く舵取りました。しかし、その栄光の裏側には、想像を絶する困難と苦難があったのです。
労働者階級の少女から政治家へ
1925年、ロンドンの靴屋一家に生まれたサッチャーは、幼い頃から強い意志と知性を持ち合わせ、勉学に励みました。オックスフォード大学で化学を専攻し卒業後、弁護士資格を取得。その後、実業家デニス・サッチャーと結婚し、二児をもうけます。
しかし、サッチャーの情熱は家庭にとどまらず、政治の世界へと向かいました。1959年、保守党員として選挙区から下院議員に初当選。当時、女性議員は全体の5%にも満たない時代でした。
男社会を生き抜くための戦い
議会という男性優位の世界で、サッチャーは想像を絶する差別と偏見に直面しました。服装や髪型、話し方まで批判され、昇進の機会も阻まれました。しかし、彼女は決して屈せず、持ち前の強靭な意志と論理的な思考力で、周囲を圧倒していきます。
閣僚入りを果たした後も、サッチャーの試練は続きました。教育大臣時代には、学校給食費削減政策をめぐって激しい反発を受け、”ミルク泥棒”のレッテルを貼られることもありました。
保守党党首となり、首相の座へ
1975年、サッチャーは保守党党首選挙に出馬。見事勝利を収め、女性として初めて主要政党の党首となりました。当時、英国経済は深刻な不況に陥っており、国民は強いリーダーシップを求めていました。
1979年、保守党は総選挙で勝利し、サッチャーはついに念願の首相の座を手に入れます。しかし、栄光の裏側には、想像を絶する苦難が待ち受けていました。
鉄の女の改革と国民との対立
サッチャー政権は、徹底した民営化、規制緩和、財政支出削減などの政策を実行しました。これらの政策は「サッチャリズム」と呼ばれ、賛否両論を巻き起こしました。
サッチャーは、“鉄の女”の名の通り、強硬なリーダーシップで改革を推し進めました。しかし、その強引な姿勢は、労働組合や一般市民からの激しい反発を招き、度重なるストライキやデモを引き起こしました。
フォークランド紛争と国際舞台での活躍
1982年、アルゼンチンが英国領フォークランド諸島に侵攻し、フォークランド紛争が勃発しました。サッチャー首相は強硬な姿勢で臨み、英国軍を派遣してアルゼンチンを撃退。この勝利は、サッチャー政権の支持率を大きく高めました。
サッチャー首相は冷戦においても重要な役割を果たしました。米国大統領ロナルド・レーガンと緊密な関係を築き、ソビエト連邦に対抗しました。
栄光と影:歴史に残る首相
1990年、サッチャー首相は党内対立のため辞任しました。在任期間11年208日は、英国史上最長の首相執務期間です。
サッチャーは賛否両論の多い人物でしたが、英国史上最も重要な首相の一人であることは間違いありません。彼女は英国経済を立て直し、国際舞台における英国の影響力を高めました。しかし、その強引な政策は社会の分断を深め、多くの傷跡を残しました。
サッチャーが残した功績と影響
経済改革:サッチャーは、民営化、規制緩和、財政支出削減などの政策を実行し、英国経済を立て直しました。
国際的地位向上:サッチャーは、米国との同盟関係を強化し、国際舞台における英国の影響力を高めました。
女性リーダーのロールモデル:サッチャーは、世界中の女性にとってロールモデルとなりました。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(254)南アフリカ初の黒人大統領ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)の名言 The greatest glory in living lies not in never falling, but in rising every time we fall.(七転び八起き)
https://www.eionken.co.jp/note/nelson-mandela-2/
心に響く英語ことわざ(256)米国大統領だったセオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)の名言 Do what you can, with what you have, where you are.(持ち前の力を発揮する)
https://www.eionken.co.jp/note/theodore-roosevelt-2/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
Amazon.co.jp: 山下長幸: 本、バイオグラフィー、最新アップデート