- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

フランスの数学者パスカルの名言(262)Man is but a reed, the most feeble thing in nature, but he is a thinking reed.(人間は考える葦)
”Man is but a reed, the most feeble thing in nature, but he is a thinking reed.”
直訳は「人間は葦にすぎず、自然界で最も弱いものだが、考える葦だ」で、似た意味の日本のことわざに「人間は考える葦」があります。
パスカルの名言”Man is but a reed, the most feeble thing in nature, but he is a thinking reed.”の意味
この名言は、フランスの数学者・哲学者であるブレーズ・パスカル(Blaise Pascal)が残した言葉で、人間の存在の儚さと、同時にその尊厳を表現した言葉として有名です。
人間は葦である
パスカルは、人間を「葦」に例えています。葦は、水辺に生える草本で、茎は細く、風で簡単に折れてしまいます。
これは、人間が肉体的には非常に弱い存在であることを表しています。
私たちは、病気や怪我、老化などによって、簡単に命を落とす可能性があります。
しかし、考える葦である
一方で、パスカルは人間を「考える葦」であるとも述べています。
これは、人間には理性という能力があり、物事を論理的に考え、判断することができるということを意味しています。
この能力は、他の動物にはないものであり、人間を他の存在から区別する重要な特徴です。
弱さと尊厳
人間は、肉体的には弱い存在ですが、考える能力を持っているという点で、同時に尊厳のある存在であるとパスカルは主張しています。
たとえ肉体が弱くても、理性によって世界を理解し、自分自身の生き方を選択することができます。
このことは、人間に大きな可能性を与えてくれます。
名言の背景
パスカルはこの名言を、自身の著書である『パンセ』の中で記しました。
『パンセ』は、パスカルが晩年に書き残した断章集であり、彼の哲学的考察や宗教的な思索が記されています。
この名言は、『パンセ』の中でも特に有名な言葉であり、人間の存在について深く考えさせてくれます。
現代社会への示唆
パスカルの名言は、現代社会においてもなお、多くの示唆を与えてくれます。
私たちは、科学技術の発展によって、物質的な豊かさを手に入れました。
しかし、一方で、人間関係の希薄化や、環境問題など、様々な課題に直面しています。
このような時代において、パスカルの名言は、私たちに人間の弱さを自覚し、同時に理性によってより良い未来を築いていくことの重要性を教えてくれます。
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“reed”と”feeble”の意味、発音、用例
“reed”
意味
名詞:
葦 (いとう) 、ヨシ、(楽器の) リード、(釣り竿の) 穂先
発音
[ˈriːd] (IPA表記)
語源
The riverbank was lined with reeds. (川岸は葦で覆われていた。)
She was a frail reed in the storm of life. (彼女は人生の嵐の中で弱い葦だった。)
reed は、楽器のリードや釣り竿の穂先など、細長い形状のものにしばしば用いられます。
reed は、弱い人や頼りない人を比喩的に表すこともあります。
“feeble”
意味
形容詞:
体力が弱い、弱い
精神力が弱い、弱い
声音が弱い、弱い
光が弱い、弱い
主張が弱い、弱い
発音
[ˈfiːbəl] (IPA表記)
用例
The old man was feeble and frail. (老人は弱々しく、体力が弱かった。)
The economy was in a feeble state. (経済は弱体化していた。)
feeble は、主に人や物に対して使用されます。
feeble は、weak と似ていますが、feeble の方がより弱い程度を表します。
feeble は、否定的な意味合いを持つことが多いです。
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似た意味の英語のことわざ
“Great oaks from little acorns grow.”
日本語訳: 小さなドングリから大きなオークの木が育つ。
意味: 小さな始まりでも、努力と忍耐によって大きな成果を成し遂げることができる。
解説: このことわざは、人間の可能性は無限であり、小さな努力でも大きな成果を成し遂げることができることを表しています。
パスカルの名言と同様に、人間は肉体的には弱い存在ですが、考える能力によって大きなことを成し遂げることができることを示唆しています。
どんな小さな努力でも、諦めずに続けることが大切です。
“Where there’s a will, there’s a way.”
日本語訳: 意志があれば道は開ける。
意味: 強い意志があれば、どんな困難でも乗り越えることができる。
解説: このことわざは、目標を達成するためには、強い意志と決意が必要であることを表しています。
パスカルの名言と同様に、人間は考える能力によって困難を克服することができると示唆しています。
困難に直面しても、諦めずに挑戦し続けることが大切です。
“Nothing is impossible to the willing mind.”
日本語訳: 意志のある者には何も不可能ではない。
意味: 強い意志があれば、どんな目標も達成できる。
解説: このことわざは、人間の可能性は無限であり、強い意志があればどんな目標も達成できることを表しています。
パスカルの名言と同様に、人間は考える能力によって不可能を可能にすることができると示唆しています。
自分を信じて、努力し続けることが大切です。
“It takes a strong man to stand alone.”
日本語訳: 一人立ちするには強い精神が必要である。
意味: 周囲の意見に流されずに、自分の信念を貫き通すことは難しい。
解説: このことわざは、真の強さとは、周囲の意見に流されずに自分の信念を貫き通すことであることを表しています。
パスカルの名言と同様に、人間は考える能力によって自分の信念を確立することができると示唆しています。
周囲の意見に流されずに、自分の道を歩むことが大切です。
“The battle is not always to the strong, but to the one who endures.”
日本語訳: 勝利は必ずしも強い者に与えられるのではなく、最後まで耐え抜く者に与えられる。
意味: どんな困難にも負けずに、最後まで努力し続けることが大切である。
解説: このことわざは、真の勝利とは、一時的な強さではなく、最後まで耐え抜く精神力であることを表しています。
パスカルの名言と同様に、人間は考える能力によって困難に立ち向かうことができると示唆しています。
困難に直面しても、諦めずに挑戦し続けることが大切です。
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似た意味の日本語のことわざ
「人間は草の上の露」
意味: 人間は儚く、すぐに消えてしまう存在である。
解説: このことわざは、人間の命は短く、いつ何が起こるかわからないという無常観を表しています。
パスカルの名言と同様に、人間は肉体的には弱い存在であり、いつ死を迎えるかわからないということを示唆しています。
だからこそ、限られた人生を大切に生きることが大切です。
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パスカルの生い立ち
幼少期
ブレーズ・パスカルは、1623年6月19日、フランスの中央部にあるクレルモン=フェランで生まれました。
父親のエティエンヌ・パスカルは、王の税務官として働いていました。
母親のアントワネット・ベゴンは、貴族の出身でした。
パスカルは幼い頃から非常に知性が高く、3歳の頃にはアルファベットを読めるようになっていたと言われています。
父親はパスカルの教育に熱心で、自ら家庭教師を務めました。
パスカルは、数学、物理学、哲学、神学など、様々な科目を学びました。
12歳の頃には、コニウス円錐曲線の定理を証明するなど、数学的な才能を発揮しました。
青年期
1639年、パスカル一家はパリに移住しました。
パリでは、パスカルは当時の著名な学者や哲学者たちと交流しました。
特に、数学者・哲学者であるピエール・ド・フェルマーとの交流は、パスカルの後の研究に大きな影響を与えました。
1642年、パスカルは計算機を発明しました。
この計算機は、当時としては画期的なものであり、加算、減算、乗算、除算などの基本的な計算を自動的に行うことができました。
パスカルの計算機は、商業や科学など、様々な分野で広く利用されました。
晩年
1646年、パスカルの父親が亡くなりました。
父親の死後、パスカルは神秘主義的な宗教体験をしました。
この体験をきっかけに、パスカルは神学の研究に傾倒するようになりました。
1654年、パスカルは『パンセ』と呼ばれる著作を発表しました。
『パンセ』は、パスカルの哲学的考察や宗教的な思索が記された断章集であり、彼の代表作として知られています。
パスカルの功績
パスカルは、数学者、物理学者、哲学者、神学者など、様々な分野で活躍した天才です。
数学では、確率論、幾何学、解析学などの分野で重要な業績を残しました。
物理学では、流体静力学、真空の実験などに関する研究を行いました。
哲学では、人間存在の意味、宗教の重要性などについて考察しました。
神学では、キリスト教の信仰について深く掘り下げました。
パスカルの思想は、後の哲学者や思想家に大きな影響を与え、現代社会においてもなお、多くの人々に読み継がれています。
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パスカルの定理
パスカルの定理とは、円に内接する六角形において、対辺の延長線が交わる3点が一直線上に並ぶという定理です。
この定理は、フランスの数学者・哲学者であるブレーズ・パスカルによって発見されました。
パスカルの定理は、幾何学における重要な定理の一つであり、様々な応用例があります。
例えば、建築やデザインにおいて、対称性のある構造を作るために利用されたり、コンピューターグラフィックスにおいて、三次元図形を描くために利用されたりします。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(261)古代ギリシャ哲学者プラトンの名言 The first and best victory is to conquer self.(自分自身に打ち勝つ)
https://www.eionken.co.jp/note/plato/
心に響く英語ことわざ(263)ドイツの哲学者カントの名言 To be is to do.(存在することは行うこと)
https://www.eionken.co.jp/note/immanuel-kant-2/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
Amazon.co.jp: 山下長幸: 本、バイオグラフィー、最新アップデート