- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(265)デンマークの思想家キルケゴールの名言 Life can only be understood backwards; but it must be lived forwards.(七転八起)
” Life can only be understood backwards; but it must be lived forwards.”
直訳は「人生は後ろ方向でしか理解できません。 しかし、それは前方向に生きなければなりません」で、似た意味の日本のことわざに「七転八起」があります。
キルケゴールの名言”Life can only be understood backwards; but it must be lived forwards.”の意味
キルケゴール(Soren Aabye Kierkegaard)のこの言葉には、人生の本質を深く洞察したキルケゴールの哲学が込められています。
後ろ方向に理解する
私たちは、日々様々な経験をします。喜び、悲しみ、成功、失敗など、様々な出来事が人生を彩ります。しかし、その出来事の意味や価値を、その瞬間に完全に理解することはできません。
なぜなら、私たちは限られた視点しか持っておらず、物事全体を見渡すことができないからです。過去の経験を振り返り、現在と照らし合わせることで、ようやくその出来事の意味を理解することができます。
前方向に生きる
しかし、人生は後ろ方向にしか理解できないとしても、前方向に生きなければなりません。過去の経験に囚われ、後悔したり、不安を抱えたりしていると、前に進むことができなくなります。
未来は不確定であり、何が起こるかわかりません。だからこそ、今この瞬間を大切に生き、自分の信念に基づいて行動することが重要なのです。
有限性と信仰
キルケゴールは、人間は有限な存在であり、死という避けられない運命に直面していると考えました。だからこそ、有限な人生を最大限に生き、真の自分を見つけることが大切だと訴えたのです。
そして、真の自分を見つけるためには、信仰が必要であると説きました。信仰は、有限な人間が抱える不安や絶望を克服し、真の自由と幸福へと導いてくれるものだと考えたのです。
現代社会への示唆
キルケゴールの言葉は、現代社会にも多くの示唆を与えてくれます。私たちは、情報過多の時代を生きており、常に未来への不安に駆られています。
しかし、キルケゴールの言葉は、過去と現在を繋ぎ合わせ、未来への希望を見出すことの重要性を教えてくれます。今この瞬間を大切に生き、自分の信念に基づいて行動することで、真の充実した人生を送ることができるのです。
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似た意味の英語のことわざ
You can’t know where you’re going if you don’t know where you’ve been.
(どこへ行くのか分からないなら、どこから来たのか分からない)
このことわざは、目標を設定するためには、まず過去を振り返ることが重要であることを意味しています。過去の経験から学び、自分の強みや弱みを理解することで、より効果的な目標設定が可能になります。
Hindsight is always 20/20.
(後知恵は役に立たない)
このことわざは、過去の出来事を振り返ると、その意味や価値をより深く理解できることを意味しています。しかし、過去の出来事を変えることはできないことも忘れてはいけません。
(20/20: これは視力の尺度であり、視覚の鮮明さを表します。 20/20 視力は正常な視力とみなされ、20 フィート離れたところから標準サイズの視力表が見えることを意味します。)
The past is a prologue to the future.
(過去は未来への序章である)
このことわざは、過去は未来への基盤となることを意味しています。過去の経験を活かし、未来に向かって歩んでいくことが大切です。
We learn by doing.
(やってみなければ分からない)
このことわざは、経験こそが最高の教師であることを意味しています。机上で学んだ知識よりも、実際に行動することで得られる経験の方が、より深く学ぶことができます。
Life is a journey, not a destination.
(人生は旅であり、目的地ではない)
このことわざは、人生はゴールではなく旅路であることを意味しています。目的地にたどり着くことよりも、旅の過程を楽しむことが大切です。
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似た意味の日本語のことわざ
後の祭り
このことわざは、過ぎ去ったことを悔やんでも仕方がないという意味です。過去の出来事を変えることはできないので、前向きに未来に向かって進んでいくことが大切です。
覆水盆に返らず
このことわざは、一度したことを取り消すことはできないという意味です。過去の過ちから学び、二度と繰り返さないようにすることが大切です。
後悔先に立たず
このことわざは、行動する前にしっかりと考えることが大切という意味です。行動してから後悔するよりも、事前に計画を立てて行動することが重要です。
一期一会
このことわざは、出会いは一度きりであることを意味しています。出会いを大切に、その瞬間を最大限に生きることが大切です。
七転八起
このことわざは、何度倒れても立ち上がることができるという意味です。困難に直面しても、諦めずに努力し続けることが大切です。
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セーレン・キェルケゴールの生い立ち
セーレン・キェルケゴールは、19世紀デンマークの哲学者・思想家であり、実存主義の父と称される人物です。彼の思想は、現代哲学、神学、文学など様々な分野に大きな影響を与えました。
幼少期
1813年5月5日、デンマークのコペンハーゲンで裕福な商人の家庭に7番目の末っ子として生まれる。
父親は厳格な敬虔なプロテスタント信者で、幼いキェルケゴールに厳しい宗教教育を施す。
1830年、コペンハーゲン大学に入学し、神学、哲学、法学を学ぶ。
大学在学中に、父親が死去。この出来事がキェルケゴールの人生に大きな影響を与える。
青年期
1841年、神学修士号を取得。その後、牧師になることを目指して神学の研究を続ける。
1843年、レギーネ・オルセンという女性と婚約するが、婚約を解消。この破局はキェルケゴールに大きな精神的苦痛を与える。
1843年~1846年にかけて、匿名で『死に至る病』、『あれか、これか』、『不安の概念』などの主要な著作を次々と発表。
これらの著作で、キェルケゴールは伝統的なキリスト教神学に批判を向け、個人の主体的選択の重要性を訴える。
晩年
1846年以降は、自身の新聞『瞬間』を通して社会風刺や宗教批判を行う。
キルケゴール思想の特徴
キルケゴールの思想は、実存主義と呼ばれる哲学潮流の源流となった。
実存主義は、人間の主体的存在と自由を強調する哲学である。
キェルケゴールは、人間は神の前に個別の存在として立ち、自身の生き方を選択する責任を負っていると考えた。
また、キェルケゴールは、不安や絶望といった人間の負の感情を、真の生きがいを見つけるための重要な手がかりであると捉えた。
キルケゴールの影響
キェルケゴールの思想は、20世紀以降の哲学者や思想家に大きな影響を与えた。
特に、ジャン=ポール・サルトル、アルベール・カミュ、ガブリエル・マルセルなどの実存主義哲学者に大きな影響を与えた。
また、キェルケゴールの思想は、文学や心理学にも大きな影響を与えている。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(264)フランスの思想家サルトルの名言 A lost battle is a battle one thinks one has lost.(諦めなければ、道は開ける)
https://www.eionken.co.jp/note/jean-paul-sartre-2/
心に響く英語ことわざ(266)進化論で有名なダーウィンの名言 It is the one that is most adaptable to change.(適者生存)
https://www.eionken.co.jp/note/charles-robert-darwin/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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