- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.04

心に響く英語ことわざ(275)米国鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの名言 No man becomes rich unless he enriches others.(施しあれば福来たる)
” No man becomes rich unless he enriches others.”
直訳は「他人を豊かにしない限り、人は豊かになれない」で、似た意味の日本のことわざに「施しあれば福来たる」があります。
アンドリュー・カーネギー(Andrew Carnegie)の名言”No man becomes rich unless he enriches others.”の意味
この名言は、単なる金銭的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさも含めた広い意味で解釈することができます。
互助精神と繁栄の連鎖
カーネギーは、自身が築いた鉄鋼事業の成功を、協力者や従業員との互助精神によるものと考えていました。彼は、「富は社会から得たものであり、社会に還元すべきである」という理念に基づき、巨額の富を慈善事業や教育機関への寄付に注ぎました。
この名言は、「自分が豊かになるためには、周りの人も豊かにしてあげなければならない」という、互助精神の重要性を説いています。企業であれば、従業員の福利厚生充実や地域貢献活動を通じて、社員や地域社会の繁栄に貢献することで、自社の発展にも繋げることができます。個人にとっても、ボランティア活動や周囲の人への親切な行為を通じて、社会に貢献することは、自身の精神的な豊かさにも繋がります。
真の豊かさとは何か
カーネギーは、「真の豊かさとは、物質的な富を持つことではなく、他人の役に立つこと」だと考えていました。
物質的な富は失われる可能性がありますが、他の人を助け、社会に貢献することで得られる精神的な豊かさは、永遠に失われることはありません。
この名言は、「真の豊かさを追求するためには、物質的な欲求だけでなく、精神的な成長も大切にする必要がある」というメッセージを伝えています。
現代社会への示唆
現代社会においても、カーネギーの言葉は普遍的な真理として響きます。
格差拡大や社会問題が深刻化する中で、企業や個人が利益のみを追求するのではなく、社会全体の持続的な発展に貢献することが求められています。
この名言は、私たち一人ひとりが、「自分が豊かになるためには、周りの人も豊かにしてあげなければならない」という意識を持って行動することの大切さを示唆しています。
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似た意味の英語のことわざ
“A rising tide lifts all boats.”
「満ち潮はすべての船を持ち上げる」
このことわざは、社会全体の繁栄は、個人の繁栄にも繋がるという意味です。カーネギーの名言と同様に、互助精神の重要性を強調しています。
“If you want to be happy, make others happy.”
「自分が幸せになりたければ、他人を幸せにしてあげなさい」
このことわざは、真の幸福は、自分自身のために行動することではなく、他人のために尽くすことから生まれるという意味です。カーネギーの名言が示唆する「真の豊かさ」に通じる考え方です。
“No one is an island.”
「人は島ではない」
このことわざは、人間は互いに繋がっているという意味です。カーネギーの名言が強調する、社会全体への貢献の重要性を別の角度から言い表しています。
“Together we achieve more.”
「力を合わせれば、より多くのことを成し遂げられる」
このことわざは、協調性とチームワークの大切さを強調しています。カーネギー自身が、協力者や従業員との互助精神によって成功を収めたことを考えると、このことわざは彼の理念を非常によく表していると言えるでしょう。
上記のことわざ以外にも、
“Out of abundance, charity.”
(「富の余る者は施しをする」)
“The more you give, the more you get.”
(「与えれば与えられる」)
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似た意味の日本語のことわざ
施しあれば福来たる
意味: 困っている人に施しを与えれば、自分にも良いことが起こるという意味です。
解釈: このことわざは、「自分が豊かになるためには、周りの人も豊かにしてあげなければならない」というカーネギーの名言の精神を、より具体的な行動として表現しています。
己を尽くせば人尽くす
意味: 自分が精一杯努力すれば、周りの人もそれに感化されて努力するようになるという意味です。
解釈: このことわざは、リーダーシップの重要性を示唆しています。 自分が模範となることで、周りの人を巻き込み、より良い方向へ導いていくことができるという意味です。
上記のことわざ以外にも、
「分け前を与えるものは富む」
「施す者は福を受ける」
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アンドリュー・カーネギーの生い立ち
幼少期:貧しい織工の息子
アンドリュー・カーネギーは、1835年11月25日、スコットランドのダンファームリンで、手織り職人の長男として生まれました。幼い頃から家計を助けるために働き、十分な教育を受けることはできませんでした。1848年、13歳の時に一家はアメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグに移住しました。
アメリカでの苦難と飛躍
アメリカでの生活は決して楽ではありませんでした。カーネギーは様々な職種で働き、貧困の中で苦労しました。しかし、彼は勤勉で向上心があり、夜学に通って勉強を続けました。
1850年代、カーネギーは鉄道会社で働き始め、そこで鉄道技術と経営について学びました。その後、鉄鋼産業に関心を持ち、投資を始めます。1865年には、キーストン鉄橋会社を設立し、鉄道橋の建設に成功しました。
鉄鋼王への道
カーネギーは、その後も積極的に製鉄事業に投資し、多くの製鉄所を設立しました。彼は、最新技術を積極的に導入し、生産性を向上させることで、事業を拡大しました。
1870年代には、カーネギーはアメリカ最大の製鉄会社であるカーネギー製鉄会社を設立し、「鉄鋼王」と呼ばれるようになりました。
慈善活動と晩年
カーネギーは、巨額の富を築いた後も、その富を社会に還元することに力を注ぎました。彼は、教育機関や図書館、美術館などの建設に多額の寄付を行い、慈善家としても名声を得ました。
1901年には、カーネギー製鉄会社をJ・P・モルガンに売却し、引退しました。引退後は、慈善活動に専念しました。
カーネギーの功績と影響
カーネギーは、アメリカ鉄鋼産業の発展に大きく貢献した人物です。また、教育や文化の発展にも貢献し、多くの人々に尊敬されています。
彼の「富は社会から得たものであり、社会に還元すべきである」という理念は、現代でも多くの慈善家や社会起業家によって受け継がれています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(274)Microsoft創業者ビル・ゲイツの名言 Life is not fair; get used to it.(人生は公平なものでは無い)
https://www.eionken.co.jp/note/william-henry-gates-iii-2/
心に響く英語ことわざ(276)米国プロバスケットボールのスーパースターのマイケル・ジョーダンの名言 Step by step. I can’t see any other way of accomplishing anything.(継続は力なり)
https://www.eionken.co.jp/note/michael-jeffrey-jordan-2/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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