- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(330)ドイツの哲学者ニーチェの名言 The search for truth begins with the doubt of all ‘truths’ in which one has previously believed.(疑うは学問の始めなり)
“The search for truth begins with the doubt of all ‘truths’ in which one has previously believed.”
直訳は「真理探求は、これまで信じてきたすべての『真理』への懐疑から始まる」で、似た日本語のことわざに「疑うは学問の始めなり」があります。
ニーチェの名言”The search for truth begins with the doubt of all ‘truths’ in which one has previously believed.”の意味
ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)のこの名言は、真理にたどり着くためには、既存の知識や価値観を疑い、批判的に考えることが重要であることを強調しています。私たちは、幼い頃から学校や家庭で様々な知識や価値観を教えられます。しかし、それらのすべてが真実であるとは限りません。中には、誤りや偏見に基づいているものもあるでしょう。
真理探求のためには、まずこれらの既存の知識や価値観を疑い、批判的に考えることが必要です。そうすることで、真偽を判断し、より真実に近いものを導き出すことができるのです。
ニーチェは、この名言を通して、私たちに以下のようなことを訴えていると考えられます。
固定観念や思い込みにとらわれず、常に批判的に考える姿勢を持つこと
既存の知識や価値観を疑い、真偽を判断すること
真理探求は、困難な作業であり、常に新しい視点が必要であること
この名言は、哲学や学問だけでなく、人生全般においても重要な教訓であると言えるでしょう。私たちは、常に新しい知識や情報を受け入れ、自分の考えを更新していくことが大切です。そうすることで、より豊かな人生を送ることができるでしょう。
以下、この名言に関するいくつかの考察を紹介します。
真理探求は、終わりなき旅である
真理とは何かという問題は、古来より哲学者が議論してきたテーマです。しかし、未だに明確な答えは出ていません。真理探求は、終わりなき旅であり、常に新しい発見を求めていく必要があります。
真理は、人によって異なる
真理は、普遍的なものであり、すべての人にとって同じであると考えられています。しかし、ニーチェは、真理は人によって異なるという考え方を提示しています。人はそれぞれ異なる経験や価値観を持っているため、真理に対する受け止め方も異なるということです。
真理は、常に変化していく
真理は、絶対的なものであり、永遠に変わらないと考えられています。しかし、ニーチェは、真理は常に変化していくという考え方を提示しています。新しい知識や情報が発見されるにつれて、真理に対する理解も変化していくということです。
ニーチェの名言は、真理探求の重要性を示唆する一方で、真理の性質について様々な疑問を投げかけています。この名言について考えることは、私たち自身の思考を深め、真理に近づくためのヒントを与えてくれるでしょう。
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似た意味の英語のことわざ
Question everything.
(すべてに疑問を投げかける)
このことわざは、物事を当然と受け止めるのではなく、常に疑問を持つことの重要性を強調しています。私たちは、幼い頃から様々な知識や価値観を教えられます。しかし、それらのすべてが真実であるとは限りません。中には、誤りや偏見に基づいているものもあるでしょう。真理探求のためには、まずこれらの既存の知識や価値観を疑い、批判的に考えることが必要です。
Believe nothing blindly.
(何も盲目的に信じない)
このことわざは、権威や伝統を盲目的に信じないことの重要性を強調しています。権威者や伝統的な考え方が必ずしも正しいとは限りません。むしろ、誤っている場合もあるでしょう。真理探求ためには、自分の頭で考え、物事を客観的に判断することが大切です。
Don’t take anything at face value.
(物事をそのまま鵜呑みにしない)
このことわざは、物事の表面だけを見て判断しないことの重要性を強調しています。物事には、常に裏側があります。真理探求ためには、物事の表面だけでなく、裏側にある真実を探求することが大切です。
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似た意味の日本語のことわざ
疑うは学問の始めなり
このことわざは、物事を深く理解するためには、まず疑問を持つことが大切であることを意味しています。何かを学ぼうとするとき、私たちはまずそのことを鵜呑みにしがちです。しかし、真理探求ためには、既存の知識や価値観を疑い、批判的に考えることが必要です。そうすることで、真偽を判断し、より真実に近いものを導き出すことができるのです。
百の聞より一見
このことわざは、実際に自分の目で確かめることが大切であることを意味しています。私たちは、人から聞いた話や書物などで得た情報に基づいて物事を判断することが多いです。しかし、そのような情報は必ずしも真実であるとは限りません。真理探求ためには、実際に自分の目で確かめ、自分の頭で考えることが大切です。
目は心の窓
このことわざは、物事をよく観察することが大切であることを意味しています。私たちは、五感を通して情報を得ています。しかし、その中でも視覚は最も重要な情報源の一つです。真理探求ためには、物事をよく観察し、その中から真実を見出すことが大切です。
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フリードリヒ・ニーチェの生い立ち
幼少期
1844年10月15日、プロイセン王国ザクセン州のレーッケン村で、プロテスタントの牧師カール・ルートヴィヒ・ニーチェと、その妻フランツィスカの間に誕生。
5歳の時に父が脳溢血で倒れ、35歳で死去。
その後、母と妹のエリザベートと共にナウムブルクへ移住し、祖母2人と暮らす。
ニーチェは幼い頃から非常に繊細で感受性豊かな子供だった。また、非凡な記憶力と知性を持っていた。
1858年、ナウムブルクのギムナジウムに入学。そこで、優れた語学力と音楽の才能を発揮する。
青年期
1864年、ボン大学に進学し、神学と古典文献学を専攻する。
しかし、大学在学中に神の存在を信じられなくなり、神学を断念。
その後、バーゼル大学に移籍し、古典文献学の研究に専念する。
1869年、バーゼル大学で最年少で教授に就任。
1870年、普仏戦争に従軍するが、病気のためすぐに帰国。
壮年期
1879年、頭痛や視力障害などの健康問題のため、大学を辞職。
その後、各地を転々とし、著述活動に専念する。
代表的な著作に、「ツァラトゥストラはこう語った」、「善悪の彼岸」、「悦ばしき知識」などがある。
ニーチェの思想は、神の存在を否定し、人間の自由と責任を強調する。また、伝統的な道徳や価値観を批判し、新たな価値観の創造を訴えた。
ニーチェの思想は、20世紀以降、様々な思想家に大きな影響を与えてきた。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(329)古代ギリシャの哲学者ソクラテスの名言 Think not those faithful who praise all your words and actions; but those who kindly reprove your faults.(忠言は耳に逆らうもの)
https://www.eionken.co.jp/note/socrates-3/
心に響く英語ことわざ(331)儒教の始祖の孔子の名言 It does not matter how slowly you go so long as you do not stop.(亀の歩みでも千里)
https://www.eionken.co.jp/note/confucius-3/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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