- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(336)ドイツの哲学者カントの名言 Beneficence is a duty.(情けは人のためならず)
“Beneficence is a duty.”
直訳は「利他は義務である」で、似た日本語のことわざに「情けは人のためならず」があります。
“beneficence”は「善行、恩恵、慈善、施し物」などを意味し、発音は“binéfisəns”、音節は“be・nef・i・cence”です。
カントの名言”Beneficence is a duty. ”の意味
このカント(Immanuel Kant)のこの名言は、カントの倫理学における重要な概念である「義務論」に基づいています。
義務論とは、行動の善悪を、その行動が普遍的に妥当する道徳法則に従っているかどうかによって判断する倫理学説です。カントは、人間は理性的な存在であり、普遍的な道徳法則に従う義務を持っていると考えました。
「Beneficence is a duty.」という名言は、この普遍的な道徳法則の一つである「利他」を表現しています。利他とは、他人の幸福を促進することです。カントは、人間は他人に危害を加えてはいけないだけでなく、他人の幸福を促進する義務も持っていると考えました。
この名言は、以下のような意味合いを持つと解釈できます。
私たちは、他人の幸福を促進するために積極的に行動すべきである。
困っている人を助けたり、社会に貢献したりすることは、道徳的な義務である。
自分自身の利益だけを追求するのではなく、他人のことも考えて行動すべきである。
カントは、利他は義務であるという考えを、いくつかの論点に基づいて主張しました。
人間は理性的な存在であり、普遍的な道徳法則に従う能力を持っている。
人間は、他者と共感し、他者の苦しみを理解することができる。
人間は、自分の行動が他者にどのような影響を与えるかについて考えることができる。
カントの利他に関する考えは、現代社会においても依然として重要であると考えられています。私たちは、個人の利益だけを追求するのではなく、他人のことも考えて行動することが求められています。
カントの利他に関する考えを理解するには、彼の義務論という倫理学説を理解することが重要です。義務論は、行動の善悪を、その行動が普遍的に妥当する道徳法則に従っているかどうかによって判断する倫理学説です。カントは、人間は理性的な存在であり、普遍的な道徳法則に従う義務を持っていると考えました。
カントの利他に関する考えは、現代社会においても依然として重要であると考えられています。私たちは、個人の利益だけを追求するのではなく、他人のことも考えて行動することが求められています。
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似た意味の英語のことわざ
Do good unto others.
(他人に善行を施せ)
Charity begins at home.
(慈善は家庭から始まる)
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似た意味の日本語のことわざ
「善は必ず回る」
善行は必ず自分自身に返ってくるという意味です。これは、利他的な行動をすることで、最終的には自分自身も幸せになることができるということを意味しています。
「施せば回ってくる」
困っている人を助けたり、他人に親切にしたりすることで、自分自身も助けられるということを意味しています。
「他人のために尽くせば、自分も幸せになる」
ということわざは、他人を助けることで自分自身も幸せになることができるということを意味しています。これは、利他的な行動をすることで、自己肯定感や充実感を得ることができるということを意味しています。
「情けは人のためならず」
人に親切にすることは、最終的には自分自身のためになるという意味です。これは、利他的な行動をすることで、自分自身も幸せになることができるということを意味しています。
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イマヌエル・カントの生い立ち
幼少期
1724年4月22日、プロイセン王国東プロイセン州ケーニヒスベルク(現・ロシア領カリーニングラード)に生まれる。
父は勤勉実直な馬具職人で、母は敬虔なルター派の信徒だった。
9歳の時に母を亡くし、13歳の時に父も亡くなる。
幼い頃から勉学に励み、16歳でケーニヒスベルク大学に入学する。
大学時代
当初は神学を専攻するつもりだったが、自然科学に興味を持ち始める。
特に、ニュートンやライプニッツの自然哲学に影響を受ける。
1746年、父の遺産を使い果たし、大学を中退する。
家庭教師・私講師時代
大学中退後、家庭教師や私講師として生計を立てる。
この時期に、様々な哲学書を読み、自身の哲学的思想を形成していく。
1755年、ケーニヒスベルク大学に論文を提出し、博士号を取得する。
教授時代
1770年、ケーニヒスベルク大学の教授に就任する。
倫理学、形而上学、自然哲学など、幅広い科目を講義する。
1781年、『純粋理性批判』を出版し、一躍有名になる。
その後、『実践理性批判』、『判断力批判』など、主要な著作を次々と発表する。
カントは、生涯を通してケーニヒスベルクを離れることなく暮らしたため、「ケーニヒスベルクの哲学者」と呼ばれています。彼の思想は、現代社会においてもなお、多くの示唆を与えてくれます。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(335)フランスの物理学者パスカルの名言 Kind words do not cost much. Yet they accomplish much.(思いやりは世界を変える)
https://www.eionken.co.jp/note/blaise-pascal-3/
心に響く英語ことわざ(337)三権分立を提唱したフランスの政治思想家モンテスキューの名言 It is always the adventurous who accomplish great things.(虎穴に入らずんば虎子を得ず)
https://www.eionken.co.jp/note/montesquieu/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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