- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(354)「人を動かす」の著書で有名なデール・カーネギーの名言 We are dealing with creatures of emotion, creatures bustling with prejudices and motivated by pride and vanity.(人は感情の生き物)
“When dealing with people, let us remember we are not dealing with creatures of logic. We are dealing with creatures of emotion, creatures bustling with prejudices and motivated by pride and vanity.”
直訳は「人と接する際には、私たちは論理的な生き物と接しているわけではないことを覚えるべきである。私たちは感情の生き物、偏見に満ちた生き物、プライドと虚栄心によって動かされる生き物と接しているのである」です。
デール・カーネギーによる名言”When dealing with people, let us remember we are not dealing with creatures of logic. We are dealing with creatures of emotion, creatures bustling with prejudices and motivated by pride and vanity.”の意味
デール・カーネギー(Dale Breckenridge Carnegie)のこの名言は、私たちが他人と接する際に見過ごされがちな、人間の本質的な側面を浮き彫りにしている。
私たちは、自分の意思決定や行動は理性や論理だけで動いていると信じたいかもしれないが、現実には、私たちの感情や偏見、自己中心的な動機が、私たちの行動を形成する上で重要な役割を果たしている。この根底にある真実を理解することは、効果的なコミュニケーション、対立の解決、有意義な人間関係の構築にとって極めて重要である。
「私たちは論理の生き物を相手にしているのではない」:
この言葉は、人間は理性的な生き物だけではないことを強調している。私たちの思考や行動は、たとえ意識していなくても、感情や情緒、主観的な経験に影響されることが多い。
「私たちは感情の生き物を相手にしている」:
感情は人間の行動の強力な原動力である。感情は私たちの行動を動機付け、判断を鈍らせ、意思決定に影響を与える。私たちの相互作用における感情の役割を理解し、認めることは、共感と信頼関係を築くために不可欠である。
「偏見に満ちた生き物」:
偏見とは、十分な情報や経験がないにもかかわらず、個人や集団に対して抱いてしまう先入観や偏見のことです。偏見は、不当な判断、差別、誤解を招きます。自分自身の偏見を認識し、異なる視点を受け入れることは、包括的で尊重し合える関係を育むために非常に重要である。
「プライドと虚栄心に突き動かされている」:
プライドと虚栄心は、私たちの行動を駆り立てる人間の自然な傾向です。時にはポジティブな動機になることもあるが、傲慢さや防衛心、変化への抵抗につながることもある。これらの動機を理解することで、対立を乗り越え、より強いつながりを築くことができる。
重要なポイント
・効果的なコミュニケーションと人間関係の構築には、人間の感情、偏見、動機を理解することが必要である。
・人間は理性的な存在だけではないことを認識することは、共感、オープンマインド、対立の解決に不可欠である。
・意思決定における感情の役割を理解することは、より効果的なコミュニケーションを図り、より強い人間関係を築くのに役立つ。
・自分自身の偏見を認め、異なる視点を受け入れることで、包括的で尊重し合える交流が育まれる。
・プライドや虚栄心の動機を理解することで、対立を乗り越え、より強いつながりを築くことができる。
デール・カーネギーの名言にあるこれらの洞察を受け入れることで、私たちは対人スキルを高め、より強い人間関係を築き、複雑な人間関係をより深い理解と共感をもって乗り切ることができる。
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似た意味の英語のことわざ
“You can lead a horse to water, but you can’t make it drink.”
「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない。」
このことわざは、論理と説得による人間の行動への影響の限界を強調しています。それは、情報を提示し、議論をしても、他人の考えや行動を変えることはできないことを示唆しています。最終的に、個々人は独自の動機を持っており、独自の選択をするでしょう。
“First impressions matter.”
「第一印象は重要です。」
このことわざは、感情と最初の印象が他人との交流を形作る際に果たす役割を強調しています。それは、私たちが他の人に対する判断や反応は、しばしば迅速に形成され、限られた情報に基づいており、感情や偏見の影響を受けることが多いことを示唆しています。
“Put yourself in their shoes.”
「彼らの立場に立って考えてみてください。」
このことわざは、他人との交流において共感と理解を促します。それは、他人の視点、経験、感情を考慮することで、たとえ同意できないとしても、彼らの動機や行動をよりよく理解できることを示唆しています。
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似た意味の日本語のことわざ
「腹は別」
このことわざは、論理的な思考と感情的な反応が必ずしも一致しないことを意味しています。人は、論理的に正しいと分かっていても、感情的に受け入れられないことがあります。そのような場合は、相手の感情に寄り添い、共感することが大切です。
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デール・カーネギーの生い立ち
貧しい農家の息子として生まれる
デール・カーネギーは、1888年11月24日、アメリカ合衆国ミズーリ州メリービルで、ジェームズ・ウィリアム・カーネギーとアマンダ・エリザベス・ハービソンの間に生まれました。父ジェームズは農場を経営していましたが、経済的に苦しい生活を送っていました。カーネギーは幼い頃から家計を手伝い、農作業や家事に励みました。
学業への情熱
カーネギーは幼い頃から学問に興味を持ち、勉学に励みました。14歳の時に高校に進学し、優秀な成績を収めました。特に、弁論術や演劇に才能を発揮し、将来は弁護士や俳優になることを夢見ていました。
苦学しながら大学へ
高校卒業後、カーネギーは大学進学を希望しましたが、経済的な理由から断念せざるを得ませんでした。そこで、彼は奨学金を得るために様々なアルバイトをしながら、夜間の大学に通いました。1908年、カーネギーはミズーリ州立教師大学を卒業し、教師としての資格を取得しました。
教師として働く
大学卒業後、カーネギーはミズーリ州の田舎町で教師として働きました。教師としての仕事は充実していましたが、カーネギーはもっと大きな舞台で活躍したいという気持ちを抱いていました。
ニューヨークへの移住
1911年、カーネギーは夢を追いかけてニューヨーク市に移住しました。しかし、ニューヨークでの生活は厳しいものでした。様々な仕事を転々とし、なかなか安定した職に就くことができませんでした。
転機となる出会い
1912年、カーネギーはYMCAで講演会に参加しました。その講演会で、カーネギーはサミュエル・ウィリアムズという人物に出会いました。ウィリアムズは、YMCAで公共演説のコースを教えており、カーネギーにそのコースの講師になることを勧めてくれました。
公共演説の講師として成功
カーネギーはウィリアムズの勧めに従い、YMCAで公共演説のコースの講師となりました。彼の授業はすぐに人気を集め、多くの受講生がいました。カーネギーは、受講生たちに論理的な思考力、説得力のある話し方、聴衆の心を惹きつけるプレゼンテーション方法などを教えました。
ベストセラー作家へ
カーネギーは、公共演説の講師としての経験を活かして、数多くの書籍を出版しました。特に有名なのが、1936年に出版され「人を動かす」という本です。この本は、世界中でベストセラーとなり、何百万人もの人々に読まれました。「人を動かす」は、人間関係を築き、人を説得する方法について書かれた本であり、今日でも多くの人々に愛読されています。
晩年
カーネギーは、晩年まで精力的に活動しました。講演会やワークショップを開催し、世界中の人々に人材育成の指導を行いました。
デール・カーネギーの功績
デール・カーネギーは、20世紀最も影響力のある人物の一人です。彼は、人材育成の分野に大きな貢献をしました。彼の著書や講演会は、世界中の人々に人とのコミュニケーションの重要性や、人を動かす方法を教えてくれました。カーネギーの教えは、今日でも多くの人々に実践されており、人材育成やビジネスの成功に役立てられています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(353)アップル創業者のスティーブ・ジョブズの名言 I’m convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did.(好きこそ物の上手なり)
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心に響く英語ことわざ(355)米国自動車王のヘンリー・フォードの名言 Failure is simply the opportunity to begin again, this time more intelligently. There is no disgrace in honest failure; there is disgrace in fearing to fail.(失敗は成功の母)
https://www.eionken.co.jp/note/henry-ford-3/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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