- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(356)マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツの名言 Success is a lousy teacher. It seduces smart people into thinking they can’t lose.(驕れる者は久しからず)
“Success is a lousy teacher. It seduces smart people into thinking they can’t lose.”
直訳は「成功は最低の教師である。賢い人をだまして、負けることはできないと思わせてしまう」で、似た日本語のことわざに「驕れる者は久しからず」があります
“lousy”は「シラミだらけの」、口語英語で「まずい、ひどい、うんざりする」などを意味し、発音は“láuzi”、比較級:lousier、最上級:lousiest、音節は“lous・y”です。
ビル・ゲイツの名言”Success is a lousy teacher. It seduces smart people into thinking they can’t lose.”の意味
ビル・ゲイツ(William Henry Gates III)のこの名言は、成功体験の過信が招く慢心と、そこから生まれる失敗のリスクについて警鐘を鳴らしています。
成功体験の過信:油断と慢心の罠
成功を収めると、人は自然と自信を持ち、過去の成功体験を過度に評価するようになります。しかし、過去の成功が必ずしも未来の成功を保証するわけではありません。むしろ、成功体験に安住し、現状維持に甘んじてしまうことで、新たな挑戦を避け、変化に対応できなくなる危険性があります。
賢い人ほど陥りやすい罠
知性や能力が高い人ほど、過去の成功体験を分析し、その法則を見つけようとします。そして、過去の成功法則を過度に一般化し、どんな状況でも通用すると錯覚してしまうことがあります。しかし、ビジネス環境や市場は常に変化しており、過去の成功法則が通用しなくなるケースも少なくありません。
慢心が招く失敗:学びの機会の喪失
成功体験の過信と慢心は、新たな挑戦や失敗から学ぶ機会を奪ってしまいます。失敗を恐れて挑戦を避けたり、失敗しても反省せず言い訳をしたりすることで、成長が止まってしまいます。
名言の示唆:謙虚さと学び続ける姿勢
ゲイツ氏はこの名言を通して、成功に驕ることなく、常に謙虚な姿勢で学び続け、変化に対応していくことの重要性を訴えています。成功は通過点であり、決してゴールではないことを肝に銘じ、常に新しい知識や経験を吸収し、挑戦を続けることが、真の成功への道であると示唆しているのです。
教訓と活かし方
過去の成功体験に固執せず、常に新しいことに挑戦する。
失敗を恐れず、失敗から学び成長する。
謙虚な姿勢を忘れず、常に学び続ける。
変化に対応できる柔軟性を持ち、状況に応じて戦略を修正する。
この名言は、ビジネスに限らず、人生においても重要な教訓を与えてくれます。成功に驕ることなく、常に努力を続けることで、真の成長と成功を掴むことができるでしょう。
補足
この名言は、ゲイツ氏自身の経験に基づいています。マイクロソフトは、初期の成功を収めた後、インターネットの普及などの変化に対応できずに苦境に立たされました。ゲイツ氏は、この経験から、成功体験の過信が招く危険性を痛感し、この名言を語ったと言われています。
この名言は、様々な解釈が可能です。上記以外にも、様々な視点から読み解くことができます。
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似た意味の英語のことわざ
Pride comes before a fall.
直訳: 傲慢さは転落の前兆である。
意味: 傲慢や慢心は、失敗を招く元となる。成功に驕らず、謙虚な姿勢を保つことが大切である。
Overconfidence is the mother of disaster.
直訳: 過信は災いの母である。
意味: 自分の能力や成功を過信しすぎると、油断や判断ミスを招き、失敗に繋がる。
The bigger they are, the harder they fall.
直訳: 巨人は大きければ大きいほど、転ぶときも痛い。
意味: 権力や地位のある人ほど、失敗した時の打撃も大きい。慢心せず、常に努力を続けることが大切である。
Success is not final, failure is not fatal: it is the courage to continue that counts.
直訳: 成功は最終的なものではなく、失敗は致命的ではない。重要なのは、挑戦し続ける勇気である。
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似た意味の日本語のことわざ
驕れる者は久しからず
意味: 傲慢な者は長く栄えない。成功に驕らず、謙虚な姿勢を保つことが大切である。
調子に乗るべからず
意味: 調子に乗ると、失敗する。成功に気を緩めず、油断しないことが大切である。
天狗になる
意味: 成功して調子に乗ること。慢心は失敗のもととなる。
過ぎたるは猶不及
意味: 度が過ぎることは良くない。どんなことでも、やり過ぎは禁物である。
栄枯盛衰は世の常
意味: 栄華と衰退は世の中の常である。どんなに成功していても、いつかは失敗する可能性がある。
油断大敵
意味: 油断は敵である。どんな状況でも、油断しないことが大切である。
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ビル・ゲイツの生い立ち:天賦の才と恵まれた環境
裕福な家庭と恵まれた環境
ビル・ゲイツは1955年10月28日、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルで、弁護士の父ウィリアム・H・ゲイツ・シニアと、教師の母メアリー・マクウェル・ゲイツの間に生まれました。裕福な家庭で育ち、幼い頃からコンピュータに触れる機会に恵まれていました。
早熟な才能とプログラミングへの情熱
13歳の頃、ゲイツは学校のコンピュータ室でプログラミングを始め、その才能を急速に開花させます。その後、プログラミング言語BASICを学び、独自のプログラムを開発するようになります。
ハーバード大学進学とマイクロソフト創業
1973年、ゲイツはハーバード大学に入学します。しかし、大学在学中に幼馴染みのポール・アレンと共同でマイクロソフトを創業し、大学を中退して事業に専念することを決意します。
マイクロソフトの成功と世界長者番付の常連
マイクロソフトは、パーソナルコンピュータ (PC) 用オペレーティングシステム (OS) である「MS-DOS」や「Windows」を開発し、世界的なソフトウェア企業へと成長します。ゲイツはマイクロソフトのCEOとして手腕を発揮し、世界長者番付の常連となるほどの成功を収めました。
慈善活動への転身
2000年にマイクロソフトのCEOを退任した後、ゲイツは妻のメリンダと共同でビル & メリンダ・ゲイツ財団を設立し、慈善活動に専念しています。貧困や疾病などの問題解決に取り組んでおり、巨額の寄付を行っています。
ビル・ゲイツの生い立ちから学ぶこと
ビル・ゲイツの生い立ちからは、以下のことを学ぶことができます。
才能と情熱を活かすこと: 自分が得意なことや好きなことに情熱を持って取り組むことが大切です。
努力と挑戦を続けること: 成功するためには、努力と挑戦を続けることが不可欠です。
リスクを恐れないこと: 新しいことに挑戦するためには、リスクを恐れないことが大切です。
社会に貢献すること: 成功した後は、社会に貢献することが大切です。
ビル・ゲイツは、その才能と努力、そして社会貢献によって、世界中の人々から尊敬される人物となりました。彼の生い立ちは、私たちに多くの示唆を与えてくれるでしょう。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(355)米国自動車王のヘンリー・フォードの名言 Failure is simply the opportunity to begin again, this time more intelligently. There is no disgrace in honest failure; there is disgrace in fearing to fail.(失敗は成功の母)
https://www.eionken.co.jp/note/henry-ford-3/
心に響く英語ことわざ(357)米国鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの名言 No man will make a great leader who wants to do it all himself or get all the credit for doing it.(衆知を集めれば山をも動かせる)
https://www.eionken.co.jp/note/andrew-carnegie-3/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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