- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(413)フランスの哲学者のモンテーニュの名言 Stubborn and ardent clinging to one’s opinion is the best proof of stupidity.(固執偏見は愚の骨頂)
“Stubborn and ardent clinging to one’s opinion is the best proof of stupidity.”
直訳は「頑固に、熱心に自分の意見にしがみつくことは、愚かさの最たる証拠である」で、似た意味のことわざに「固執偏見は愚の骨頂」(こしゅうへんけんはぐのこっちょう)があります。
“stubborn”は「頑固な、強情な、意地を張る」などを意味し、発音は“stʌ́bərn”、音節は“stub・born”です。
“ardent”は「熱心な、熱烈な」などを意味し、発音は“ɑ́rdnt”、音節は“ar・dent”です。
“cling”は「執着する、しがみつく、くっつく」などを意味し、発音は“kliŋ”です。
モンテーニュの名言”Stubborn and ardent clinging to one’s opinion is the best proof of stupidity.”の意味
モンテーニュ(Michel de Montaigne)のこの名言は、柔軟性に欠け、他者の意見に耳を傾けない態度を批判しています。人は誰でも自分の意見を持っていますが、それが必ずしも正しいとは限りません。新しい情報や異なる視点を受け入れることが重要であり、自分の意見を改めることも必要です。
頑固に自分の意見にしがみつく人は、以下のような傾向があります。
自分の意見が唯一の正しい意見だと信じている
他者の意見を聞くことに抵抗がある
批判されると怒ったり、落ち込んだりする
自分の間違いを認めようとしない
このような態度の人は、周囲の人から理解されにくくなり、人間関係を悪化させてしまう可能性があります。また、新しいことを学ぶ機会を逃してしまうことも少なくありません。
一方、柔軟性のある人は、以下のような傾向があります。
自分の意見が必ずしも正しいとは限らないことを理解している
他者の意見に耳を傾けることに抵抗がない
批判されても、それを成長の機会として捉える
自分の間違いを素直に認める
このような態度の人は、周囲の人から信頼されやすく、良好な人間関係を築きやすいです。また、新しいことを学ぶことに積極的で、常に成長し続けることができます。
モンテーニュの名言は、私たちに柔軟性を持つことの重要性を教えてくれています。自分の意見に固執するのではなく、常に新しい情報や異なる視点を受け入れるように心がけましょう。そうすることで、より良い人生を送ることができるでしょう。
名言の解釈に関する補足
この名言は、必ずしもすべての状況に当てはまるわけではありません。状況によっては、自分の意見をしっかりと主張することが重要になることもあります。
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似た意味の英語のことわざ
“A fool never changes his mind.”
愚か者は決して考えを変えることはない。
このことわざは、頑固で自分の意見を変えようとしない人を指します。新しい情報や異なる視点に耳を傾けることなく、自分の意見にしがみついている人を皮肉っています。
“It is the mark of an educated mind to be able to entertain a thought without accepting it.”
教養のある人の特徴は、受け入れなくても考えられることだ。
このことわざは、自分の意見に固執するのではなく、異なる視点を受け入れられることの重要性を強調しています。批判的思考を持ち、常に学び続けることが大切であると説いています。
“There are two sides to every story.”
物事には常に二つの側面がある。
このことわざは、物事を多角的に見ることの重要性を強調しています。自分の意見だけでなく、他者の意見にも耳を傾けることで、より深い理解を得ることができます。
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似た意味の日本語のことわざ
「固執偏見は愚の骨頂」
頑固に自分の意見に固執し、他者の意見に耳を傾けないことは、愚かさの極みであるという意味のことわざです。
「己の固執は迷いの元」
自分の考えに固執することは、物事を正しく判断できなくなる原因となるという意味のことわざです。
「柔軟な竹こそ強し」
固い木は折れやすいが、しなやかな竹は強いという自然の理を、人間に例えたことわざです。
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ミシェル・ド・モンテーニュの生い立ち
幼少期
ミシェル・エケム・ド・モンテーニュは、1533年2月28日、フランス南西部のアキテーヌ地方にあるサン=ミシェル=ド=モンテーニュ村(現在のモンテーニュ城)で生まれました。
彼の父、ピエール・エケム・ド・モンテーニュは、裕福な商人であり、ボルドー市長を務めたこともあります。母、アントワネット・デ・サン=マルタンは、スペイン系ユダヤ人の家系に属していました。
モンテーニュは幼い頃から家庭教師によって教育を受け、ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語などを学びました。また、父の影響で、法律にも興味を持ちました。
青年期
1548年、モンテーニュはボルドー大学に入学し、法学を学びました。大学卒業後は、ボルドー高等法院の判事を務めました。
しかし、モンテーニュは裁判官の仕事に満足できませんでした。彼は、より自由な生活を求めて、1563年に判事を辞任しました。
引退生活
判事を辞任したモンテーニュは、モンテーニュ城に隠居し、読書と執筆に専念しました。
彼は、古代ギリシャ・ローマの哲学書や歴史書をはじめ、幅広いジャンルの書籍を読み漁りました。そして、自身の経験や考察をまとめたエッセイを執筆しました。
モンテーニュのエッセイは、当時としては非常に革新的なものでした。彼は、人間の弱さや愚かさを率直に描き出し、既存の価値観に疑問を投げかけました。
モンテーニュのエッセイは、フランスのみならず、ヨーロッパ各国で大きな反響を呼びました。そして、近代思想の形成に大きな影響を与えました。
モンテーニュは、ルネサンス期を代表する哲学者・エッセイストとして、今日なお高い評価を受けています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(412)ドイツの哲学者ショーペンハウアーの名言 Wealth is like sea-water; the more we drink, the thirstier we become; and the same is true of fame.(持てば持つほど、もっと欲しくなる)
https://www.eionken.co.jp/note/arthur-schopenhauer/
心に響く英語ことわざ(414)デンマークの哲学者キルケゴールの名言 Life is not a problem to be solved, but a reality to be experienced.(人生は旅路)
https://www.eionken.co.jp/note/kierkegaard/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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