- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(434)「星の王子さま」で有名なフランスの小説家サン=テグジュペリの名言 It is much more difficult to judge oneself than to judge others.(灯台下暗し)
“It is much more difficult to judge oneself than to judge others.”
直訳は「他人を判断するよりも、自分自身を判断する方がはるかに難しい」で、似た意味のことわざに「灯台下暗し」があります。
サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupery)の名言”It is much more difficult to judge oneself than to judge others.”の意味
この名言は、サン=テグジュペリの代表作『星の王子さま』に登場する言葉です。
この言葉には以下のような深い意味が込められています:
自己認識の難しさ:
私たちは自分自身を客観的に見ることが非常に難しいものです。自分の長所や短所、行動の真の動機を正確に把握することは、他人を観察するよりも複雑で困難な作業です。
自己批判の重要性:
他人を批判することは比較的容易ですが、自分自身を批判的に見つめ、自己改善につなげることは非常に難しく、かつ重要な課題です。
謙虚さの必要性:
この言葉は、自分自身を過大評価したり、自己正当化したりすることの危険性を示唆しています。真の成長には、自己を謙虚に見つめる姿勢が必要です。
内省の価値:
他人を判断することよりも、自己を深く見つめ、内省することの方が価値があり、個人の成長につながることを示唆しています。
偏見の認識:
私たちは他人を判断する際、しばしば偏見や先入観に基づいて判断してしまいます。しかし、自分自身を判断する際にも同様の偏見が存在することを認識することが重要です。
この名言は、自己理解と自己改善の重要性を強調し、他人を批判するよりも自己を見つめることの方が、より困難であり、同時により価値のある行為であることを教えています。
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似た意味の英語のことわざ
“The hardest person to be honest with is yourself.”
(最も正直になるのが難しい相手は自分自身である)
“We judge others by their actions and ourselves by our intentions.”
(他人は行動で判断し、自分は意図で判断する)
“The eye that sees all things else sees not itself.”
(全てを見る目は自分自身を見ることができない)
“People may hear your words, but they feel your attitude.”
(人々はあなたの言葉を聞くかもしれないが、態度を感じ取る)
“It’s easier to see the splinter in another’s eye than the log in your own.”
(他人の目のちりは見えても、自分の目の丸太は見えない)
※これは聖書の教えに基づいています。
“If you spot it, you got it.”
(他人の欠点に気づくのは、自分にも同じ欠点があるからだ)
“The greatest explorer on this earth never takes voyages as long as those of the man who descends to the depth of his heart.”
(この地上で最大の探検家でも、自分の心の奥底に降りていく人ほど長い旅はしない)
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似た意味の日本語のことわざ
「他人の目の中のごみは見えても、自分の目の中の柱は見えない」
これは聖書の教えに基づく表現で、英語の “It’s easier to see the splinter in another’s eye than the log in your own.” に相当します。
「灯台下暗し」
自分の周りのことはよく見えないという意味で、自己認識の難しさを表しています。
「身から出た錆」
自分の行動が原因で起こった問題を指しますが、自己批判の重要性を示唆しています。
「人の振り見て我が振り直せ」
他人の行動を観察して自分の行動を改めるという意味で、自己改善の重要性を強調しています。
「己の欲心を知らず」
自分の欲望や本当の動機を理解することの難しさを表現しています。
「鏡を見れば我が姿」
自分の姿は鏡を見ないと分からないという意味で、自己認識の難しさを示しています。
「他人の目を気にして自分の目を忘れる」
他人の評価を気にするあまり、自己評価を忘れがちであることを指摘しています。
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サン=テグジュペリの生涯
サン=テグジュペリの生涯は、冒険と文学が交錯する興味深いものでした。以下に彼の人生の主要な出来事をまとめます:
誕生と幼少期:
アントワーヌ・マリー・ジャン=バティスト・ロジェ・ド・サン=テグジュペリは1900年6月29日、フランスのリヨンで貴族の家庭に生まれました。4歳の時に父親を亡くし、「貧しい貴族」として育ちました。
教育と初期のキャリア:
海軍学校の入学試験に失敗した後、建築を学びましたが卒業はしませんでした。その後、様々な仕事を経験します。
軍隊と飛行機との出会い:
1921年に軍隊に入隊し、そこで飛行訓練を受けます。これが彼の人生を大きく変える転機となりました。
航空郵便のパイオニア:
1926年から国際航空郵便のパイオニアとして活躍し、アフリカや南米の路線を飛びました。この経験が後の文学作品の素材となります。
作家としての活動:
1929年に最初の小説『南方郵便機』を出版。その後『夜間飛行』(1931年)や『人間の土地』(1939年)など、飛行と人間性を探求する作品を次々と発表しました。
結婚:
コンスエロ・スンシン・サンドバルと結婚しますが、彼の頻繁な旅と浮気により、その関係は波乱に満ちたものでした。
第二次世界大戦中:
1939年、戦争が始まると偵察パイロットとして従軍。1940年のフランス陥落後はアメリカに渡り、1943年まで滞在します。この間に『戦う操縦士』や『星の王子さま』を執筆しました。
最後の飛行と失踪:
1944年7月31日、コルシカ島から偵察任務で飛び立ち、そのまま行方不明となりました。
後日談:
2000年に彼の飛行機の残骸が地中海のマルセイユ沖で発見され、2004年に正式に確認されました。
サン=テグジュペリは、パイロットとしての冒険的な生活と、詩人のような感性を持つ作家としての顔を併せ持つ稀有な存在でした。彼の作品は、人間の勇気、責任、そして文明の価値を探求し続けており、特に『星の王子さま』は世界中で愛され続けている不朽の名作となっています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(433)ロシアの文豪ドストエフスキーの名言 God and the devil are fighting there and the battlefield is the heart of man.(善悪は紙一重)
https://www.eionken.co.jp/note/fyodor-dostoevsky/
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