- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(438)英国女流作家ジョージ・エリオットの名言 Our words have wings, but fly not where we would.(言葉に尾ひれがつく)
“Our words have wings, but fly not where we would.”
直訳は「言葉には翼があるが、思ったところに飛んでいかない」で、似た意味のことわざに「言葉に尾ひれがつく」があります。
ジョージ・エリオット(George Eliot)の名言”Our words have wings, but fly not where we would.”の意味
この言葉は、私たちが発する言葉が、必ずしも意図した通りに伝わらないことを示しています。
具体的には、以下のような意味が含まれています:
意図と受け取り方の違い:私たちが言葉を発するとき、その意図や意味が必ずしも相手に正確に伝わるとは限りません。言葉は自分の意図から離れて、相手に誤解されることがあります。
コミュニケーションの難しさ:言葉を使ったコミュニケーションは、非常に繊細で難しいものです。どんなに注意深く言葉を選んでも、相手がそれをどう受け取るかはコントロールできないという現実を反映しています。
言葉の影響力の限界:言葉には力があるものの、その影響力には限界があることを示しています。私たちがどれほど強く何かを伝えたいと思っても、言葉だけではその思いを完全に伝えることはできない場合が多いです。
この名言は、コミュニケーションの複雑さと、言葉の持つ限界について深く考えさせられるものです。
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似た意味の英語のことわざ
“A word spoken is past recalling.”
(一度口に出した言葉は取り戻せない)
言葉が一度発せられると、その影響をコントロールできなくなることを意味します。
“The pen is mightier than the sword.”
(ペンは剣よりも強し)
言葉の力を強調していますが、その力がどのように作用するかは必ずしもコントロールできないことを示唆しています。
“Loose lips sink ships.”
(軽率な発言は大きな損害を招く)
言葉の影響力と、慎重に言葉を選ぶ必要性を強調しています。
“Actions speak louder than words.” (行動は言葉よりも雄弁である)
言葉だけでは不十分で、意図を完全に伝えるには行動が必要であることを示しています。
“Words are wind.”
(言葉は風のようなもの)
言葉が時に空虚で、意図した効果を持たないことを表現しています。
“The tongue is not steel, yet it cuts.”
(舌は鋼鉄ではないが、それでも切る)
言葉の力と、意図せず他人を傷つける可能性を示しています。
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似た意味の日本語のことわざ
「言葉に気をつけよ、それは矢のようなもの」
一度放たれた言葉は、矢のように取り返しがつかないことを意味します。
「口は災いの元」
不用意な発言が問題を引き起こす可能性を示しています。
「言わぬが花」
時には言葉を控えることが最善の選択肢であることを示唆しています。
「口は禍の門」
不適切な言葉遣いが災いをもたらす可能性を警告しています。
「言葉の綾」
言葉の複雑さや、意図と異なる解釈の可能性を示しています。
「一言の重み」
一つの言葉が大きな影響力を持つことを強調しています。
「言葉に尾ひれがつく」
言葉が伝わる過程で誇張されたり、変化したりすることを表現しています。
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ジョージ・エリオットの生涯
1819年11月22日、イングランドのウォリックシャーで誕生しました。父親は土地差配人で、母親は後妻でした。
幼少期はメソジスト派の環境で育ち、1832年にバプテスト派の宗教色の強いコヴェントリーの学校に入学しました。しかし、翌年に母親が亡くなったため、父親の世話をするために退学しました。
1850年、『ウェストミンスター・レビュー』の副主筆としてロンドンに移住します。この頃、ハーバート・スペンサーと知り合い、彼の紹介で哲学者ジョージ・ヘンリー・ルーイスと出会い、恋愛関係に発展しました。
1857年に『エイモス・バートン氏の悲しみ』を発表し、作家としてのキャリアをスタートさせました。この時から「ジョージ・エリオット」というペンネームを使用し始めます。
その後、『アダム・ビード』(1859年)、『サイラス・マーナー』(1861年)、『ミドルマーチ』(1871-72年)など、多くの名作を発表しました。エリオットの作品は、人間心理を克明に分析した物語として高く評価されています。
ルーイスとの関係は1878年の彼の死まで続きました。その後、1880年に20歳年下の実業家ジョン・ウォルター・クロスと結婚しますが、わずか7か月後の1880年12月22日、ロンドンで61歳で亡くなりました。
エリオットは、イギリス小説に深い知的世界を展開し、小説の質的変化をもたらした点で、イギリス初の近代小説家とも呼ばれています。彼女の作品は、心理的洞察と写実性に優れており、ヴィクトリア朝を代表する作家の一人として高く評価されています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(437)叙事詩「神曲」で有名なイタリアの詩人ダンテの名言 He who sees a need and waits to be asked for help is as unkind as if he had refused it.(待つ身は長し)
https://www.eionken.co.jp/note/dante-alighieri/
心に響く英語ことわざ(439)「人間喜劇」で有名なフランス人作家バルザックの名言 We exaggerate misfortune and happiness alike. We are never as bad off or as happy as we say we are.(塞翁が馬)
https://www.eionken.co.jp/note/honore-de-balzac/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
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・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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