- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(460)孔子の名言 If you wish to succeed, first help others to succeed.(因果応報)
“If you wish to succeed, first help others to succeed.”
直訳は「成功したいのであれば、まず他の人が成功できるように手助けよ」で、似た意味のことわざに「因果応報」があります。
孔子(Confucius)の名言 If you wish to succeed, first help others to succeed.の意味
名言が示すこと
この言葉は、孔子の人間関係論や成功の考え方について、以下のことを示唆しています。
利他主義の重要性
自分だけでなく、周りの人々の幸せを願い、貢献することが大切であるという考えです。
共存共栄: 一人では成功できないということを示し、周囲の人々との協力や助け合いが重要であることを強調しています。
長期的な視点
他人を助けることは、短期的には損に思えるかもしれませんが、長期的に見ると、必ず自分にも良い影響が返ってくるという考え方です。
道徳的なリーダーシップ
成功者になるためには、単に自分の利益を追求するだけでなく、周囲の人々を導き、共に成長していくようなリーダーシップが必要であるということです。
名言の背景と解釈
孔子はこの言葉の中で、成功を単に富や名声の獲得と捉えるのではなく、より広い意味での人間としての成長や、社会への貢献と結び付けて考えています。つまり、成功とは、自分自身だけでなく、周囲の人々も幸せにすることができるような状態である、と孔子はいいたかったのです。
この考え方は、孔子の思想である「仁」や「礼」に通じます。「仁」は、人間として本来備わっているべき善心や思いやりの心を指し、「礼」は、社会生活における正しい行いを意味します。つまり、この名言は、孔子の人間としての理想像を示していると言えるでしょう。
現代社会における意味
この孔子の言葉は、現代社会においても普遍的な価値を持っています。
ビジネスの世界
チームワークや協力の重要性がますます高まる現代のビジネスにおいて、この言葉は、リーダーシップや組織全体の成功のための指針となるでしょう。
人間関係
友人、家族、そして社会との良好な関係を築くためには、お互いを尊重し、助け合うことが大切です。
社会貢献
社会問題の解決や、より良い社会づくりには、一人ひとりの貢献が不可欠です。
***
似た意味の英語のことわざ
相互依存性と協力
No man is an island.(人は島ではない)
このことわざは、人は誰しも社会の一員であり、孤立して生きていくことはできないということを意味します。他者とのつながりが重要であるという考え方は、孔子の名言と共通しています。
You scratch my back, and I’ll scratch yours.(私があなたの背中を掻けば、あなたも私の背中を掻いてくれる)
お互いに助け合い、協力し合うことの重要性を表しています。
A rising tide lifts all boats.(満潮になれば、すべての船が浮かび上がる)
社会全体が発展すれば、個々の人もまた豊かになるという意味です。
長期的な視点と貢献
Give a man a fish, and you feed him for a day. Teach a man to fish, and you feed him for a lifetime.(人に魚を与えるな。魚の釣り方を教えなさい)
短期的な援助ではなく、長期的な自立を促すことの重要性を示しています。
What goes around comes around.(種をまけば、必ず実がなる)
行動には必ず結果が伴うという意味で、善い行いはいつか自分に返ってくるという考え方を表しています。
***
似た意味の日本語のことわざ
相互依存性と協力
「一人よがりではうまくいかない」:共同作業の重要性を表し、一人で全てを成し遂げることは難しいという考え方を示しています。
「持ちつ持たれつ」:お互いに助け合い、利益を得る関係性を表しています。
「郷に入れば郷に従え」:周囲の人々との調和を大切にし、協力することの大切さを説いています。
長期的な視点と貢献
「因果応報」:善い行いは良い結果を、悪い行いは悪い結果をもたらすという考え方です。
「種をまけば花が咲く」:努力すれば必ず良い結果が得られるという意味で、長期的視点での行動の大切さを説いています。
***
孔子の生い立ち
孔子(こうし)は、紀元前551年頃に中国の魯(ろ)国(現在の山東省)に生まれました。儒教の創始者として知られ、その思想は中国のみならず、東アジア全体に大きな影響を与えました。
生まれと幼少期
家系: 孔子の父は、魯国の役人でしたが、孔子が幼い頃に亡くなりました。母は巫女(みこ)で、孔子に礼節を重んじる教育を施しました。
貧困: 父の死後、孔子の家は貧しい生活を送ることになりました。そのため、幼い頃から家事を手伝いながら、学問に励みました。
聡明さ: 孔子は幼い頃から聡明で、特に礼節や音楽に深い関心を示しました。
青年期と学び
学問への熱意: 20歳を過ぎた頃からは、積極的に学問を追求し始めました。当時の中国は、周王朝が衰退し、諸侯たちが覇を競う春秋時代でした。孔子は、この混乱した世の中に秩序をもたらすための理想的な政治や社会について深く考えました。
周遊の旅: さまざまな国々を巡り、多くの知識人や思想家と交流しました。この経験は、孔子の思想を深める上で大きな役割を果たしました。
中年期と教育活動
弟子を集める: 50歳を過ぎた頃から、多くの弟子を集めて教え始めました。孔子の教えは、仁(じん)、義(ぎ)、礼(れい)、智(ち)、信(しん)の五常を重んじるものでした。
政治への貢献: 魯国の役人として、自らの思想に基づいた政治改革を試みましたが、成功には至りませんでした。
周遊の再開: 政治改革の失敗後、再び周遊の旅に出ます。
晩年と死
晩年の活動: 晩年は、弟子たちと共に『論語』を編纂し、自らの思想を後世に伝えようとしました。
死: 紀元前479年、73歳で亡くなりました。
孔子の思想
孔子の思想は、一言で言えば「人間関係の調和」を目指したものです。彼は、人々が互いに敬い、助け合い、道徳的な社会を築くことを理想としました。その思想は、儒教として体系化され、中国の文化や社会に深く根ざすことになりました。
主な思想
仁: 人間として本来備わっているべき善心や思いやりの心
義: 正しいこと、道義
礼: 社会生活における正しい行い
智: 知恵、判断力
信: 信義、誠実さ
孔子の思想は、単なる哲学にとどまらず、政治、教育、道徳など、あらゆる分野に影響を与えました。そして、その影響は中国のみならず、日本、韓国、ベトナムなど、東アジアの多くの国々に広がり、現在もなお人々の心に深く根付いています。
***
この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(459)古代ギリシャの哲学者ソクラテスの名言 By all means marry; if you get a good wife, you’ll be happy. If you get a bad one, you’ll become a philosopher.(苦労の末の甘み)
https://www.eionken.co.jp/note/socrates-b/
心に響く英語ことわざ(461)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 Time crumbles things; everything grows old under the power of Time and is forgotten through the lapse of Time.(永遠に続くものはない)
https://www.eionken.co.jp/note/aristotle-b/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
***
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
Amazon.co.jp: 山下長幸: 本、バイオグラフィー、最新アップデート