- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(463)「我思う、故に我あり」で有名なフランスの哲学者デカルトの名言 Divide each difficulty into as many parts as is feasible and necessary to resolve it.(細かく分ける)
“Divide each difficulty into as many parts as is feasible and necessary to resolve it.”
直訳は「困難は、それを解決するために必要かつ可能な限り多くの部分に分けて考えよ」で、似た意味のことわざに「細かく分ける」があります。
デカルト(Descartes)の名言 Divide each difficulty into as many parts as is feasible and necessary to resolve it.の意味
このデカルトの名言は、日本語にすると「困難は、それを解決するために必要かつ可能な限り多くの部分に分けて考えよ」という意味になります。
この言葉が意味すること
この言葉は、複雑な問題や困難な状況に対処する際に、有効な解決策を示唆しています。
問題の細分化
複雑な問題を、より小さな、扱いやすい部分に分割することによって、問題全体をより明確に把握し、解決策を見つけやすくなる。
段階的な解決
分割されたそれぞれの部分に対して、個別に対処することで、全体的な問題解決へと繋がる。
体系的な思考
問題を構造的に捉え、論理的な思考によって解決へと導く。
この言葉から得られる教訓
問題解決の第一歩
大きな問題に直面したとき、まずは問題を細かく分割し、それぞれの部分に対して解決策を見つけることから始める。
全体と部分の関係
問題全体を把握しながら、部分的な解決策を積み重ねていくことで、より効果的な解決策に繋がる。
論理的な思考の重要性
感情に振り回されることなく、冷静に問題を分析し、論理的な思考に基づいて解決策を見つける。
ビジネスや日常生活への応用
この考え方は、ビジネスにおける問題解決や、日常生活における課題解決にも応用できます。例えば、
プロジェクト管理: 大規模なプロジェクトを小さなタスクに分割し、それぞれのタスクに対してスケジュールを立て、責任者を割り当てる。
目標設定: 大きな目標を達成するために、具体的な小さな目標を設定し、一つずつ達成していく。
学習: 複雑な概念を、より単純な要素に分解し、一つずつ理解していく。
まとめ
デカルトのこの言葉は、問題解決の普遍的な原則を示しています。複雑な問題に直面した時、この言葉を参考に、問題を分割し、段階的に解決していくというアプローチは、非常に有効な手段と言えるでしょう。
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似た意味の英語のことわざ
Divide and conquer. (分割統治) これは、最も直接的にデカルトの名言に対応する表現です。大きな問題を小さな部分に分割し、個々に解決することで、全体を征服するという戦略を表します。
Break it down. (細かく分ける) これは、問題をより小さな、扱いやすい部分に分解することを意味します。
A journey of a thousand miles begins with a single step. (千里の道も一歩から) 大きな目標を達成するためには、まず小さな一歩を踏み出すことが重要であることを示唆しています。これは、問題を分割し、小さな目標を達成していくという考え方に通じます。
Rome wasn’t built in a day. (ローマは一日にして成らず) 偉大なものは一朝一夕にできるものではないという意味ですが、複雑な問題も少しずつ解決していくことで、最終的に達成できるという考え方を示唆しています。
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似た意味の日本語のことわざ
千里の道も一歩から: 大きな目標を達成するためには、まずは小さな一歩を踏み出すことが重要であることを示しています。これは、問題を分割し、小さな目標を達成していくという考え方に通じます。
焦りは禁物: 焦って問題に対処すると、かえって事態を悪化させることがあるため、冷静に状況を判断し、段階的に問題を解決していくことの重要性を説いています。
急がば回れ: 目的を早く達成しようと急ぐあまり、遠回りになったり、かえって時間がかかってしまうことがあるため、じっくりと計画を立て、段階的に進めることの大切さを教えています。
石の上にも三年: 何事も、すぐに結果が出るものではなく、長期間努力を続けることが重要であることを示しています。複雑な問題も、根気強く少しずつ解決していくことで、最終的に達成できるという考え方を表しています。
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デカルトの生い立ち
ルネ・デカルトは、近代哲学の父と呼ばれるフランスの哲学者、数学者です。彼の思想は、後の哲学や科学に多大な影響を与えました。
幼少期と教育
生誕: 1596年3月31日、フランスのラ・ヘイ(現在のトゥール)で生まれました。
裕福な家庭: デカルトは、弁護士の父親を持つ裕福な家庭で育ちました。幼少期から質の高い教育を受け、ラテン語やギリシャ語を学びました。
イエズス会学校: ジェズス会が運営するラ・フレーシュの学校に入学し、古典や哲学、数学を深く学びました。ここで得た知識が、後の彼の思想形成に大きな影響を与えました。
青年期と軍務
哲学への疑問: 学校で学んだ哲学に疑問を抱き、真理を探求するため、様々な都市を転々とし、人々と交流しました。
軍務: 21歳の頃、オランダ軍に入隊し、8年間兵役につきました。軍務中に、様々な経験を通して、哲学的な思考を深めました。
中年期と哲学研究
哲学への専念: 軍務を終えた後、哲学研究に専念するため、オランダに移住しました。
『方法序説』の出版: 1637年、『方法序説』を出版し、彼の哲学の基礎を確立しました。この著書の中で、彼は「我思う、ゆえに我あり」という有名な言葉を残しました。
哲学界への影響: デカルトの哲学は、当時の哲学界に大きな衝撃を与え、近代哲学の礎を築きました。
晩年と死
スウェーデンへの招き: スウェーデンのクリスティーナ女王の招きを受け、スウェーデンに移住しました。しかし、寒さや過労が祟り、1650年2月11日に亡くなりました。
デカルト哲学の特徴
合理主義: デカルトは、人間の理性こそが真理を把握する唯一の手段であると考えました。
懐疑主義: 彼は、既存の知識を疑い、確実な根拠に基づいた知識のみを認めるべきだと主張しました。
二元論: デカルトは、心と体は全く異なる実体であるという二元論を提唱しました。
デカルトの哲学が与えた影響
デカルトの哲学は、後の哲学、科学、そして現代社会にまで大きな影響を与えています。彼の思想は、科学革命を促し、近代科学の発展に貢献しました。また、彼の哲学は、哲学史においても重要な位置を占めており、多くの哲学者に影響を与えました。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(462)フランスの物理学者パスカルの名言 Few friendships would survive if each one knew what his friend says of him behind his back.(慣れは侮蔑を育む)
https://www.eionken.co.jp/note/blaise-pascal-b/
心に響く英語ことわざ(464)フランスの哲学者のモンテーニュの名言 Poverty of goods is easily cured; poverty of soul, impossible.(貧乏を恥とせず、不義を恥とせよ)
https://www.eionken.co.jp/note/michel-de-montaigne-b/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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