- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.06

心に響く英語ことわざ(495)「我思う、故に我あり」で有名なフランスの哲学者デカルトの名言 Doubt is the origin of wisdom.(疑うことは学ぶことなり)
“Doubt is the origin of wisdom.”
直訳は「疑いは知恵の源泉である」で、似た意味のことわざに「疑うことは学ぶことなり」があります。
デカルト(René Descartes)の名言 Doubt is the origin of wisdom.の意味
デカルトは、この言葉を通して、知識の獲得において、疑うこと、つまり懐疑的な態度を持つことの重要性を強調しています。
全ての確信を疑う:
デカルトは、これまでの知識や常識を疑い、それらを根底から見直すことを提唱しました。
確固たる基盤の構築:
疑うことで、より確実な知識、つまり「疑うことができない」という確固たる基盤を持つことができる、と考えたのです。
自己認識への道:
徹底的に疑うことで、「我思う、ゆえに我あり」という自己認識に達することができるとしました。
なぜこの言葉が重要なのか
この言葉は、単に「疑う」という行為を肯定しているわけではありません。「疑う」という行為を通して、より深く思考し、より確実な知識を獲得するための、いわば「方法論」を示唆しているのです。
学問の基礎:
デカルトのこの考え方は、近代科学の誕生に大きな影響を与えました。実験や観察を通して、既存の理論を疑い、新しい知識を発見していくという科学的な方法論の基礎を築いたと言えるでしょう。
自己成長:
自分の考えや行動を疑うことで、自己認識を深め、自己成長へとつながります。
批判的思考:
常に物事を疑う姿勢は、批判的思考力を養う上で不可欠です。
まとめ
デカルトの「疑いは知恵の源泉である」という言葉は、知識の獲得や自己成長において、疑うことの重要性を示す普遍的な真理と言えるでしょう。この言葉は、私たちに、常に新しい視点から物事を考え、自己を成長させることの大切さを教えてくれます。
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似た意味の英語のことわざ
Question everything.(全てのものを疑え。)
このことわざは、デカルトの哲学を端的に表しており、全ての知識や情報を疑うことの重要性を強調しています。
He who knows only one side of a question knows little of that.(問題の一面しか知らない者は、その問題についてほとんど知らない。)
これは、物事を多角的に見ることの重要性を説いています。様々な角度から物事を疑い、考察することで、より深い理解を得ることができます。
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似た意味の日本語のことわざ
疑うことは学ぶことなり: 疑うことは、ただ単に否定することではなく、より深く理解するために、物事を様々な角度から検討することです。
疑うことは科学の出発点: 科学的な探究は、既存の知識を疑い、新しい事実を発見することから始まります。
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デカルトの生い立ち
ルネ・デカルトは、近代哲学の祖として知られるフランスの哲学者、数学者です。彼の思想は、後の科学革命や哲学に大きな影響を与えました。
幼少期と教育
生まれ: 1596年、フランスの中部、トゥーレーヌ地方のラ・エーで生まれました。裕福な家庭で育ち、幼少期から優れた知性を見せました。
イエズス会学校: 1607年、ラ・フレーシュのイエズス会学校に入学。ここで、数学、物理学、哲学などを学びます。しかし、古代の哲学や宗教に疑問を抱き始めるようになります。
大学時代: ポワティエ大学で法学と医学を学び、1616年に法学士の学位を取得。しかし、学問への疑問は深まるばかりでした。
軍隊へ、そして哲学への道
軍務: 大学卒業後、ヨーロッパ各地を旅し、様々な経験を積みます。オランダ軍に入隊し、三十年戦争にも参加。この期間に、数学や物理学の研究を進めるとともに、哲学的な思考を深めました。
哲学への転換: 軍務を終えた後、オランダに落ち着き、哲学研究に専念することを決意します。
主な業績と思想
方法的懐疑: すべての知識を疑い、確実な根拠に基づいた知識のみを認めるという方法論を確立しました。
「我思う、ゆえに我あり」: この有名な言葉は、思考する存在としての「我」の存在を証明するもので、デカルト哲学の出発点となりました。
二元論: 心と体は異なる実体であり、相互に作用すると考える二元論を提唱しました。
数学と哲学の融合: 数学的な厳密さを哲学に導入し、哲学をより厳密な学問へと発展させました。
晩年と死
スウェーデンでの晩年: スウェーデンのクリスティーナ女王の招きを受け、ストックホルムに移住。しかし、寒さのため体調を崩し、1650年に亡くなりました。
デカルトの思想が与えた影響
デカルトの哲学は、近代哲学のみならず、科学、数学、そして現代の思想にも大きな影響を与えました。彼の方法論的懐疑は、科学的な探求の基礎となり、彼の二元論は心身問題の議論の出発点となりました。
まとめ
デカルトは、生涯を通じて知識の確実性を探求し続け、近代哲学の礎を築きました。彼の思想は、現代の私たちが世界を理解し、考える上で重要な指針となっています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(494)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 Anyone can become angry – that is easy. But to be angry with the right person, to the right degree, at the right time, for the right purpose, and in the right way – this is not easy.(怒りこめては事をなし難し)
https://www.eionken.co.jp/note/aristotle-c/
心に響く英語ことわざ(496)フランスの哲学者のモンテーニュの名言 Saying is one thing and doing is another.(言うは易し行うは難し)
https://www.eionken.co.jp/note/michel-de-montaigne-d/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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