- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.04.02
更新日
2025.08.25

心に響く英語ことわざ(515)米国キング牧師の名言 The old law of an eye for an eye leaves everyone blind.(仇を打てば百害あって一利なし)
“The old law of an eye for an eye leaves everyone blind.”
直訳は「眼には眼の報復という古い掟は、結局は皆を盲目にする」で、似た意味のことわざに「仇を打てば百害あって一利なし」があります。
キング牧師(Martin Luther King Jr.)の名言 The old law of an eye for an eye leaves everyone blind.の意味
報復の連鎖:
報復行為は、終わりなき暴力の連鎖を生み出す。
平和への妨げ:
報復は、平和な社会の実現を妨げる。
解決策ではない:
問題を解決するためには、報復ではなく、対話や理解が必要。
つまり、キング牧師は、復讐や暴力は問題を解決するのではなく、むしろ新たな問題を生み出すだけであると警告しているのです。
この言葉から得られる教訓
この言葉から、私たちは以下の様な教訓を得ることができます。
暴力は問題を解決しない:
暴力は一時的な快感を与えるかもしれませんが、根本的な問題を解決することはできません。
対話と理解の大切さ:
異なる意見を持つ人々とも、対話を通じて理解を深めることが大切です。
平和な社会の実現:
平和な社会を実現するためには、一人ひとりが暴力ではなく、平和的な手段を選ぶことが重要です。
まとめ
キング牧師のこの言葉は、私たちに、暴力ではなく、平和的な手段で問題を解決していくことの大切さを教えてくれます。現代社会においても、この言葉は普遍的な意味を持ち、私たちに多くの示唆を与えてくれます。
***
似た意味の英語のことわざ
“Two wrongs don’t make a right.”(悪いことをしても、別の悪いことで正されることはない) これは、報復行為は決して正当化されないという最も一般的なことわざの一つです。キング牧師の名言と同様に、報復の連鎖を止め、平和的な解決を求めるべきだという考え方を示しています。
“Revenge is a dish best served cold.”(復讐は冷めてから味わうのが一番) これは、復讐は感情に任せてすぐに実行するのではなく、冷静になってから行うべきだという教訓を伝えることわざです。しかし、このことわざは、一見すると復讐を肯定しているように思えますが、冷静に考えることで復讐よりもより良い解決策が見つかる可能性があるというニュアンスも含まれています。
***
似た意味の日本語のことわざ
「仇を打てば百害あって一利なし」: 敵を討つことは、一見痛快に見えても、結局は自分自身にも悪い影響を与えるという意味です。報復行為は、長期的に見て必ずマイナスになると言っています。
「恨みを晴らすより、心を晴らそう」: 恨みを晴らそうとするよりも、心の状態を穏やかに保つ方が大切であるという意味です。報復に囚われるのではなく、心の平安を求めることの大切さを示しています。
***
マーティン・ルーサー・キング Jr. の生い立ち
マーティン・ルーサー・キング Jr. は、アメリカ合衆国のプロテスタントバプテスト派の牧師であり、非暴力による公民権運動の指導者として知られています。彼の生い立ちと活動は、アメリカの歴史、そして世界の人権運動に大きな影響を与えました。
宗教的な家庭での誕生と教育
1929年1月15日、キングはジョージア州アトランタで、代々牧師を務める家庭に生まれました。幼い頃から教会で育ち、聖書や宗教的な教えに触れながら成長します。彼の父、マーティン・ルーダー・キング Sr. も牧師であり、息子に深い影響を与えました。
キングは優秀な学生であり、15歳でモアハウス大学に入学。その後、クロザー神学校、ボストン大学大学院神学部と進み、神学博士号を取得しました。
モンゴメリー・バス・ボイコットと非暴力抵抗運動
1955年、アラバマ州モンゴメリーで起きたバス乗車拒否事件をきっかけに、キングは非暴力抵抗運動の指導者として頭角を現します。黒人女性ローザ・パークスがバスの白人席に座ったことを理由に逮捕された事件に対し、キングはバスボイコットを呼びかけ、381日間にわたる大規模な市民不服従運動を組織しました。この運動は、アメリカ南部の黒人差別撤廃運動の火付けとなり、キングの名声を全国に広めました。
南部キリスト教指導者会議 (SCLC) の設立と公民権運動
1957年、キングは南部キリスト教指導者会議 (SCLC) を設立し、非暴力抵抗運動を全国に広げる活動を開始しました。SCLCは、各地で座り込みデモ、行進などを行い、公民権法の制定に向けて大きな役割を果たしました。
1963年、キングはワシントン大行進を組織し、リンカーン記念堂前で「I Have a Dream」(私には夢がある)という演説を行いました。この演説は、アメリカ国民のみならず、世界中の人々に感動を与え、公民権運動の象徴となりました。
ノーベル平和賞受賞と暗殺
1964年、キングはノーベル平和賞を受賞しました。しかし、公民権法の成立後も、黒人に対する差別は根強く残っており、キングは貧困やベトナム戦争など、様々な社会問題に取り組んでいきます。
1968年4月4日、テネシー州メンフィスで、キングは暗殺されました。彼の死は、アメリカ社会に大きな衝撃を与え、人種差別に対する意識を高めるきっかけとなりました。
キングの遺産
キングの思想と行動は、アメリカ社会だけでなく、世界中の公民権運動に大きな影響を与えました。彼の非暴力抵抗という考え方は、後の世代の活動家たちにも受け継がれ、人種差別だけでなく、様々な社会問題の解決に向けて、平和的な手段で闘うことの重要性を示しています。
***
この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(514)ウォルト・ディズニー(Walt Disney)の名言 I can never stand still. I must explore and experiment. I am never satisfied with my work. I resent the limitations of my own imagination.(可能性は無限大)
https://www.eionken.co.jp/note/walt-disney-e/
心に響く英語ことわざ(516)第二次世界大戦中に英国首相を務めたチャーチルの名言 To improve is to change; to be perfect is to change often.(現状維持は後退なり)
https://www.eionken.co.jp/note/sir-winston-leonard-spencer-churchill-e/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など17冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート