- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(394)米国南北戦争に勝利し奴隷制度を廃止したエイブラハム・リンカーンの名言 I have always found that mercy bears richer fruits than strict justice.(慈悲は剣よりも強し)
“I have always found that mercy bears richer fruits than strict justice.”
直訳は「私は常に慈悲は、厳格な正義よりも、豊かな実を結ぶことを発見してきた」で、似た意味の日本語のことわざに「慈悲は剣よりも強し」があります。
エイブラハム・リンカーンの名言”I have always found that mercy bears richer fruits than strict justice.”の意味
エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)のこの名言は、リンカーン大統領が常に信奉していた 「慈悲」 と 「正義」 の重要性について語ったものです。
「慈悲」 とは、罪を犯した人に対しても寛大な心で接し、許しを与えることを意味します。一方、 「正義」 とは、法律に基づいて厳正な裁きを下すことを意味します。
リンカーン大統領は、厳格な正義は一時的な秩序をもたらすかもしれませんが、真の平和と繁栄を実現するには、慈悲に基づいた寛容な社会が必要だと考えていました。
この名言には、以下のような解釈が可能です。
厳格な正義は、復讐や憎しみを生み出す可能性がある。 一方、慈悲は、相手を理解し、許すことで、より良い関係を築くことができる。
人は誰でも間違いを犯す。 慈悲によって、人々が過ちから学び、成長する機会を与えられる。
社会全体が慈悲に基づいた寛容な精神で満たされれば、より良い社会になる
慈悲は弱さの表れではなく、真の強さの表れである。
リンカーン大統領は、この名言を通して、人々に 「慈悲」 の重要性を訴えたかったのです。
この名言は、リンカーン大統領の政治思想だけでなく、彼の深い人間性をも表しています。
リンカーン大統領の慈悲の例
南北戦争終結後、リンカーン大統領は、反乱を起こした南軍兵士たちを厳しく裁くことをせず、寛大な心で許しました。
リンカーン大統領は、自分の命を狙った暗殺者さえも許そうとしていました。
これらの例からも、リンカーン大統領がいかに 「慈悲」 を大切にしていたかが分かります。
現代社会への示唆
リンカーン大統領の名言は、現代社会においても依然として示唆を持っています。
現代社会は、様々な問題や対立に直面しています。こうした問題を解決するためには、厳格な正義だけでなく、 「慈悲」 に基づいた寛容な心が重要です。
リンカーン大統領の名言は、私たち一人ひとりに、 「慈悲」 の大切さを改めて考えさせてくれるものです。
***
似た意味の英語のことわざ
“An ounce of mercy is worth a pound of justice.”
直訳すると、「1オンスの慈悲は1ポンドの正義に値する」という意味です。このことわざは、慈悲は正義よりも価値が高いということを意味します。
“It is better to err on the side of mercy than on the side of justice.”
直訳すると、「慈悲側に誤る方が、正義側に誤るよりも良い」という意味です。このことわざは、たとえ間違っていても、慈悲を持って接する方が良いということを意味します。
“Revenge is a dish best served cold.”
直訳すると、「復讐は冷めた皿で食べるのが一番」という意味です。このことわざは、怒りに駆られてすぐに復讐するのではなく、冷静になってから復讐する方が良いということを意味します。
“To err is human, to forgive divine.”
直訳すると、「過ちを犯すのは人間、許すのは神」という意味です。このことわざは、誰もが間違いを犯すものなので、寛大な心で許すことが大切であるということを意味します。
“Let not the sun go down on your anger.”
直訳すると、「怒りを太陽が沈むまで持ち越さないように」という意味です。このことわざは、怒りを抱え込まずに、すぐに解決するように心がけることが大切であるということを意味します。
その他の類似表現
“Mercy over justice.”
(慈悲は正義よりも重要である)
“Choose mercy over judgment.”
(裁きよりも慈悲を選ぶ)
“Let mercy temper justice.”
(慈悲によって正義を和らげる)
“Show compassion, not condemnation.”
(非難ではなく、思いやりを示す)
“Practice forgiveness, not vengeance.”
(復讐ではなく、許しを実践する)
***
似た意味を持つ日本語
慈悲は剣よりも強し
このことわざは、慈悲の力は武力よりも強いということを意味します。厳格な正義は一時的な秩序をもたらすかもしれませんが、真の平和と繁栄を実現するには、慈悲に基づいた寛容な社会が必要だというリンカーンの考えを反映しています。
寛恕は復讐よりも勝る
このことわざは、怒りに駆られて復讐するのではなく、相手を許す方が良いということを意味します。復讐は新たな憎しみを生むだけですが、許しによって真の和解が生まれるという考えに基づいています。
堪忍は美
このことわざは、我慢強く忍耐強くすることが美徳であるということを意味します。厳格な正義はすぐに結果を求めようとする傾向がありますが、慈悲は相手を理解し、許すために時間をかけることを必要とします。
情けに棹さす
このことわざは、親切にしてもらったら、自分も親切に返すのが当然であるということを意味します。厳格な正義は一方的な関係になりがちですが、慈悲は互いに思いやりを持つ関係を築くことを助けます。
***
エイブラハム・リンカーンの生い立ち
幼少期
エイブラハム・リンカーンは、1809年2月12日、アメリカ合衆国ケンタッキー州ラルー郡の農家に生まれました。
父親はトーマス・リンカーン、母親はナンシー・ハンクス・リンカーン。
リンカーン家はとても貧しく、幼少期から様々な苦労を経験しました。
リンカーンは、6歳の時に母親を亡くし、その後継母であるサライ・ブッシュ・リンカーンに育てられました。
リンカーンは、幼い頃から読書が好きで、限られた教育機会にもかかわらず、独学で多くのことを学びました。
1816年、リンカーン一家はインディアナ州インディアナポリスに移住しました。
青年期
リンカーンは、19歳頃から様々な仕事に就きました。
郵便配達員、雑貨店員、木こり、測量士などを経験しました。
21歳の時に、インディアナ州で入隊し、ブラックホーク戦争に参加しました。
その後、法律を学び、弁護士としての資格を取得しました。
1837年、メアリー・トッドと結婚しました。
1842年、イリノイ州スプリングフィールドに移住しました。
政治家としてのキャリア
リンカーンは、1834年にイリノイ州下院議員に当選しました。
その後、イリノイ州下院議長、アメリカ合衆国下院議員などを歴任しました。
1854年、カンザス・ネブラスカ法に反対し、共和党に入党しました。
1858年、イリノイ州上院議員選挙に出馬しましたが、スティーブン・ダグラスに敗れました。
しかし、この選挙でのリンカーンの演説は全国的に注目を集め、大統領候補として有力な存在となりました。
1860年、アメリカ合衆国大統領選挙に出馬し、勝利しました。
大統領時代
リンカーン大統領の最大の功績は、南北戦争を勝利に導き、奴隷制を廃止したこと
リンカーン大統領は、奴隷解放宣言を発布し、奴隷制度の終結を宣言しました。
リンカーン大統領は、ゲティスバーグ演説など、数々の名演説を残しました。
1865年4月15日、ジョン・ブースによって暗殺されました。
リンカーンの性格と人物像
リンカーンは、誠実で正直な人物として知られていました。
また、ユーモアセンスがあり、周囲の人々を笑わせることも多かったと言われています。
リンカーンは、非常に勤勉で努力家でした。
困難な状況でも、決して諦めずに目標に向かって努力し続けました。
リンカーンは、思いやりがあり、慈悲深い人物でした。
常に他人のことを考え、困っている人を助けていました。
リンカーンの功績と影響
リンカーン大統領は、アメリカ合衆国史上最も偉大な大統領の一人として評価されています。
リンカーン大統領は、奴隷制を廃止し、アメリカ合衆国を統一したことで、歴史に大きな足跡を残しました。
リンカーン大統領は、その自由と平等に対する信念で、世界中の人々に希望を与えました。
***
この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(393)非暴力による英国からのインド独立に貢献したガンジーの名言 The future depends on what we do in the present.(蒔いた種は必ず実る)
https://www.eionken.co.jp/note/mahatma-gandhi/
心に響く英語ことわざ(395)米国キング牧師の名言 Even though we face the difficulties of today and tomorrow, I still have a dream.(艱難汝を強す)
https://www.eionken.co.jp/note/martin-luther-king-jr-3/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
***
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
Amazon.co.jp: 山下長幸: 本、バイオグラフィー、最新アップデート