- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.05

心に響く英語ことわざ(461)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 Time crumbles things; everything grows old under the power of Time and is forgotten through the lapse of Time.(永遠に続くものはない)
“Time crumbles things; everything grows old under the power of Time and is forgotten through the lapse of Time.”
直訳は「時は万物を崩壊させ、すべてのものは時の力によって老い、時の経過によって忘れ去られる」で、似た意味のことわざに「永遠に続くものはない」があります。
アリストテレス(Aristotle)の名言 Time crumbles things; everything grows old under the power of Time and is forgotten through the lapse of Time.の意味
このアリストテレスの名言は、時間という概念が、全ての存在に不可避に作用し、最終的には消滅させてしまうという、ある種の悲観的な側面を表しています。
時間の力
時間は単に経過するだけでなく、全てのものを変化させ、老化させ、そして最終的には消滅させる力を持っていると述べています。これは、自然界のあらゆるものが時間と共に変化し、老い、そして死を迎えるという普遍的な事実を指し示しています。
忘却
時間の経過とともに、人々の記憶から事物が忘れ去られていくという事実にも言及しています。これは、偉大な業績であっても、時代と共に忘れ去られてしまう可能性があることを示唆しています。
この名言から読み取れることは、以下の通りです。
万物の無常性
世界の全ては、永遠不変のものではなく、時間という力によって常に変化し、消滅していく運命にあるということです。
人間の有限性
人間もまた、時間の支配下にある存在であり、永遠に生き続けることはできないという事実を突きつけられます。
歴史の無常性
偉大な文明や文化も、時間とともに衰退し、忘れ去られてしまう可能性があることを示唆しています。
名言の現代における意味
この名言は、現代社会においても依然として深い意味を持ちます。
デジタル時代の情報
デジタルデータは永続的に保存できると思われがちですが、技術の進歩や社会の変化によって、アクセスできなくなる可能性も十分にあります。
流行の移り変わり
ファッションや音楽など、流行は常に変化し、過去のものは忘れ去られていきます。
人間の記憶
人間の記憶もまた、時間とともに薄れていき、過去の出来事を正確に思い出すことは困難になります。
まとめ
アリストテレスのこの名言は、時間の力、そして人間の有限性という、普遍的なテーマを深く考えさせられる言葉です。全てのものは時間という力によって変化し、最終的には消えていくという事実を受け入れることで、私たちはより深く人生の意味を問い、今を大切に生きることができるのではないでしょうか。
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似た意味の英語のことわざ
時間の無常性
Time waits for no man.(時は人を待たず): 時間は平等にすべての人に流れ、誰にとっても時間は有限であることを表します。
All things must pass.(すべてのものは過ぎ去る): 世の中のものは永遠に続くことはなく、必ず終わりが来るという意味です。
Everything old is new again.(古いものは新しくなる): 流行や文化は繰り返し生まれ変わり、時代と共に変化していくことを表します。
記憶と忘却
Memory is a treacherous thing.(記憶とは裏切りのものである): 時間の経過とともに記憶は曖昧になり、正確な過去を思い出すことは難しいことを表します。
Out of sight, out of mind.(目に見えなければ、心からも消える): 意識から遠ざかると、物事は忘れられがちになるという意味です。
自然の摂理
Nothing lasts forever.(永遠に続くものはない): 自然界のあらゆるものは、誕生と死を繰り返すことを表します。
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似た意味の日本語のことわざ
時間の無常性
時は金なり: 時間は有限であり、無駄にすべきではないという考え方を表します。
盛者必衰の理あり: 盛んだったものは必ず衰退するという意味で、世の中のものは永遠に続くことはないという考え方を示しています。
花は散る: 美しいものも永遠に続くわけではなく、いつか必ず終わりが来ることを表しています。
記憶と忘却
時の流れは人を変える: 時間の経過とともに、人や物事は変化し、記憶も曖昧になることを表しています。
忘れ物をするのも人の常: 人は誰でも何かを忘れてしまうものであり、記憶は完全ではないことを表しています。
自然の摂理
世の中は変わるものだ: 世の中は常に変化しており、何もかもが永遠に同じ状態にあるわけではないことを表しています。
その他
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり: 人生は短く、過ぎ去っていくものだということを表しています。
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アリストテレスの生い立ち
アリストテレスは、古代ギリシアの哲学者として、プラトンとともに西洋哲学の礎を築いた人物です。彼の思想は、倫理学、政治学、自然科学など、あらゆる分野に影響を与え、「万学の祖」と呼ばれることもあります。
生まれと若き日
生誕: 紀元前384年、マケドニア王国のスタゲイラという都市で生まれました。父親はマケドニア王の侍医であったため、アリストテレスは幼い頃から医学や自然科学に触れる機会に恵まれていました。
アテネへ: 17歳頃、アテネに移り、プラトンのアカデメイアに入学しました。そこで20年近く学び、プラトンの哲学に深く傾倒しました。
プラトンとの出会い
アカデメイア: アテネのアカデメイアは、プラトンが創設した哲学学校です。アリストテレスはここでプラトンから直接教えを受け、当時の知の最先端に触れました。
プラトンとの関係: アリストテレスはプラトンの最も優秀な弟子の一人として知られていましたが、師であるプラトンとは、理想国家論など、いくつかの点で意見が対立していたと言われています。
マケドニアでの活動
アレクサンドロス大王の家庭教師: プラトンの死後、アリストテレスはマケドニアに招かれ、アレクサンドロス大王の家庭教師を務めました。アレクサンドロス大王は、後にペルシア帝国を征服し、ヘレニズム文化を築いた人物です。
リュケイオンの創設: アレクサンドロス大王が遠征に出た後、アリストテレスはアテネに戻り、リュケイオンという新たな学問機関を設立しました。この学校は、プラトンのアカデメイアとは異なるスタイルの教育を行い、多くの弟子を育てました。
晩年と死
アテネ追放: アレクサンドロス大王の死後、アテネで反マケドニア感情が高まり、アリストテレスはアテネを追放されました。
ハルキスでの死: アリストテレスは、エーゲ海に浮かぶハルキス島で静かに生涯を閉じました。享年62歳でした。
アリストテレスの思想
アリストテレスの思想は、プラトンの理想主義とは対照的に、現実世界を重視するものでした。彼は、自然を観察し、論理的な思考によって、様々な事物の本質を解明しようとしました。
形相と質料: アリストテレスは、万物は形相(エイドス)と質料(ユーレ)から成り立っていると考えました。形相は、事物の本質であり、質料は、形相を宿す物質的な基盤です。
四原因論: アリストテレスは、万物の変化を説明するために、四原因論という概念を提唱しました。四原因とは、質料原因、形式原因、作用原因、目的原因の4つです。
倫理学: アリストテレスは、幸福な人生を送るためには、徳を磨き、中庸の道を歩むべきであると説きました。
政治学: アリストテレスは、理想的な国家の形を論じ、市民の幸福を目的とした政治のあり方を考察しました。
アリストテレスの思想は、中世ヨーロッパのキリスト教思想に大きな影響を与え、ルネサンス期には人文主義の思想家たちによって再評価されました。現代においても、彼の思想は哲学、科学、倫理学など、様々な分野で研究されています。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(460)孔子の名言 If you wish to succeed, first help others to succeed.(因果応報)
https://www.eionken.co.jp/note/confucius-b/
心に響く英語ことわざ(462)フランスの物理学者パスカルの名言 Few friendships would survive if each one knew what his friend says of him behind his back.(慣れは侮蔑を育む)
https://www.eionken.co.jp/note/blaise-pascal-b/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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