- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 205. 心に響く英語ことわざ
公開日
2025.04.02
更新日
2025.04.06

心に響く英語ことわざ(494)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 Anyone can become angry – that is easy. But to be angry with the right person, to the right degree, at the right time, for the right purpose, and in the right way – this is not easy.(怒りこめては事をなし難し)
“Anyone can become angry – that is easy. But to be angry with the right person, to the right degree, at the right time, for the right purpose, and in the right way – this is not easy.”
直訳は「誰でも怒ることはできる。それは簡単だ。しかし、正しい相手に、正しい程度に、正しい時に、正しい目的のために、正しい方法で怒ること、それは簡単ではない」で、似た意味のことわざに「怒りこめては事をなし難し」があります。
アリストテレス(Aristotle)の名言 Anyone can become angry – that is easy. But to be angry with the right person, to the right degree, at the right time, for the right purpose, and in the right way – this is not easy.の意味
この言葉は、怒りという感情は誰でも経験する普遍的なものであり、怒ること自体は簡単であると述べています。しかし、単に怒るだけでなく、怒る相手、怒りの度合い、タイミング、目的、そして怒り方まで含めて、適切に行うことは非常に難しいということを強調しています。
この言葉が教えること
この言葉から、私たちは以下のことを学ぶことができます。
怒りは感情であり、コントロールできる:
怒りは自然な感情ですが、それをコントロールすることは可能です。
怒りの質が重要:
単に怒るだけでなく、その怒りが建設的なものか、それとも破壊的なものか、という質が重要です。
状況に応じた適切な対応:
同じ状況でも、相手や状況によって適切な対応は異なります。
怒りの目的:
怒る目的は、単に感情を爆発させることではなく、問題解決や自己成長につながるものでなければなりません。
なぜこの言葉が重要なのか
この言葉は、私たちの日常生活において、怒りの感情とどのように向き合うべきかという重要なヒントを与えてくれます。怒りをコントロールし、建設的に活用することで、より良い人間関係を築き、自分自身も成長することができます。
まとめ
アリストテレスのこの名言は、怒りという感情の複雑さを示し、単に怒るだけでなく、その質や目的を意識することが大切であると教えています。この言葉は、私たちがより穏やかで建設的な人間関係を築くための指針となるでしょう。
その他
この言葉は、哲学だけでなく、心理学や教育の分野でも広く引用されています。怒りの感情に関する研究は、近年ますます盛んになっており、この名言は、その根源的な問いに対する一つの答えと言えるでしょう。
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似た意味の英語のことわざ
He that is soon angry will be soon sorry.
「すぐに怒る者はすぐに後悔する」という意味で、衝動的な怒りは後に後悔につながることを示唆しています。
It is better to be patient than to be right.
「正しさよりも忍耐強さの方が良い」という意味で、感情に任せて行動するのではなく、冷静さを保つことの重要性を説いています。
Anger is a short madness.
「怒りは短い狂気」という意味で、怒りは理性的な判断を曇らせるという警告を含んでいます。
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似た意味の日本語のことわざ
怒りこめては事をなし難し: 怒り心頭に火をつけていると、冷静な判断ができなくなり、物事をうまく進めることができないという意味です。
怒りは百戦の敗れなり: 怒りは百回の戦いに負けるようなものという意味で、怒りは物事を良い方向に導かないことを示しています。
怒りは百害あって一利なし: 怒ることは何の得にもならず、むしろ多くの害をもたらすという意味です。
水を向けば火を消す: 怒っている相手に優しく接することで、その怒りを鎮めることができるという意味です。
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アリストテレスの生い立ち
アリストテレスは、古代ギリシアの哲学者として、プラトンとともに西洋哲学の礎を築いた人物の一人です。彼の思想は、倫理学、政治学、自然科学など、幅広い分野に影響を与え、今日でもその重要性は失われていません。
生まれと若き日
生誕: 紀元前384年、マケドニア王国のスタゲイラで生まれました。父親はニコマコスという医師で、アリストテレス自身も医学の素養を身につけています。
アカデメイアへ: 若くしてアテネに移り、プラトンのアカデメイアに入学しました。ここでプラトンの哲学を学び、哲学への道を歩み始めます。アカデメイアでは、数学、天文学、生物学など、幅広い学問を学びました。
アレクサンドロス大王との関わり
アレクサンドロスの家庭教師: プラトンの死後、アリストテレスはマケドニア王フィリッポス2世に招かれ、その息子アレクサンドロス(後のアレクサンドロス大王)の家庭教師となります。アレクサンドロスに哲学や科学を教え、将来の王としての素養を養いました。
アレクサンドロスの遠征と影響: アレクサンドロスが遠征に出ると、アリストテレスは彼から様々な動植物の標本や情報を提供され、それらを研究に活かしました。アレクサンドロスの遠征は、ギリシア文化の広がりを促し、アリストテレスの思想も遠方の地へと広がっていきました。
リュケイオンの設立と晩年
リュケイオンの設立: アレクサンドロスが亡くなると、アテネに戻り、リュケイオンという学園を設立しました。ここでは、プラトンの理想主義とは対照的に、経験に基づいた実証的な研究を重視し、様々な学問分野を体系的に研究しました。
晩年と死: リュケイオンで多くの弟子を育て、著作を残しましたが、晩年はアテネを離れ、カ Chalkis で亡くなりました。享年62歳でした。
アリストテレスの思想
アリストテレスの思想は、その後の西洋哲学に多大な影響を与えました。主な思想として、以下のものが挙げられます。
形相と質料: 万物は、形相(エイドス)と質料(ユーレ)から成り立っているという考え。形相は、事物の本質であり、質料は、その形相が現れる基となる物質です。
四原因説: 万物の変化の原因を、質料原因、形相原因、作用原因、目的原因の4つに分類する説。
中庸: 過不足なく、ちょうど良い状態が最も幸福であるという考え。
まとめ
アリストテレスは、プラトンの弟子として哲学を学び、アレクサンドロス大王の家庭教師を務めるなど、波乱に満ちた生涯を送りました。彼の思想は、哲学だけでなく、科学、政治、倫理学など、様々な分野に影響を与え、今日でもその重要性は失われていません。
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この記事もご覧ください。
心に響く英語ことわざ(493)古代ギリシャの哲学者ソクラテスの名言 The way to gain a good reputation is to endeavor to be what you desire to appear.(言行一致)
https://www.eionken.co.jp/note/socrates-c/
心に響く英語ことわざ(495)「我思う、故に我あり」で有名なフランスの哲学者デカルトの名言 Doubt is the origin of wisdom.(疑うことは学ぶことなり)
https://www.eionken.co.jp/note/rene-descartes-c/
英語リスニング脳構築のポイント「単語ごとの英音認識」と「意味の理解」ができるようになる学習法
https://www.eionken.co.jp/note/listening-english-recognition-understanding/
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英音研株式会社創業者・代表取締役
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。BCGでは日本のみならず、米国・欧州企業向けに経営戦略、マーケティング戦略、業務改革(BPR)、新規事業や新サービス開発プロジェクト、ソーシャルメディアマーケティングなどを多数経験。NTTデータ経営研究所においては、グローバルビジネス推進センターのエクゼクティブコンサルタントとして、米国、中国、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、UAE、サウジアラビアなどにおける市場調査・輸出拡大戦略立案などに従事。
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語スピーキング脳を構築する効果的な学習方法も考案、英音研公式ブログに学習方法を投稿。
・趣味は米国の映画・ドラマを視聴して、米国人の価値観、文化、風習などを感じ取ること
・最近は、長年疑問に思っていたことや知りたいと思っていたことを生成AIに質問して、回答を読んで納得したりしている。これからの時代は膨大な知識データベースでもある生成AIへの質問力がポイントになると考えている。
・晴れていると、近くの小さな川沿いをウォーキングして、季節の移ろいを感じている。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など8冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート
・「シニアになって米国オンライン教育を受講してみた」シリーズとして9冊の書籍を発刊
「シニアになって米国の子供向け英語フォニックスのオンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け米国史オンライン教育を受講してみた」
「シニアになって米国高校生向け化学オンライン教育を受講してみた」など
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書に「ビジネスコンサルティング技術・マインド体系」「新規事業アイデア創造の技術」「ビジネスレポートを書く技術」「ビジネスプレゼンテーションの技術」など14冊がある。
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